第三十八話
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「ツルギ..。私が死んでも、その事は、誰にも言うな..。
特に、君とよく”親しくしてる”人間には....」
エルフの死に方。
エルフは死期が近づくと、一時的な身体の硬直、倦怠感、吐き気を
感じるようになる。彼女が魔女の攻撃を避けられなかったのは、この
”身体の硬直”の影響を受けたからー
そして、エルフが寿命で死ぬとどうなるのか。
身体の中の、様々な器官が、液体状になり排出される。
だから最後は、身体の原型は跡形もなくなってしまう。
しかし、茶色と赤色が混ざったゲル状の液体だけは残される。
俺はその、キューラの液体を魔法で固め、川に流した。
かなりの異臭を放っていたため、道中バレないように細心の注意を払った。
それが、彼女の望む死の結末だった。
♢
「ただいま..」
ツリーハウスに戻った。二人の刺すような視線が、俺を射止める。
「ねぇ。何してたの?」とサーニャ
「別に、何もしていないよ」
「ねぇ。ツルギ。あんたさ、今のこの状況がどんなものか分かってるの?
今日もまた一人いなくなった。後、たった1日しかないんだよ?
後1日でなんとかしないと、メリッサは死ぬんだよ?」
「そうだよ..。だから頭冷やして、自分が今、何をすべきか考えてた....」
「へぇ..。それで?君の大好きなスタンリューマを殺す覚悟はついた?」
「......」
「サーニャ..。ずっと気になってたんだ..」
「何?メリッサ?」
「貴方はどうしていつも、スタンリューマが魔女だって、そう決め付けるの?
なんだかさ..。彼女が魔女じゃなきゃまずいみたいな....」
メリッサはサーニャを睨みつけた。
その恐ろしい形相に、思わず冷や汗が流れる。
「だ、だってそうじゃない?他に疑いがあるような人はいる?」
「いないわ....」
「でしょ?だから、彼女しかいないのよ..」
「..。これ以上話しても、何にもならないよ..。
とりあえず今日はもう寝て、明日に備えよう....。明日、全部終わるから..」
♢
ずっと、話の切り出し方に悩んでいた。6日目の朝だった。
なんと言うべきだろう。やっぱり、、
「俺は、魔女が誰かを知っている」
が、良いかな....。




