第4章 黄緑色の木馬に揺られ (美園エリカ編) 中編
そして…………数日が経ち、運命の時間が始まった。
期末テスト当日
神谷乙音
「今日は期末テストです!みんな勉強はしたかな〜!?それじゃあ早速だけど、期末テスト始めます!!」
クラスメイトたちが「はい。」と答える。
神谷乙音
「それじゃあ……開始!!」
僕はその言葉で裏返したプリントをめくる……
テスト終了のチャイムが鳴る。
僕のプリントは空白欄は無く、出来る限りの答えを出した。そして全員が提出した……
テストの結果は大広間にて貼り出される。1位から最下位まで名前が載る。貼り出されるまでの間、ドキドキが止まらない。
そして……結果発表当日。
美園エリカ
「いよいよね。一体どうなるのかしら……?」
真瀬莉緒
「そうですね……あ、貼り出されましたよ!」
そして、テストの順位が貼り出される……
生徒の人数は700人前後……僕たちの結果は……。
真瀬莉緒
「僕は……49位!良いところかも……!」
700人中の49位。上位にいると言っても過言ではない。
一方で美園さんは……。
美園エリカ
「28位ね。なかなかの結果ね。」
僕よりも上の順位で喜んでいた。僕も嬉しくなってくる。
他の2人は……?
霧宮ナツハ
「22位。まあまあね。」
櫻井シオン
「お、34位!良い結果ね!」
2人とも良い順位だ。
美園エリカ
「さ、これで心置きなく課題に集中できるわね。」
真瀬莉緒
「ええ、オーディション……合格しましょうね。」
僕たちのお互いに頷き、それぞれの部屋へと戻った。
そして、数日後。
六郭星ランド
六郭星ランドに来た。六郭星高校のすぐ近くにある遊園地で、六郭星高校の学生もよく出入りをしている。こうして誰かと遊園地に行くなんてかなり久しぶりだ。
真瀬莉緒
「ここが六郭星ランド……。」
美園エリカ
「ふふふ……楽しそうなアトラクションがいっぱいね。楽しんで行くわよ!」
そう言うと僕たちはまずはジェットコースターに乗ることにした。
ジェットコースター乗り場
ジェットコースターに乗り込むと安全バーが降りて、動き出した。
真瀬莉緒
「おお、いよいよですね。」
美園エリカ
「ええ、かなりの絶叫マシンとの噂よ。きっとすごいわ……。」
霧宮ナツハ
「はあ……乗るんじゃなかったかもしれないわ。私、こういうの苦手……。」
櫻井シオン
「いまさら言ったってもう……。きゃあ!」
下りのレーンになり、ジェットコースターは急降下した。
僕たちはかなりの声を上げる。絶叫マシンとの噂は本当だった。
一回転する場所やおうとつのある場所を猛スピードで駆け抜くジェットコースター。ようやく全てを通過して、僕たちはジェットコースターを降りた。
真瀬莉緒
「ふう……疲れましたね。」
美園エリカ
「ええ……なかなかね。でも楽しかったかも……。」
霧宮ナツハ
「そうね。でも絶叫マシンはこりごりね。」
櫻井シオン
「さ、少し休んだら次のアトラクションに乗りましょう!!」
真瀬莉緒
「シオンは相変わらず元気だな。」
櫻井シオン
「まあね、ほらナツハ行くわよ!」
霧宮ナツハ
「え、あっ……待って!」
シオンと霧宮さんはどこかへ行ってしまい、途中ではぐれてしまう。
真瀬莉緒
「まあ、いいか。霧宮さんに電話してどこにいるか聞けば……。」
僕が携帯を触ると美園さんが僕の手に触れる。
真瀬莉緒
「美園さん……?」
美園エリカ
「待って……しばらく2人で居たい。一緒にメリーゴーランドに乗りたい。」
真瀬莉緒
「美園さん……。」
美園エリカ
「ふふ……行きましょう。」
真瀬莉緒
「……そうですね。わかりました。行きましょう。」
そう言うと僕たちはメリーゴーランドのある方向へと向かった。
メリーゴーランド
僕たちはメリーゴーランドのコーナーについた。
幸いにも列の先頭になり、1番目に乗れる。僕はどれに乗るか迷っていると……
美園エリカ
「私、これが良い。」
美園さんが乗りたいと思ったのは黄緑色の木馬だった。
真瀬莉緒
「黄緑色……珍しい木馬ですね。」
美園エリカ
「ふふふ……確かにそうね。でも私は黄緑色が好きだから乗りたいわ。」
真瀬莉緒
「そうでしたね。じゃあ乗りましょうか。」
美園エリカ
「ええ、楽しくなりそうだわ。」
僕たちはメリーゴーランドの木馬に乗る。
乗客が全員乗ると、メリーゴーランドは動き出した。
美園エリカ
「ふふふ……。始まった。」
僕たちはメリーゴーランドに揺られる。
同じ黄緑色の木馬に乗ったため、僕の背後に美園さんがいる。
美園エリカ
「真瀬さん……。」
美園さんは僕の背中にビタっとくっつく。
真瀬莉緒
「美園さん……!?」
美園エリカ
「ありがとう。」
真瀬莉緒
「……どういたしまして。」
僕たちはメリーゴーランドを楽しんだ。
メリーゴーランドを降りるとそこにシオンたちが待っていた。
霧宮ナツハ
「エリカ。良かったわね。」
櫻井シオン
「よりを戻せて良かったじゃない。」
僕たちはシオンにそう言われてお互いに頬を赤らめた。
美園エリカ
「ちょっと……恥ずかしいじゃない。」
櫻井シオン
「へへへ……まあ、良いじゃない。」
美園エリカ
「…………もう。」
そして、僕たちは六郭星ランドを後にした。
六郭星学園 音楽室
数日後……僕たちは最後の作曲の練習をしていた。
そして、無事に完成した。
真瀬莉緒
「できた……!」
美園エリカ
「ええ、これで完成ね!」
真瀬莉緒
「これならきっと……!早速先生方に聞いてもらいましょう!」
僕たちは神谷先生を呼び、演奏を聞いてもらった。
神谷先生の反応は……?
神谷乙音
「良い曲ね。ありがとう!聞かせてくれて!」
真瀬莉緒
「やった!ありがとうございます!」
美園エリカ
「やったわね!真瀬さん!」
真瀬莉緒
「ええ!やりましたね。」
神谷乙音
「それじゃあ、早速応募しないとね!先生も張り切っちゃうわ!」
僕たちは早速パソコンを使って、応募ページを開いた。
真瀬莉緒
「それじゃあ……送りますね。」
美園エリカ
「待って。私がやる。歌詞のところは私が作ったから。」
真瀬莉緒
「そうでしたね。わかりました。では……お願いします。」
美園さんはパソコンに歌詞を打ち込んだそして……
応募のところをクリックした。
真瀬莉緒
「応募できましたね。」
美園エリカ
「ええ、これで……私たちの運命が決まるわ。」
神谷乙音
「2人とも……私は信じているからね!」
美園エリカ
「ありがとうございます。」
僕はパソコンを閉じた。僕たちは受かるか受からないかはわからないが、ただただ祈ることしかできない……。
果たして受かるのだろうか……?