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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 小鳥遊カルマ編
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第3章 真紅の花火 (小鳥遊カルマ編) 中編

リゾートホテル 温水プール



私と美園さんは遅れて温水プールに行くと、すでにみなさん楽しんでいた。


櫻井シオン

「あ、きたきた!おーい!!」


霧宮ナツハ

「遅かったじゃない。みんな楽しんでいるわよ。」


さすがモデルをやっている霧宮さんだ。黄色いビキニを着ており、ナイスバディな体型だ。


一方でシオンも白い水着を着て、スタイルは抜群だ。2人が羨ましい。


美園エリカ

「ふふふ…………楽しそうね。私も楽しまないと。」


美園さんは黄緑色のワンピースを着て、2人のところへと向かった。


私は泳げないため、莉緒がいるプールサイドの椅子に腰をかけることにした。


プールサイドには風亥さんたちもいたが様子が変だ。


真瀬志奈

「どうしたの?」


真瀬莉緒

「それがね…………。」


風亥ノクア

「ハルトのやつ…………水着姿を見て、鼻血を出しちゃって…………。」


浅越ハルト

「よ、余計なことを言うな!!」


真瀬莉緒

「こんな感じ。カルマなら、ひと泳ぎして、休んでいるよ。向こうにいるから話してみたら?」


真瀬志奈

「そうね…………そうするわ。」


私は小鳥遊さんのいるところに行くことにした。


そして、休んでいる小鳥遊さんに声をかけた。


真瀬志奈

「となり……座って良いですか?」


小鳥遊カルマ

「ああ。構わない。」


真瀬志奈

「では、お言葉に甘えて。」


私は小鳥遊さんの横に座った。


お互いに沈黙が続くものの、私も小鳥遊さんも何か話さないとと思っているのだろう。そわそわしている。


話そうと思ったとき、先に口を開いたのは小鳥遊さんだった。


小鳥遊カルマ

「…………みんな楽しそうだな。」


真瀬志奈

「そうですね。来て良かったなって思います。」


小鳥遊カルマ

「美園のやつはどうなんだ?」


真瀬志奈

「ええ、それがですね…………。」


私はさっきあったことを小鳥遊さんに話した。


小鳥遊カルマ

「そうか…………美園のやつ…………何か変わろうとしているんだな。」


真瀬志奈

「はい。美園さんも何か思うことがあったかもしれないですね。」


小鳥遊カルマ

「…………俺も変わらないとな。」


真瀬志奈

「え…………?」


小鳥遊カルマ

「真瀬。」


真瀬志奈

「え…………?」


小鳥遊さんは私の手を掴み、言葉を詰まらせながら話した。


小鳥遊カルマ

「俺も……頑張る…………。だから……信じてついてきてくれ。」


真瀬志奈

「小鳥遊さん……!」


小鳥遊さんはそう言うと滅多に見せない笑みをこぼした。


小鳥遊カルマ

「さあ、そろそろ風亥たちがいるところへ戻ろう。」


真瀬志奈

「はい。」


私たちは風亥さんたちがいるところへ戻ることにした。


風亥ノクア

「おかえり。…………その様子だと、色々とわかだまりは無くなったっぽいな。」


真瀬志奈

「はい。浅越さんのおかげだと思います。」


浅越ハルト

「…………よせよ。」


小鳥遊カルマ

「…………?…………浅越はなんで鼻血出しているんだ?」


浅越ハルト

「な、なんでもない!」


風亥ノクア

「ハルトのやつ、女子たちの水…………」


浅越ハルト

「言うな!!」


浅越さんの声がプールサイドに響く。それが恥ずかしくなったのか、浅越さんはそそくさと温水プールを後にした。


その声を聞いた、美園さんたちも私たちのいるところに来た。


霧宮ナツハ

「何かあったの?」


風亥ノクア

「な…………なんでもないよ。」


櫻井シオン

「そう…………ハルトは?」


小鳥遊カルマ

「ああ、もうプールから出て行ったよ。」


美園エリカ

「そう…………じゃあ私たちもそろそろ部屋に戻りましょうか。」


真瀬志奈

「そうですね。では…………」


そう言いかけたとき…………!


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


何……この耳鳴りは……!?


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


真瀬莉緒

「ね…………姉さん!?」


風亥ノクア

「やばい……医務室に運ぶんだ!!」


その声が聞こえて、意識が遠のいていく…………。



目が覚めると、ホテルのベッドに横になっていた。


小鳥遊カルマ

「真瀬。大丈夫か?」


真瀬志奈

「小鳥遊さん…………すみません。ご迷惑を……。」


小鳥遊カルマ

「大丈夫だ。…………ま、その様子だと大丈夫だな。さて、バイキングに行こうか。」


真瀬志奈

「あ、はい!」



ホテルのバイキングに行くと、みんながすでにご飯を食べていた。


真瀬莉緒

「あ、姉さん大丈夫?」


莉緒が心配そうに声をかけてきた。


真瀬志奈

「うん。大丈夫よ。ちょっと疲れているのよきっと。」


真瀬莉緒

「そっか……無理しないでね。」


真瀬志奈

「ありがとう。」


そう言うと早速私はバイキングの料理を取り、食事をした。


食事をしている最中、小鳥遊さんは少し戸惑っていた。


真瀬志奈

「小鳥遊さん?どうかしましたか?」


小鳥遊カルマ

「いや…………ちょっとな……。」


真瀬志奈

「あ、もしかして苦手なものを残すつもりですね。」


小鳥遊カルマ

「いや……そう言うわけでは……。」


真瀬志奈

「ダメですよ。はい。あーんしてください。」


小鳥遊カルマ

「………………。」


真瀬志奈

「早くしてください。」


小鳥遊カルマ

「わ、わかったよ。」


小鳥遊さんは私の言われるがままに口を開けて、食べ物を食べた。


小鳥遊カルマ

「…………。」


真瀬志奈

「どうですか?美味しいですか?」


小鳥遊カルマ

「う、美味いは美味いが…………周りを見ろ。」


真瀬志奈

「え…………?あ…………。」


みんながこっちをみている。それもニヤニヤしながら。私は恥ずかしくなり、食事を済ませて、戻ろうかと思ったが、さすがに莉緒たちに止められた。


小鳥遊カルマ

「とりあえず食べようか。」


真瀬志奈

「は、はい…………。」


私は黙々と取ってきた料理を残さずに食べた。



リゾートホテル 男子の部屋



食事を済ませた後、私たちは男子の部屋でトランプ大会を行った。今はババ抜きをやっている。


美園エリカ

「我が腕よ…………光へと導くカードを引くがいい!!」


軽度ではあるが、相変わらず美園さんは中二病を拗らせている。


浅越ハルト

「残念だったな。ジョーカーだ。」


美園エリカ

「なっ…………!?」


今は美園さんと浅越さんの1対1の勝負になっている。


そして、浅越さんが当たりのカードを引く。


浅越ハルト

「俺の勝ちだ。」


美園エリカ

「ぐぬぬ…………。」


トランプ大会も中盤に差し掛かった頃…………


小鳥遊カルマ

「さて…………飲み物でも買いに行くか。」


真瀬志奈

「あ、じゃあ私も買いに行きます。」


小鳥遊カルマ

「よし、じゃあ行くか。」


私と小鳥遊さんはジュースを買いに売店へ行くことにした。



リゾートホテル 売店



売店にやってきた私たちは早速、ジュースを買った。


小鳥遊カルマ

「よし、じゃあ戻るか。」


真瀬志奈

「はい。みなさん待って…………。」


そう言いかけたとき、外から大きい音が鳴った。


小鳥遊カルマ

「なんだ……?」


外を見ると、季節外れの花火が打ち上がっていた。


真瀬志奈

「花火ですよ!花火!」


小鳥遊カルマ

「ちょっとみていくか。」


私たちは外に出て花火を見ることにした。


真紅の色をした花火が打ち上がり、そして散っていった。その花火が何発も打ち上がっていく…………。


その花火を見た私は、目の色を輝かせた。


真瀬志奈

「綺麗…………。」


小鳥遊カルマ

「……………………。」


私たちはその花火を何も言わずに見惚れていた。


打ち上げ花火が終わってもしばらくそのままでいた。


そして…………


真瀬志奈

「小鳥遊さん。」


小鳥遊カルマ

「………………?」


真瀬志奈

「作曲…………頑張りましょう。」


小鳥遊カルマ

「……………………そうだな。俺も頑張るよ。」


そういうと私たちは手を繋いで部屋へ戻ることにした。

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