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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第2部 風亥ノクア編
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第2章 縹色の景色に (風亥ノクア編) 後編

六郭星学園寮 志奈・ナツハの部屋



朝になり、私はノビをしながら起き上がる。


霧宮さんは……いない。どこかで撮影でもしているのだろう。


私は風亥さんのいる部屋へ向かうことにした。



六郭星学園寮 莉緒・ノクアの部屋



トントン……私は部屋のドアをノックする。


真瀬莉緒

「はい……あ。姉さん。」


真瀬志奈

「莉緒。風亥さんは?」


真瀬莉緒

「ノクア……?朝起きたらいなかったよ。どこかへ出かけているかも……。」


真瀬志奈

「そう。ありがとう。」


もしかすると病院に行ったのかもしれない。私は来川医療センターに足を運んでみることにした。



来川医療センター



病院に行き、私は学園キングのメンバーが入院している病室に向かう。


真瀬志奈

「失礼します。」


そこには今までに助けた人たちが和気藹々と話をしていた。


十森

「ああ、真瀬さんだよね。どうしました?」


私は風亥さんについてありのままのことを話した。


壱木

「風亥さんか……今日は来てないですね。」


真瀬志奈

「そうですか……。どこに行ったのかしら……?」


四ツ谷

「もしあれなら僕たちも探しましょうか?」


真瀬志奈

「お気持ちはありがたいですが、また洗脳される可能性もありますので、それは……。」


二ノ宮

「そうですよ。私たちは念のためにここに入院しているんですから。」


四ツ谷

「まあ……そうだよね。すみません。お役に立てなくて。」


真瀬志奈

「いえ、大丈夫ですよ。」


八田

「風亥さんが来たら僕たちも連絡しますので、他を当たってみてはどうでしょうか?」


真瀬志奈

「そうですね。わかりました。ありがとうございます。」


十森

「はい、風亥さんのことを頼みましたよ。」


そう言われ、私は病室を後にした。



六郭星学園 廊下



病院を後にした私は学園内を歩くことにした。ひょっとすると風亥さんがいるかもしれない。


土日で誰もいない廊下を歩くと、音楽室からピアノの音色が聞こえる。


私は聞こえた音色を追いかけるように音楽室へと向かった。



六郭星学園 音楽室



音楽室の扉を開けるとそこには半分獣の姿にされている九十九さんがいた。


真瀬志奈

「九十九さん……。」


九十九さんは漢検を準一級持ちの漢字マニアだ。

そんな彼も……洗脳されているのだろう……。


九十九

「来たな……のこのこと1人で来るとは、恐れ知らずな……!」


九十九さんは私に襲いかかった。


真瀬志奈

「きゃっ!?」


九十九さんは私の頭を掴み上げると床に頭を打ちつける。


真瀬志奈

「くっ……いやぁ……。」


九十九

「苦しいだろう。このまま苦しめ!そして、俺たちの同じ目にあえ!」


真瀬志奈

「苦しい……いや……!助けて……!」


??

「やめろ!!」


そこに現れたのは風亥さんだった。


九十九

「風亥さん……!あなたも同じ目にあうんだ!」


風亥さんと九十九さんは取っ組み合いを始める。


私はすかさず、ポケットから錠剤を取り出す。


しかし、錠剤を飲ませるタイミングが見つからない。


風亥ノクア

「ぐっ……あっ……!」


気がつけば風亥さんがピンチになっている。なんとかしなければと何かないかと探す。


ポケットに何かないかと探すと、ポケットからスマホが落ち、誤作動で音楽が鳴る。


九十九

「お……おぉ……。」


九十九さんは音楽を聞くと体の力が抜けていくのがわかった。


真瀬志奈

「今しかない!」


私は九十九さんに錠剤を飲ませた。


九十九

「おお……くっ……。」


九十九さんの体が元通りになる。


九十九

「…………ここは一体……?」


風亥ノクア

「ふぅ……目が覚めましたか。」


九十九

「僕は確かチーフプロデューサーに……」


風亥ノクア

「チーフプロデューサーが?……とりあえず病院に行こう。」


九十九

「わ、わかりました。」


九十九さんは病院に行き、音楽室には私たち2人になった。


真瀬志奈

「……風亥さん。」


風亥ノクア

「なんだい。」


真瀬志奈

「どうして何も言わずに1人で行動したんですか!」


風亥ノクア

「………………。」


真瀬志奈

「私……心配したんですよ!どうして……。」


風亥ノクア

「八田くんに襲われたとき、僕の中で思ったことがあったんだ。」


真瀬志奈

「思ったこと……?」


風亥ノクア

「志奈さん。きみを危険な目に合わせてしまったことに対してとても罪悪感を感じたんだ。」


真瀬志奈

「風亥さん……。」


風亥ノクア

「何故かは分からないけど俺は志奈さんを傷つけたくない……そう思ったんだ。これは俺の問題だから……」


真瀬志奈

「そんなことありません!」


風亥ノクア

「…………!」


真瀬志奈

「私はパートナーです。1人で抱え込まないでください!」


風亥ノクア

「志奈さん……。」


真瀬志奈

「でも風亥さんが無事でよかったです。無理をしないでください。」


風亥ノクア

「わかったよ。…………ありがとう。……あと、志奈さん。さっきの音楽なんだけど……。」


真瀬志奈

「ああ、あの音楽ですか?」


あの曲は風亥さんと今作っている音楽の音源で、今度、風亥さんに聞いてもらう予定だった曲だ。


風亥ノクア

「その曲さ……。ちょうど音楽室にいるから、少し聞かせてくれないか?」


真瀬志奈

「今ですか……?構いませんよ。」


風亥ノクア

「うん。少しだけ気になるんだ。聞いてみたいな。」


真瀬志奈

「わかりました。それじゃあ……。」


私はピアノに手をかけ、曲を弾き始める……。



弾き終えると風亥さんが拍手をしてくれた。


風亥ノクア

「すごいや……これなら……!」


風亥さんはすかさず音楽室にあった、トランペットを吹き始める。


風亥さんの吹いた曲は私の弾いた曲ととてもマッチしている。


真瀬志奈

「すごい……。私の弾いたピアノと風亥さんのトランペット……!とても良い曲調です!」


風亥ノクア

「ああ、思いついたんだ。練習もできてないから……こうしてでも曲を上手く作れたらと思って……。」


真瀬志奈

「ええ、すごい曲調です!これなら……!課題も上手くできます!」


風亥ノクア

「ありがとう。……善は急げだ。今から練習を始めよう。」


真瀬志奈

「はい!始めましょう!」


私たちは練習を今までの分を取り戻すように練習を始めた。


そして、数時間が経ち……


真瀬志奈

「これで完成ですね!」


風亥ノクア

「ああ!これならみんな喜ぶと思うよ。」


空はまだ縹色のように青く、夕方前に終わらせることができた。


真瀬志奈

「これで……良いですね。」


風亥ノクア

「ああ、これなら……大丈夫だよ。」


真瀬志奈

「風亥さん、ありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。」


風亥ノクア

「もちろんだよ。よろしくね。」


私たちは練習を切り上げて、今日はゆっくり休むことにした。


他の学園キングのメンバーはあと5人。課題も完成したため、他のみなさんを助け出します……!

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