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第二話 最強のヒロイン

〜前回のあらすじ〜


超性悪女に呪いがかけられた。その名も<老化の呪い>。

彼女の呪いを解くために、魔女を殺す旅が始まる!

「あの..。王様....」


「ほらこっちにおいで。お年玉をあげよう..」


「彼女は、俺が回復能力を使わないとお婆ちゃんになるんですよね..」



「そうじゃ..。しかも厄介なのが、<老化の呪い>は、放っておけば

最終的に被呪者を老衰させるまで進行してしまう..」


「マジですか!?じゃあ彼女、もしかして今結構ピンチなんじゃ..。

俺もずっと回復をかけ続けられませんし..。第一寝る時はどうするんですか?」


「大丈夫じゃ!<老化の呪い>はどういうわけか。被呪者が眠っている

間は進行が一時的に止まるからのう..。だから問題はないのじゃが..。魔女を

倒すのは大変なのに加え、やはり『性行為』が一番手っ取りーー」


「絶対嫌です!!誰が好き好んでこんな性悪女抱くんですか!?

俺の貞操は好きな人に捧げたいんですよ!それなのにこんな女抱いたら

一生物のトラウマの出来上がりーーー」


ーあ....。


俺は無意識の内に、能力を発動した状態で老化したメリッサに近づいていた。


「......。」


「あ、あははははは!ごめん今の聞いてた?ーーー」


ーゴン


「さ、最低!国王様!何とかならないんですか!?

私絶対嫌ですこんな男に抱かれるの!!」


「うーむ..。だとしたら別の誰かに..」


「じ、冗談じゃありません!!誰にも抱かれたくなんかありません!!」


「....。困ったなぁ..。

現状、呪いを条件無視で強制解除出来るのは、この国にはメリッサー

お前の隣にいる男ただ一人のみじゃ....」


「え?」


メリッサにグーパンで殴られ腫れた頬を抑えながら、王様の顔を見た。

彼が言った事は冗談ではない。マジの顔をしている。


「つまり魔女を討伐するに当たり、

メリッサと其方は常に行動を共にせねばならぬ。

メリッサよ。決して彼の周囲半径5m以上離れるでない!さもないとお前の命に

関わってくるからな....。そして異世界人、ツルギよ..。其方も決して、彼女から

離れようとするでない。性行為なしでの方策は、もうこれしかないんじゃ..」


ーえ?え?嘘でしょ??抱くか、常時離れずに行動するかの二択..。

初手で当たりのない選択..。おかしい!異世界転移ってこんなに酷なのか??


「くっ...。仕方ないわね!!」


ー少しは反論してよ


「あんたに抱かれるくらいなら、まだマシよ!!」


ーなんで?どっちもヤダ..。


「後は其方次第だが..。どうする??」


ーこういう圧力に逆らえないのが、俺の弱いとこだ。


「はい....。魔女を倒します」


「チッ」


おいおい..。仕方ないのに舌打ちするのやめてくれよ..。もうとっくに

俺の精神負荷は許容量超過キャパオーバーしているってのに....。


「あい分かった!!ただし魔女を倒す!

その道が遠く、険しいものであるのは覚悟したまえ」


「は..はい」


「魔女といえば、この世界に君臨する魔王が生み出した最強の刺客..。

そこらの魔物とは比べ物にならない..」


「え!?でも私、魔女を瀕死になるまで追い詰めましたよ。

<呪い>を喰らったのは、完全に油断していたからであってーー」


「......。そ、そうじゃな....」


あれ、王様結構ドン引きしていないか?もしかして、王様もメリッサの力量を

見誤っていたとか??


「ご、ゴホン!!最強の刺客というのは嘘じゃ!魔王軍を束ねる幹部の方が、

戦闘能力的には一枚上手..」


「私、全滅させましたけど。集団で襲ってきたので」


ーえ??


「ど、どういう事じゃ!ワシはそんな話聞いておらぬぞ!!!!」


「す、すみません!!大して強くなかったし、報告”するまでもない”と判断して」


ーえ??え??


「ゴホっ!!ゴホゴホっ!!まだ魔王がいる!!」


「す、すみません..。魔王も昨日倒しました......」


「.........」


「.........ツルギよ..」


「は、はい..」


「この国の魔女が、どこを拠点に活動しているのかは定かではない..」


「はい....」


「ただ、ワシらよりも長寿のエルフなら、何か知っているかもしれん..。

だから其方にはまず、この国の東にあるエルフの森へ行ってもらい、

そこで魔女に関する情報を集めてきて欲しいのじゃ」


「あの..王様..」


「何じゃ?」


「お、俺が異世界に転移した意味って、何なんですかね....」



かくして、魔王軍から国を守るという当初の目的がなくなった俺は、

メリッサと共に、敗走した魔女の情報収集の旅へ向かう事となった。




















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