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異世界に転移して回復能力を手に入れた俺が、老化の呪いを受けた超毒舌ヒロインを助ける羽目になった件  作者: ラストジェネレーション


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第十五話 発情期

「スタンリューマさん。只今です」


「うん。お帰りなさい」


スタンリューマさんはそう言って、少し微笑んだ。

彼女は最初、もっと無機質で冷酷な人間だと思っていたのに、

その推測はどうやら誤っていたようだった。


彼女はある程度親しい相手には、こうして柔和な態度を取るように

なる。初対面ではとっつきにくいが、話してみると意外に面白い。

そんなタイプのエルフさんだった。


だから、彼女が魔女で、メリッサを殺そうとしている事が、俺には

到底受け入れ難かった。だからせめてもう一度、あの<刻印>に

ついて聞こう。それで、真相は判明する。


「スタンリューマさん....」


いつものように、執務室で種々の書類に目を通す。

真紅の瞳鮮やかな彼女に一声かけた。


ードクドク


心音が激しくなる。これからの彼女の返答次第でーー


「ん?なんだい?」


「スタンリューマさんは、、先日俺が森で見たという記号を

知らないと言いましたよね。どうしてですか....」


「本当に知らなかったからだよ」


「貴方は..、最初、魔女はもう死んだと言いましたよね?

あれはどうしてそうわかったんですか....?」


「エルフはね、人間にはない第六感のようなものがあってね、、

微弱ながら、一人一人の身体からオーラのようなものが見えるんだよ。

でも、魔女のオーラだけは尋常じゃなくてね..。彼女だけは例えエルフの森

からどれだけ離れようと、オーラが見えなくなる事はなかった。だから

あの薄気味の悪い禍々しいオーラが消えてくれたのは本当に有り難かったよ」


「....。じゃあ!どうして貴方は、来週にもメリッサを殺してしまえ!って..」


「待て..。話の関連性が全然見えてこないのだが..。それに私は、メリッサを

殺してしまえなどと言ってはいないぞ。私が言おうとしたのは、彼女は来週、

生誕祭を迎えるから、その催しをどうしようか?だ。お前が血相を変えて

食器を投げつけてきたから、最後までは言えなかったが..」


「え....」


ーつまり..。俺の勘違い?


「いや..。だってあの森にあった記号は、<魔女の刻印>って言って!!

そんな大事なマークを、スタンリューマさんが知らないわけないと..」


「ん?なんだい?その<刻印>とは?」


俺は王立図書館で入手した情報の全てを、彼女に打ち明けた。


「なるほどな..。つまりツルギ..お前..。私が魔女だと疑っていたわけか。

どうりで様子が可笑しいと思った....」


「す、すみません....」


「信じられないよ全く。一年も一緒に生活して、まだ信用されていないだなんて..」


「ゆ、許して下さい!」


「ほう?許して欲しい??ならーー」


「肩揉みでもしてもらおうかな..。一時間くらい..」


「出来ればアロマオイルも塗ってくれると助かる。長時間のデスクワークは

ただでさえ負担が大きいんだ..。エルフなのに、私はもう長い事狩りには

行けていない。そうだ。明日の狩りは、ツルギにも同行して貰おう!!

あぁ、それに今日のこれからの夕飯も作ってもらいたいな。一緒に水浴びでも

したいし!添い寝して1分おきに私の頭を撫でて欲しい!

あぁ..。やりたい事が沢山出て来た!!」


「す、スタンリューマさん..?」


「....」


「ご、ゴホン..。すまない。君に魔女だと疑われたショックで、少し素に近い

部分が出てきてしまったのだ。これは厄介なものだ。

我ながら自身の欲望の深さに辟易する。さて気を取り直そう。仕事仕事ーー」


意外な一面が見つかった。彼女には、俺の知らない”素”の顔があるらしい。

その一端を垣間見た今日この頃だが、、どうしよう。めっちゃ可愛い。


「スタンリューマさんって、いつもの冷静な口調とか、もしかして

演技だったりするんですか?w」


「そ、それはそうだ。親しき仲にも、礼儀あり!!だな!!」


「そうなんですか〜?でも俺の元いた世界では、そう相手に本音で

接さないのは、かえって礼儀知らずだったりするんですよ〜(嘘)。

だから俺、もっとスタンリューマさんの素に近い部分が見たいな〜」


「な、何だって!?つまり私の今までの行為は全て、無礼に値すると言うのか?」


「まぁ、そうなりますね〜w。だからスタンリューマさんはもっと、

俺に素を見せって下さい!!」


「そ、そうか..。良いんだな....」


「良いですよ良いですよ〜」


ー「なら..」


いよ!!待ってました!!


「まず、朝、昼、晩、一日3回は『良い子だね』って私の頭を撫で撫で

してくれるのはマストよね。私の1日の活力がそれで得られるわ!良い?

私が毎日やっているお仕事はとっても大変なのよ!!だから私が疲れて

部屋で一人眠ってる時は、さりげなく毛布かけたり、隣で何か心安らぐ

音楽を口ずさんでくれたり、、それに、多忙で困っている時は、ずっと

私の隣にいて、私を見てくれて、紅茶もいれてくれるととっても助かるの。

あ!この時も頭ずっと撫でて欲しいな!!それに、ツルギいつも、朝は

メリッサと一緒に散歩に出かけるでしょ!あれ!私もついてって良いかな?

あとね!今までは清流で水浴びる時は別々だったけど、これからは

一緒が良い!ご飯食べるのは食卓のせきは真向かいじゃなくて隣り合って

食べたい!さっきも言ったけど、寝る時も勿論一緒よ!!これからは

シングルサイズのベッドを二つくっつけて、ダブルスサイズにして寝るの!

出来れば、この時も頭撫で撫でして欲しいな!!私ね、これからは基本、

ツルギと行動を共にしていたいの..。今までは、王としての威厳とか、

そういうのしっかり見せていかなきゃと無理してたから、その反動というか

皺寄せが今になって来ちゃってるのは置いといて、とにかく私は

ツルギと一緒にいたい。良いでしょ?ねぇ良いよね。私たち、もう一年は

一緒にいるんだし、お互いの事はよく知っているものね。知ってる。

そう、私はこれから、貴方と接する時、今までよりも少し口調が砕けた

感じになるけどこれは友好の証だから好意的に捉えてくれると嬉しいな。

というわけで、これからもよろしくねツルギ!!」


あ....。そういう感じの素ね..。


「よ、よろしく..」


「じゃあ早速撫で撫でして〜」


「はい。喜んで」


ーナデナデ


ヤッベェ。前から艶とハリのある綺麗な髪だと思ってたけど、何だこの質感?

俺のと全然違う......。さらさらさらさらさらさらさらさら


ーガチャ


「おい。何をしているお前ら......。お取り込み中か..、出直す..」


「うわぁキューラさん!?どうしてここに??」


「どうしても何も、そこにいるスタンリューマに呼びつけられたんだ。

人間にはない感覚かもしれないが、私たちエルフは、他のエルフと離れていても

ある程度のコンタクトが取れるから」


ふーん。さっきスタンリューマが言ってた第六感みたいなものだろうか?


「スタンリューマ!来てやったぞ!!何の用だ?」


「うわぁ..。来るの早いね〜。もっと撫でられたかったよ〜」


「....お前..」


「えっと、用事ってのはね。貴方と、ビースト君や、その他武闘派のエルフ達

で森の警備を強化して貰いたいのよ。今回の行方不明事件。どうやら魔女が

絡んでいるみたいだから」


「魔女だって!?あいつは死んだだろ?オーラも消えた..」


「そうなのよ。ただ、現場で魔女の残す特殊な記号が見つかっていてね。

これは<気化の呪い>を発動するための儀式らしいの..」


「ふ〜ん?気味が悪い記号だな。この瞳の中の星は何だ?」


「それは、この先出る犠牲者の数よ」


その瞬間、キューラの顔つきが一気に険しくなっていった。


「な、何だって!?そんな馬鹿な..。つまり私は、犠牲者がこれ以上出る前に、

今回の事件の元凶を潰して欲しいと?」


「まぁ、そういうわけね..。貴方なら出来るでしょ?

かつてエルフの森を単身で飛び出し、三百年前、魔王軍幹部三体を

単独撃破だっけ..。今のメリッサが所在する人間の王国騎士団の

初代騎士団長の貴方なら..」


「当たり前だよ。それに倒した魔王軍幹部は四体だ。それもうち一人は

当時この世界を席巻していた最強の魔族だ。あれは魔王よりも強かった。

その魔王の片割れの魔女など、今更相手するまでもない」


ほぇ〜。キューラさんが強いのは知ってたけど、ここまでの実力者だったとは..。

メリッサと戦わせたらどっちのが強いかな?


「ならよろしくね。ビースト君にもそう伝えておいてくれないかな?」


「はい..」


「うん。ありがとう!」


ーー「私たちの国に手を出したのよ。魔女さんには死んでもらわないとね..」


そのあまりにも冷たいスタンリューマの一言に、俺は背筋が震えた。


「じゃあね、キューラ」


「あぁ..。あっそうだ。ツルギ、お前も少し、私と一緒に来てくれないか?」


ーお、俺??


そうして俺は、キューラに連れられるがままに、スタンリューマのツリーハウスの

一番下の所まで来てしまっていた。




「ツルギ..。スタンリューマの奴、様子が変だったろう?」


「はい。ただ、あれが彼女の素なんです」


「違う..。あれは素なんかじゃなくて、ただの発情期だ」


ーえ?


「え?」


「エルフにはな..。何だ..。百年に一回くらいこう....、エルフ肌恋しい時期

が来るんだ..」


それを言うなら人肌恋しいでは?あ。ここはエルフの森だった。


「発情期はなってから少なくとも一年以上は続くのだが、、

ツルギ、覚悟しとけよ。

スタンリューマの発情期はとにかく酷いからな!」


ーな、何が何が??


『鼻の下伸ばしてるの??キモすぎ(内なるメリッサの声)』


「はい。それで発情期というのは具体的に、彼女の身に何が起こるのでしょう?」


「そうだなーー」


ーー「めっっっちゃ甘えん坊になる」




「マジか..」


俺の頭の中のメリッサよ。今回はエロとは無縁だから帰って構わないぞ。


「毎日頭撫でろだの、身体洗ってくれだの、膝枕してくれだの。

夜なんか物凄く密着してくるから碌に寝れたものではなかったな..。お前も災難だよ..」


「はい..。”最軟”ですね....」


「じゃあな。とりあえずツリーハウスに戻ったら、

べったりくっついてくると思うが、

無視しないであげてくれよ。あいつ、構ってあげないとメンヘラ化するんだ..」


なるほど。たま○っちみたいな感じか..。家出させないためにも

頑張らないとな..。


「もうこんな夕方だ。これからビーストと一対一の勝負だから、私はこれで..」


「はい。さようなら〜」


どうやら俺の乾いた異世界生活に、”春”が訪れたらしい。


しかしそれで、メリッサにしてしまった事の罪悪感が払拭されるわけではない。

これから向き合う事、立ち向かわねばならぬ事を明確にしていこうと思う。





















頭が痛い時に書くものではないですね。

今回の話は昨日投稿した話を全修正したものになります。


因みに昨日投稿した奴はスタンリューマさんが死んで

メリッサの意識が戻るという内容でした。流石に展開が早すぎたので、

消したのは正解だった気がします。

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