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異世界に転移して回復能力を手に入れた俺が、老化の呪いを受けた超毒舌ヒロインを助ける羽目になった件  作者: ラストジェネレーション


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閑話 みんなの似顔絵 ※挿絵あり

作者がヤケクソになりながら描いた下手な挿絵が付いてます。

本編とは関係のない話なので、読んで頂かなくても問題はありません!

「みんなの似顔絵を描こう!!」


 そう提案してきたのはサーニャさんだ。


「どうして急に?」と、俺は言った。


「別に深い意味はないわ。でも、君たちの顔を忘れないようにしようと思って..。

ほら。私たちエルフって寿命が長いじゃない?

だから、どんなに素晴らしい出会いをしても、

きっといつか忘れちゃうから。だから、何かに残しておきたいの!」


 素晴らしい出会い?彼女にとって、俺たちとの出会いは、

素晴らしい出会いだったと言う訳か?


 なら良いだろう!


「オッケーサーニャ!俺のこのイケメンフェイスを、描く権利を与えよう..。

ふふっ..。俺のこの繊細なパーツを、君はどこまで再現出来るか....」


「別に貴方はどうでも良いわ。普通の顔すぎて、逆に忘れられないもの。

それよりも私が描きたいのはメリッサ!!貴方よ!!」


「へ..。私....?」


「そうよ!!私、あなたほど綺麗な女性と、今まで会った事ないもの..。

だから是非私に描かせて!!お願い!」


「まぁ..。別に良いけど?その代わり、ちゃんと凛々しく描きなさいよね。

下手だったらまた全身黒焦げ..いや、殴るわ!!」


 物騒なワードが聞こえた。まぁ、気のせいだろう。


 というわけで、俺一人を除け者にした、二人のお絵描きタイムが始まった。


 どちらも真剣な眼差しで、じっくり相手の顔を観察している。

物凄い気迫と集中力だ。邪魔するのも悪いし、俺はいなくなりますよ..。


 ガタッ


 居場所がないので、俺はひとまずスタンリューマが昨日まで座っていた

執務室の椅子に腰を下ろしてみた。座面はクッション素材で柔らかく、長時間

座っても腰が痛まない所が良い。


 それに、後ろの窓から新鮮な風も供給される。


 換気もいいし、日当たりもいい。こんな桃源郷のような場所で、あの人は

王としての責務をこなしていたのかと思うと、何故か感慨深くなる。


 するとここで、風に煽られたのか、一枚の紙片が空中を舞っているのを見た。

まだ浮遊しているため、手を伸ばし、何とかその紙を掴む事が出来た。


 にしても、これは何の紙だ?もしや国家機密の暗号文?どれどれ?

裏側に何か絵が描かれているぞ。


 俺はその紙をめくった。


挿絵(By みてみん)


 そこには見知らぬ誰か?(多分人だ。耳が普通だし)の絵があった。


 ぷっ..。スタンリューマが描いたんだろうけど。

誰だよこいつ!不細工すぎるだろ!こんな化け物みたいな人間..。


 人間....。男....。


 おい待て..。これ、俺の似顔絵じゃないよな?


 頭を悩ましていると、突然、サーニャが奇声を上げながら、

ドタドタとでかい足音を鳴らし、俺のいる執務室の中に入ってきた。


「信じられない!!」


 入ってくるやいなや、彼女は叫んだ。


 なるほど。大体察しはつく。どうせ、メリッサの絵が超絶ド下手で、

全く似ていない事にキレているのだろう。


「見てよ!!メリッサが描いた私の似顔絵!!」


 やはりそうだった。俺はサーニャの手から、彼女の似顔絵を受け取った。


挿絵(By みてみん)


「ブッ..」


 そして、思わず吹き出してしまった。せっかく顔は良く描けているのに、

顔から下の作画が適当すぎたからだ。メリッサが描いて段々飽きてきたのが、

目に見えて分かる。こりゃあ怒るわけだ。


「ね!!変でしょ!!私こんな、空飛んでる蝶々を追いかけてそうな、

間抜けな顔していないもの!!」


 あ..。体じゃなくて..、そっちにキレてんだ。


「ちょっと。そんなに怒んないでよ..」


 すると、サーニャの後に続くように、メリッサも執務室の中へ入ってきた。


「酷い!!酷すぎるわ!!」


「えぇ..。結構上手く描けたと思ったんだけどショック..。

それよりツルギ!!これサーニャに書いて貰ったんだけど!!どう!?」


 嘆くサーニャとは対照的に、メリッサは嬉しそうだ。


 俺はメリッサの手から、彼女の似顔絵を受け取った。


挿絵(By みてみん)


「り、凛々しい..」


「でしょ!!私のかっこよさが、良く再現されているわ!うん!

文句の付けようがない!!」


 確かに..。でも、どうして片目が隠れているのだろう?

あの二人が座っていた席、風が入ってくる場所じゃないのに..。


 あ..。分かった..。もう片方の目を描くのが面倒くさかったんだ..。


「ところで..」


 と、ここでメリッサが一呼吸ついて言った。


「ツルギはさっき、絵を描いたりしていなかったの?」


 俺は2秒ほど間を開け、


「描いてない。描いた事もない」と言った。


 しかし、ここで思わず、そっぽを向いてしまったのが、

最大の過ちだった。


「嘘!絶対描いてる!!」


「ま、マジで描いてないから!俺、絵..下手だし....」


「え??ツルギも誰かの似顔絵を描いたの?


 描いた。


 実はさっき、サーニャとメリッサがお互いの似顔絵を描いている間に、

俺は”あの人”の似顔絵を一人で描いていたのだ。


 しかも、服装なんかは完全に適当で、頭の中に何故かその”光景”が

浮かび上がってきただけで、百パー俺の妄想絵だ。


 こんな気持ちの悪いものを誰かに見られたら、俺は死ぬ。


「見せて見せて!!」


 ピラっ


 俺は描いた絵を、ポケットにしまい隠していた。

しかし、覆い被さるサーニャを払い除けようとしたその瞬間、


 絵はするりとポケットから落下し、地面にゆっくりと落ちた。


『あ..』


 三人の視線が一点に集まる。


ーまずい..。終わった..。いや、まだ終わっていない!!


 ”あれ”を最初に拾い上げれば!!


「う〜ん..。どれどれ..?」


 あ..。


 しかし、時すでに遅し。最初にそれを手にしたのはメリッサだった。


「......。も、もう良いだろ..。暇潰しで適当に描いた奴だし..」


「う、うん..。ご、ごめん....」


「よーしじゃあ次は私の番だ....。う、うん....」


「..........。み、見せてくれてありがとう..」


「......オワタ(棒読み)..」


「え?」


「もう終わったよ!!終わり終わり!!

良いよ良いよ!!下手だって分かってるし!別に気にしてないし!」


 俺は号泣しながら、執務室の外に出た。


 あの絵は置き忘れたままだが、別に良い。

誰に見られたって同じだし、気まずくなるなら、もういっそ捨ててしまった方が..。


 



 ツルギが出て行き、二人取り残された執務室



「ねぇサーニャ..。この絵..、どう思う....?」


「どうもこうもって..、”愛“だよ..。これは百パー”愛”」


「”愛”ね..。うん、”愛”よね....」


「うん....。”愛”よ....。知ってたけど....」






















挿絵(By みてみん)





「どうする..。これ?」


「彼の寝室にこっそり戻しておきましょう..」


「えぇ..。そうね....」









 



 


 

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