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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 櫻井シオン編

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第2章 露草色の雨に濡れて(櫻井シオン編)中編

六郭星学園 音楽室



櫻井シオン

「なるほどね…………。いかにも莉緒らしい曲ね。それに…………私っぽい。」


運動会から数日…………僕はシオンに例のフレーズを聞いてもらっていた。


シオンの評価はある程度の評価を得ることができた。


真瀬莉緒

「シオンが良ければこれで行こうかと思うんだけれど…………どうかな?」


櫻井シオン

「良いと思うわ!ここに私のシンセサイザーが加わるのね!」


真瀬莉緒

「ああ、シオンのシンセサイザーが加わればもうこの曲はすごいものになるよ!」


櫻井シオン

「ええ、じゃあ早速練習ね!!」


シオンがそういうと僕たちは練習に取り組み始めた。


さすがはシオンだ。僕の作ったメロディーをあっさりと弾きこなす。いや、本当にさすがだ。


僕はついシオンの集中している姿に見惚れていた。


櫻井シオン

「ん…………莉緒?どうしたの?何か気になることがあったの?」


真瀬莉緒

「あ、い、いや…………大丈夫だよ。なんでもないよ。さ、練習、練習!」


櫻井シオン

「そうね!じゃあ…………。」


そういうとシオンのスマホが鳴る。


シオンは申し訳なさそうに、電話に出る。


櫻井シオン

「もしもし…………?ああ、かいや…………。今、莉緒と色々立て込んでいるの。」


かいや…………シオンの弟、櫻井かいやのことだ。


櫻井シオン

「体調は大丈夫?…………そう…………なら良いけど…………。ハルトのことは大丈夫。私に任せて。…………」


………………?浅越さんとかいやに何かあったのか?


櫻井シオン

「ええ、うん、またね!」


シオンは電話を切った。


櫻井シオン

「あ…………うん。ごめんね。話……聞いてた?」


真瀬莉緒

「うん…………まあ。」


櫻井シオン

「ハルトと私の弟…………かいや…………いや、私もね。私たちには色々とあってね…………。」


真瀬莉緒

「色々って…………?」


櫻井シオン

「…………まだ言えないわ。追々話すわ。…………さあ!練習に戻りましょう!」


真瀬莉緒

「………………ああ!」


僕は深掘りをするのをやめた。シオンの言う通りに追々話してくれることを待つことにした。


しばらく練習すると、僕たちは練習を切り上げることにした。



六郭星学園 中庭



僕たちは中庭に行くと、中庭にあるベンチに座った。


櫻井シオン

「お疲れ様。」


真瀬莉緒

「ああ、お疲れ。」


櫻井シオン

「もうちょっと練習が必要ね。」


真瀬莉緒

「ああ、完璧な曲にするにはもっと練習しなきゃ。」


すると僕のスマホの着信音が鳴った。


電話に出ると、相手は僕に作曲の依頼をしている声優さんだった。


僕はちょうど良いと思い、僕は今回の作曲にシオンも加わると言うことを話した。


声優さんは文句を言うこともなく許可をしてくれた。


僕はすかさずお礼を言って、電話を切り、シオンに正式に作曲に加わって良いことを話した。


櫻井シオン

「本当に!?やったあ!!」


シオンはとても喜んでいた。僕も少しホッとした。


僕たちは早速、作曲の話をしようとした時、1人の女子生徒が近づいてきた。


??

「櫻井さん!」


櫻井シオン

「来川さん!?」


真瀬莉緒

「ら…………来川さん?」


僕がそう言うと来川さんは僕に気付き自己紹介をしてくれた。


来川ナナ

「失礼しました。私は来川ナナ(らいかわ なな)。Kクラスに所属しています。」


真瀬莉緒

「ああ、そうでしたか。僕は真瀬莉緒です。よろしくお願いします。」


来川ナナ

「よろしくお願いします。…………それより、櫻井さん。弟さんの容態が少し悪いみたいで…………。病院に来てもらえませんか?」


櫻井シオン

「病院に!?さっき電話したのに…………やっぱり調子が悪かったのね。莉緒もついてきて良いかしら?話さないといけないこともあるの。」


来川ナナ

「構いませんが…………でも部外者が関わるのは…………やっぱり…………。」


櫻井シオン

「そこをなんとか!」


来川ナナ

「あ、はい!どうぞ!」


来川さんは咄嗟に、許可を出した。


櫻井シオン

「よし、行こう莉緒!」


真瀬莉緒

「ああ、急ごう!」



来川医療センター



僕たちは来川医療センターにやってきた。かいやの居る病室に入る。


櫻井かいや

「ああ、お姉ちゃん。ごめん…………。」


櫻井シオン

「かいや!無事なのね!」


櫻井かいや

「少し立ちくらみがあっただけなんだけれど…………心配かけちゃったね。」


櫻井シオン

「良いの…………本当に良かった…………。」


真瀬莉緒

「かいや。久しぶりだね。」


櫻井かいや

「ああ、莉緒さん!お久しぶりです。」


真瀬莉緒

「久しぶり。…………でもどうしてここに入院しているの?」


櫻井かいや

「ああ…………それなんですけどね…………。」


??

「な、なぜここに居る!?」


大きな声が病室に響く。その声は…………


真瀬莉緒

「あ、浅越さん!?」


何故、浅越さんがここに…………?それに少し不穏な感じがする。


浅越ハルト

「まあ良い……ただ俺は諦めないからな…………!!お前のせいで…………!!」


櫻井シオン

「……………………。」


看護師

「浅越さん…………病室なのでお静かにしてください。」


浅越ハルト

「…………わかりました。妹を頼みますよ…………。」


そういうと浅越さんは病院を後にした。


櫻井かいや

「お姉ちゃん…………やっぱり僕じゃなかった方が…………。」


櫻井シオン

「やめて。そう言うのは。」


シオンがいつになく真剣な表情だった。


真瀬莉緒

「シオン…………?」


櫻井シオン

「莉緒…………ごめん。病院から出ましょう。」


真瀬莉緒

「わかった…………。」


僕はシオンの真剣な様子に圧倒され、シオンの言うことに従うしかなかった。



病院から出ると、外は雨が降っていた。


櫻井シオン

「雨か…………傘持ってきてないわ…………。」


シオンは傘を持ってきてないみたいだ。僕はたまたま折り畳み傘を持っているため、貸そうかと思いきや…………。


櫻井シオン

「走れば…………大丈夫ね!莉緒行くわよ!!」


真瀬莉緒

「ああ!ちょっとシオン!!」


僕は急いでシオンのあとを雨に濡れながら追いかける。

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