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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 小鳥遊カルマ編
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第3章 真紅の花火 (小鳥遊カルマ編) 前編

秋。あれ以来、小鳥遊さんとは話す機会はあるが、作曲に関して話すことは……なかった。


作曲はある程度完成しているため、なんとかなってはいるが、小鳥遊さんと溝ができているのが感じられる。


溝ができているとはいうが、前より話さなくなったとかではなく、普通に会話をしている。…………けれど溝ができている。そんな気がしている。


それに気づいているのか、風亥さんと浅越さんも気にかけてくれている。


風亥ノクア

「そうか……そんな感じなのか…………。」


真瀬志奈

「はい…………なんとか話をすることはできてはいるんですが…………。」


浅越ハルト

「……………………。」


浅越さんも話を聞いて悩んでいる。しばらく考えたのち、浅越さんはこんな意見を出した。


浅越ハルト

「……………………みんなで旅行に行かないか?」


真瀬志奈

「旅行ですか?」


浅越ハルト

「ああ、旅行に行って、お互いの溝を無くしていけば良いんじゃないのか?」


真瀬志奈

「なるほど…………。でも学生だけで旅行は校則で禁じられているんじゃ…………。」


浅越ハルト

「それは柿本先生に同行を頼めば良い。せっかくだから、Iクラスのあいつらも呼んで行かないか?」


風亥ノクア

「ハルトにしては珍しく積極的だな。」


浅越ハルト

「緊急事態だ。協力しないと…………友人だからな。」


風亥ノクア

「ハルト…………!」


浅越ハルト

「まずはIクラスのあいつらに声をかけてくれ。俺とノクアは柿本先生に話をつけてくる。」


真瀬志奈

「わかりました。では…………Iクラスに行ってきます。」


風亥ノクア

「ありがとう。よろしくね。」


そう言って私は莉緒たちがいる教室に向かった。



六郭星学園 Iクラス教室



莉緒たちがいる教室に入った私は、莉緒たちを見つけて、旅行について話をした。


真瀬莉緒

「旅行か…………いいね!みんなとどこかに行きたいと思っていたんだ。」


櫻井シオン

「私たちはいいけれど…………ナツハは仕事大丈夫?」


霧宮ナツハ

「ええ、この数日なら大丈夫…………。チーフマネージャーが変わったから…………。」


櫻井シオン

「エリカも良いわよね?」


美園エリカ

「ええ…………まぁ…………特に断る理由は…………無いけど……。」


櫻井シオン

「決まりね!あとは志奈の言う通りなら、ハルトたちが交渉できてれば…………!」


真瀬莉緒

「なんとか行けるね。」


真瀬志奈

「ええ、浅越さんたちのところへ行ってくるわ!」



六郭星学園 職員室



莉緒たちから許可を取った私は、浅越さんたちがいる職員室に来た。


職員室のドアをノックして開けると浅越さんが笑みを浮かべて私の方へ顔を向けた。


どうやら許可が出た様子だ。


真瀬志奈

「許可…………取れたんですね。」


風亥ノクア

「ああ、柿本先生と神谷先生が同伴することになったよ。」


真瀬志奈

「良かったです。莉緒たちも行くって言っていました。」


浅越ハルト

「そうか…………楽しくなるな。」


風亥ノクア

「それじゃあ…………早速、旅行の準備をしようか。」


真瀬志奈

「はい!」



六郭星学園 中庭



許可が取れたと聞いたあと、私は1人で中庭に来た。


真瀬志奈

「さて…………準備を…………。」


そういうと、眩い光があたり一面を包み込んだ。


真瀬志奈

「な、なに!?」


光が消えるとそこには1人の男性がいた。


??

「やあ、真瀬志奈さんだね。僕は虹谷サイ(にじや さい)。よろしくね。」


真瀬志奈

「な、なぜ私の名前を!?」


虹谷サイ

「失礼、僕はある人物を追いかけているんだ。その際に君の名前を知ってね…………。」


真瀬志奈

「ある人物…………?」


虹谷サイ

「ああ、その人物は……小鳥遊カルマ。彼を追っているんだ。」


真瀬志奈

「た、小鳥遊さんを!?一体なぜですか!?」


虹谷サイ

「君に教えることはない。彼を連れて行くよ。」


真瀬志奈

「や、やめてください!!」


私は思わず腕を掴んだ。


虹谷サイ

「…………なぜ止めるんだい?」


真瀬志奈

「私が証言します。小鳥遊さんは何もしていません。もしそれでも連れて行くんだとしたら、私はあなたを許しません。」


虹谷サイ

「……………………。」


虹谷と言う人はしばらく考えたのち、ため息をついて、こういった。


虹谷サイ

「仕方がない、ここは身を引こう。後悔しないことだね。」


そう言うと再び、あたりを眩い光が包み込んだ。


そして、光が消えると虹谷という人はいなくなっていた。


真瀬志奈

「いったいなんだったのかしら…………?」


私は疑問を抱きながらも、旅行の準備をすることにした。


そして…………旅行当日。



リゾートホテル



リゾートホテルに着いた私たちは早速、チェックインを行った。


神谷乙音

「さてと……みんな!楽しむのは良いけれどハメを外さないでね!」


柿本瑛久

「ええ…………とりあえず、まずは楽しんでくださいね。」


私たちは話を聞き終わると早速、部屋へと向かった。



ホテルの部屋



ホテルの部屋は男子、女子で分かれていた。


部屋には私を含めて、霧宮さん、シオン、そして美園さんの4人だ。


櫻井シオン

「わー!!すごい!ふかふかのベッドだ!」


霧宮ナツハ

「シオン。やめな。」


櫻井シオン

「うぅ…………ごめん。」


美園エリカ

「……………………。」


2人が楽しんでいる中で、美園さんはあまり楽しそうではなかった。


真瀬志奈

「美園さん…………?」


美園エリカ

「え…………?ああ、ごめんなさい。楽しまないとね。」


美園さんは無理くり笑顔を見せた。


霧宮ナツハ

「さて……温水プールにでも行きますか…………。」


櫻井シオン

「お、良いね!じゃあ、水着を持って、早速行きましょうか!」


シオンがそう言うと、霧宮さんとシオンは水着を持って、温水プールへと向かった。


真瀬志奈

「じゃあ…………私も…………。」


美園エリカ

「待って。」


珍しく美園さんが止めに入った。


美園エリカ

「少しだけ…………勝負しない?」


真瀬志奈

「勝負って…………?」


美園エリカ

「ポーカー。どうしても気になることがあってね…………。真瀬さんが勝ったら私は1つだけ願いを叶えてあげる。」


真瀬志奈

「……………………。」


美園エリカ

「ダメかしら?」


真瀬志奈

「良いわ。やりましょう。」


私は何かを察した。…………この勝負。おそらくは負けられない。


早速私たちは、ポーカーで勝負した…………!



勝負した結果…………私が勝った。


美園エリカ

「負けね…………良いわ。なんでも1つ願いを叶えてあげる。」


美園さんは悔しがることなくそう言った。


真瀬志奈

「そうですね…………それは…………時がきたら言うことにします。」


美園エリカ

「そう…………わかったわ。じゃあ私たちも温水プールに行きましょう。」


真瀬志奈

「……はい。」

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