表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 小鳥遊カルマ編
89/347

第3章 真紅の花火 (小鳥遊カルマ編) 後編

部屋に戻ると、みんなが待っていてくれた。


風亥ノクア

「お、おかえり。花火でも見ていたの?」


真瀬志奈

「あ、見えましたか?」


浅越ハルト

「ああ。窓から見えてな。…………でもその様子なら小鳥遊と完全に話ができたみたいだな。」


真瀬志奈

「はい。おかげさまで小鳥遊さんの決意が見られました。」


霧宮ナツハ

「良かったじゃない。来た甲斐があったわね。」


真瀬志奈

「はい。みなさん本当にありがとうございます。」


櫻井シオン

「お礼なんていいのよ。ね、エリカ。」


美園エリカ

「え、ええ…………。」


美園さんのテンションが暗い様子が見られる。何か悩んでいるのだろうか?


真瀬莉緒

「…………?どうしたの?」


莉緒もそう思ったのか美園さんに声をかけた。


美園エリカ

「あ、いえ…………なんでもないわ。大丈夫。」


真瀬莉緒

「そうですか…………。わかりました。」


小鳥遊カルマ

「とりあえず、俺は頑張ることにした。過去を否定せずに俺は向き合っていく。美園…………お前はどうするんだ?」


美園エリカ

「私は…………。」


美園さんは答えに迷いが生じている。手助けしようかと思ったが、すぐに口を開いた。


美園エリカ

「私はまだ決心がつかない。もう少しだけ時間をくれるかしら?きっかけを掴めたら考えるわ。」


小鳥遊カルマ

「そうか…………わかった。ひとまずはもう遅いから、温泉に入ってゆっくり休もう。」


真瀬志奈

「そうしましょう。皆さん今日は楽しかったです。ありがとうございます。」


風亥ノクア

「ああ、こっちも楽しかったよ。ありがとう。」


霧宮ナツハ

「ええ、それじゃあ、おやすみ。」


そう言って、私たちは温泉に入ったあと、部屋の布団に入り、眠りについた。



翌日…………



私たちば朝食のバイキングに来ていた。


風亥ノクア

「さすがリゾートホテル。朝食もなかなか美味しいな。」


霧宮ナツハ

「よく味わって食べましょう。」


浅越ハルト

「それよりも、仕事とか大丈夫なのか?人気モデルなんだから引っ張りだこだろ?」


霧宮ナツハ

「ああ、それは大丈夫よ。色々と片付いたから。」


浅越ハルト

「そうか…………。」


櫻井シオン

「うん。この卵焼き美味しいわね。莉緒もどう?」


真瀬莉緒

「…………遠慮しとく。」


とても楽しく朝食を楽しんでいる。そんな私たちも…………


小鳥遊カルマ

「うん。なかなかの味だな。特にこのほうれん草が美味い。」


真瀬志奈

「小鳥遊さんはほうれん草が好きなんですね。」


小鳥遊カルマ

「ああ、前にも言ったっけな。黄緑色が好きだから、野菜は結構好きだ。」


真瀬志奈

「そうなんですね。黄緑っていいですよね。」


小鳥遊カルマ

「ああ、黄緑色はどちらかというと緑の方が使われることがあるからな…………。でも緑は緑でも淡い色…………。黄緑色が好きなんだ。」


真瀬志奈

「ふふ……小鳥遊さんも好きな色があるんですね。」


小鳥遊カルマ

「ああ。…………さて、食事に戻ろうとするか。」


真瀬志奈

「はい。食べて学園に戻りましょう。」


小鳥遊カルマ

「はいはい。」


私たちは朝食を済ませた後、帰る支度をした。



帰り道のバス内



私たちは柿本先生の運転するバスに乗り、六郭星学園に戻る。


柿本瑛久

「み…………皆さん乗りましたね?…………では、出発します。」


柿本先生がそういうと、バスが動き出した。


バスの中でもみんなは和気藹々と話をしていた。


櫻井シオン

「しかし…………柿本先生がバスを運転できるなんてね…………。」


浅越ハルト

「人は見かけによらぬもの……だ。」


風亥ノクア

「それにしても楽しかったね!リゾートホテルも。」


霧宮ナツハ

「ええ…………久々に楽しかったわ。」


真瀬志奈

「………………。」


私は疲れたのか、眠気と闘っていた。


ウトウトとウトウトとしているとつい隣の小鳥遊さんの肩に頭を乗っけていた。


小鳥遊カルマ

「……………………。」


真瀬莉緒

「いいのかい?そのままで。」


そんな声が聞こえてきた。それに対して小鳥遊さんは……。


小鳥遊カルマ

「構わない。たまにはこういうのも…………悪くないな。」


美園エリカ

「そう…………ふふふ…………。」


私はそう言われるがままに学園に到着するまで寝ていた。



六郭星学園 正門前


柿本瑛久

「み、皆さん…………着きました。」


小鳥遊カルマ

「真瀬。学校に着いたぞ。起きろ。」


真瀬志奈

「う、うーん…………。」


私は重たいまぶたをこすりながら目を開けた。


その開けた目で辺りを見渡すと、誰もいない。


神谷乙音

「おかしいわね。誰もいないわ。」


柿本瑛久

「そうだね…………妙だ…………。」


すると神谷先生の携帯電話が鳴る。


神谷乙音

「はい。神谷です。…………ああ、舞来ね。どうかしたの?」


神谷先生は話を聞いていると次第に顔が青ざめていた。


そして電話を切ると柿本先生と話を始めた。


そして柿本先生も神谷先生の話を聞くと顔が青ざめていた。


しばらくすると、神谷先生が口を開いた。


神谷乙音

「みんな、急いで避難して。また獣が現れたみたい。」


そういうとみんなが驚いていた。


浅越ハルト

「あの獣が…………?」


神谷乙音

「ええ、だから急いで…………。」


そう言った瞬間、とても大きな音がした。


柿本瑛久

「うわあ!!」


柿本先生が驚いた。柿本先生がいた運転席を見ると、そこには獣とも言えるような物体が這いつくばっていた。


風亥ノクア

「うわあ!?何だ!?」


霧宮ナツハ

「いやあ!助けて!」


みんなが焦り出している。私は美園さんの様子を見た。その美園さんは…………。


美園エリカ

「……………………。」


驚きと恐怖を隠せないでいた。


小鳥遊カルマ

「柿本先生!」


柿本瑛久

「…………!」


柿本先生は我に帰ったのか勇気を振り絞って、車をバックさせた。


柿本瑛久

「う、うわああああ!皆さん、歯を食いしばってくださいぃぃぃ!」


柿本先生はアクセルを思い切り踏み込む。


バスは勢いよく走り出した。そして、獣はバスにはねられ、動かなくなった。


柿本瑛久

「動かなくなった…………?」


神谷乙音

「みんな!!急いでバスから降りて!避難するわよ!!」


神谷先生の言われるがままにバスから降りて、校舎に入り、屋上へと向かう。



六郭星学園 屋上



屋上に行くと、クラスメイトたちが避難をしていた。


私たちは屋上へ着くと、空いているスペースに座った。


屋上から校庭を見ると先生方が獣の拘束をしていた。


櫻井シオン

「ふう…………。とりあえずは一安心ね。」


浅越ハルト

「…………そうだな。…………あいつもああなるのか…………?」


風亥ノクア

「…………?ハルト?どうかしたのか?」


浅越ハルト

「あ、いや…………何でもない。」


小鳥遊カルマ

「さて…………。」


美園エリカ

「……………………。」


真瀬志奈

「た…………小鳥遊さん?」


小鳥遊さんは美園さんに詰め寄る。


小鳥遊カルマ

「美園…………。」


美園エリカ

「……………………。」


美園さんは黙り込むかと思ったが、意外なことを口にした。


美園エリカ

「私…………怖かった…………!」


小鳥遊カルマ

「……………………。」


美園エリカ

「私、ムキになって…………。憧れなんて…………持って…………。」


小鳥遊カルマ

「……………………。」


美園エリカ

「私…………憧れるのをもうやめる。…………でもこれはやめないからね。」


美園さんは包帯を見せながら、そう言った。


小鳥遊カルマ

「それで良いよ。…………ありがとう。」


小鳥遊さんはその言葉を聞いて、笑みを浮かべていた。


風亥ノクア

「よし…………!じゃあ避難解除も出たし、これでこの話はおしまいだね!」


霧宮ナツハ

「ええ…………良かったわね。」


みんなが喜ぶ。その喜びに私も嬉しくなる。


真瀬志奈

「小鳥遊さん…………!」


小鳥遊カルマ

「真瀬…………。お前にも感謝しないとな。ありがとう。」


真瀬志奈

「いえ…………2人の心の強さの結果です。」


私は思い切って、発言した。


真瀬志奈

「これからも一緒に居させてくださいね。」


小鳥遊カルマ

「え…………それって…………。」


真瀬志奈

「はい。」


私は頷いた。小鳥遊さんの答えは…………


小鳥遊カルマ

「…………考えさせてくれ。まだ自信がつかない…………。」


真瀬志奈

「わかりました。」


ちょっと早かったかもしれない…………けど、これからもよろしくお願いします。


真瀬莉緒

「姉さん、みんな。避難解除されたから、そろそろ戻ろう。」


真瀬志奈

「ええ…………。」


私たちはそれぞれの部屋に戻った。



あれから数日…………。


私たちは音楽室にいた。作曲を進めるためだ。そして今日は、全体を通して1度演奏をすることになった。


真瀬志奈

「小鳥遊さん、準備はいいですか?」


小鳥遊カルマ

「ああ…………俺たちの成果と……俺の過去と向き合うために…………!」


真瀬志奈

「はい…………!では…………!」


私たちは演奏を始める…………。



演奏が終わり、私たちはお互いの顔を見た。


真瀬志奈

「すごい…………!これならきっとみんな喜びますよ!!」


小鳥遊カルマ

「ああ、これならきっと…………!」


小鳥遊さんも喜んでいる。


真瀬志奈

「後はひと通り練習ですね。」


小鳥遊カルマ

「ああ、練習だ。頑張るぞ。」


小鳥遊さんとの練習。学生生活も残りわずかになりかけてはいるけど…………頑張っていきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ