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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 風亥ノクア編

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第3章 ノワールナイト (風亥ノクア編) 後編

翌日。風亥さんよりも先に来川医療センターに着いた。風亥さんは……まだ来てない。


真瀬志奈

「風亥さん遅いな……。」


そうすると目の前が急に真っ白になった。


真瀬志奈

「な、何!?」


目の前が見えると、そこには1人の男性がいた。


??

「君は真瀬志奈さんだね。僕は虹谷サイ(にじや さい)。いきなりでごめんね。」


真瀬志奈

「な、何故私の名前を?」


虹谷サイ

「それは言えないが……。僕はある人物を追っているんだ。」


真瀬志奈

「ある人……?」


虹谷サイ

「風亥ノクア。彼だよ。彼には容疑がかかっているんだ。」


真瀬志奈

「風亥さんが……?!」


虹谷サイ

「というわけで、彼を捕獲させてもらうよ。」


真瀬志奈

「や、やめてください!風亥さんは何もしてません!」


虹谷サイ

「…………。」


真瀬志奈

「私は彼を信じています。彼を捕獲なんてさせません!」


虹谷サイ

「……仕方ない……。今回は引き下がろう。けど後悔しないことだな!」


そう言うと彼は光と共に消えていった。


真瀬志奈

「なんだったんだろう……?」


そう思っていると風亥さんがやってきた。


風亥ノクア

「ごめんごめん!待った?」


真瀬志奈

「風亥さん!大丈夫ですよ。みなさんも待っていますし、病室へ行きましょう。」


風亥ノクア

「ああ、そうだね。行こう。」



来川医療センター 病室



病室に入るとこれまで助けた学園キングのメンバーたちが集まっていた。


十森

「真瀬さん。風亥さん。みんなを助けてくれてありがとう。」


病室に入ると十森さんはそう言ってくれた。


風亥さんは一礼をすると、質問を問いかけた。


風亥ノクア

「みなさん……無事で何よりです。けど……こうなったのはどうしてですか?」


そう言うと重たい口を二ノ宮さんが開く。


二ノ宮

「私たちはチーフプロデューサーにそれぞれ呼ばれました。」


風亥ノクア

「チーフプロデューサー……壱木さんも言っていましたね。」


壱木

「ええ……他のみんなもチーフプロデューサーに呼ばれたとは思わなかったけれど……。」


千葛

「私はチーフプロデューサーに襲われそうになったところを萬さんが……。」


「ええ……。」


八田

「チーフプロデューサーはどこにいったのだろう……?」


風亥ノクア

「チーフプロデューサーか……。探して問いただす必要がありそうだな……。」


九十九

「ADさんに聞いたけれど……そのチーフプロデューサーがどこにいるか行方をくらませたらしいです。」


真瀬志奈

「そんな……。」


京田

「チーフプロデューサー……どこに行ったんだろう……?」


全員で考える……いつの間にか真っ暗な夜になっていた。


四ツ谷

「もうこんな時間か……。今日は戻った方がいいんじゃないですか?」


風亥ノクア

「そうだね……チーフプロデューサー探しはまた明日……」


と、言いかけるとそこへ……


月川タクト

「失礼します。」


風亥ノクア

「タクト……!?」


月川タクト

「突然ですみません!学園に……怪しい獣が現れました!」


真瀬志奈

「学園に……!?」


風亥ノクア

「もしかするとチーフプロデューサー……なのか!?」


真瀬志奈

「風亥さん!急いで行きましょう!」


十森

「待ってくれ!……その、僕たちも連れて行ってくれないか!」


風亥ノクア

「みなさん……。」


兆野

「僕たちがこうなった理由を知りたいんだ。頼むよ風亥さん。」


風亥ノクア

「…………わかりました。」


億寺

「よし、それじゃあ……行こうか!」


真瀬志奈

「はい!」


私たちは学園へ急いで戻った。もうかなり暗い夜の漆黒の中、学園に着いた。



六郭星学園 ロビー



ロビーに着くと美園さんがいた。


美園エリカ

「真瀬さん。風亥さん。あそこです!あそこに獣の男が!!」


真瀬志奈

「えっ……!あれは……!」


風亥ノクア

「あれは……チーフプロデューサーだ!」


チーフプロデューサー

「ぐおおおお……。」


風亥ノクア

「く……薬を……!」


真瀬志奈

「薬……もう無いです!メンバーのみなさんに使い切っちゃいました……。」


風亥ノクア

「そんな……!じゃあどうすれば……。考えるんだ……何か方法が……!」


十森

「…………。」


壱木

「…………!音楽だ!風亥さんが作っていた音楽を使えば……!僕はあのとき音楽で一瞬、目を覚ましたんだ!」


真瀬志奈

「音楽ですか!?」


風亥ノクア

「…………やってみる価値はありそうですね。」


二ノ宮

「音源はどこにありますか?私たちが放送室に持っていきます!」


真瀬志奈

「は、はい!音源はこちらです!よろしくお願いいたします!」


私は十森さんたちに放送室の場所を伝え、十森さんたちは放送室へ向かった。


美園エリカ

「それにしても……大丈夫なんですか?」


真瀬志奈

「……大丈夫だと思います。」


美園エリカ

「そうですか……しかし……獣の姿……気になりますな……!」


風亥ノクア

「おい!今そんなこと言っている場合か!」


美園エリカ

「うう……失礼。」


真瀬志奈

「それよりもチーフプロデューサーの様子は……!」


チーフプロデューサーはこちらに危害を加える様子は無い。


風亥ノクア

「大丈夫そうだな……。壱木さんたちはまだなのか……?」


その時――風亥さんの声にチーフプロデューサーが反応した。


チーフプロデューサー

「ガルルル…………。」


チーフプロデューサーがこちらに近づいてくる……!


風亥ノクア

「まずい!」


真瀬志奈

「きゃっ!」


風亥さんは私を守るように覆い被さった。


このままだと風亥さんが……そう思った時――音楽が流れてきた。


チーフプロデューサー

「お……おお……。」


チーフプロデューサーの様子が変わる。それに気づいた風亥さんは私から離れた。


風亥ノクア

「プロデューサーの体が……どんどん元に戻っていく……!」


真瀬志奈

「えっ……?」


どんどん体が元に戻る。音楽が……効いている?


チーフプロデューサーの体が元に戻るとチーフプロデューサーはその場に倒れ込んだ。


風亥ノクア

「プロデューサー!大丈夫ですか!?」


チーフプロデューサー

「ああ……なんとかな……。」


真瀬志奈

「………………。」


チーフプロデューサー

「この曲は……君が……?」


チーフプロデューサーは私に問いかけた。


真瀬志奈

「はい。私と風亥さんとで作りました。」


チーフプロデューサー

「そうか……良い曲だ。」


真瀬志奈

「あ、ありがとうございます。」


十森

「プロデューサー。」


チーフプロデューサー

「君たち……。」


十森さんたちが戻ってきた。


八田

「無事で良かったです……。」


チーフプロデューサー

「君たち……。すまない。こんなことに巻き込んでしまって……。」


兆野

「どうしてこんなことに?」


チーフプロデューサー

「それは……」


そう言いかけた瞬間、発砲音が鳴る。


チーフプロデューサー

「うっ……。」


チーフプロデューサーは意識を失う。


九十九

「プロデューサー!?」


十森

「撃たれた……!?救急車を……!」


私たちは救急車を呼び、すぐさま病院へと搬送された。


風亥ノクア

「……結局……みんながこうなったのは聞けなかったですね。」


十森

「そうだね……。でも真瀬さん。」


真瀬志奈

「はい……?」


十森

「あの曲……とても良い曲だね。もう一度聴いても良いかな?」


真瀬志奈

「は、はい!」


十森

「せっかくだから生演奏……とか?」


真瀬志奈

「え!?…………わかりました。では音楽室に行きましょう。」


私は一瞬躊躇うものの、生演奏をすることにした。



六郭星学園 音楽室



音楽室に行き、私は早速ピアノに手をかける。


演奏しようとした時、風亥さんが黄色いトランペットを取り出した。


風亥ノクア

「一緒に演奏するよ。一緒に作った曲だからね。」


真瀬志奈

「……はい!」


私たちは学園キングのメンバーに作曲した音楽を演奏する……。



演奏が終わる。メンバーの反応は……


十森

「すごい……。本当に良い曲だ。」


億寺

「全くです。すごいとしか言いようが無いです。」


学園キングのメンバーは全員、大きい拍手をしてくれた。


真瀬志奈

「やりましたね。」


風亥ノクア

「ああ……そうだね。」


こんな真っ暗な黒い夜に強い実感が湧いた。


私たちはこの曲に大きな希望を抱き、課題を成功させる……!

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