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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 初杉ジロウ編

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第3章 純白の結晶(初杉ジロウ編)後編

六郭星学園 中庭



数週間後…………私は秋風を涼みに中庭にいた。緊張をほぐすためでもある。


なにしろ、このあとに声優さんに歌詞と音源を確認してもらうためだからだ。


真瀬志奈

「ふぅ…………そろそろ時間ね。」


そう思っていたら…………辺り一面が光に包まれる。


真瀬志奈

「な…………なに…………!?」


光が消えると、そこには1人の男性がいた。


??

「ついた…………彼が…………あいつが…………!!」


真瀬志奈

「あなたは…………一体…………!?」


虹谷サイ

「ああ。真瀬志奈さんだね。僕の名前は虹谷サイ(にじや さい)。僕はある人物を追ってここまでやって来たんだ。」


知らない人に名前を言われて、ドキドキする。けど…………ある人物って…………?


真瀬志奈

「あの…………ある人物って一体、誰ですか?」


虹谷サイ

「もう…………言わなくてもわかるだろう?」


真瀬志奈

「わかるって…………何をですか…………?」


虹谷サイ

「…………初杉ジロウ…………。彼を捕まえに来た。」


真瀬志奈

「初杉さん!?…………どうしてですか?」


虹谷サイ

「重たい罪を犯した…………もう言うのも疲れたね。という訳だ。彼を連れてくよ。」


真瀬志奈

「待ってください。」


私は、虹谷という人の手を掴む。


虹谷サイ

「何度やったら気が済む。もう…………彼しかいないんだ。」


真瀬志奈

「これが初めてです。初杉さんを連れて行くのはやめてください。」


虹谷サイ

「どうして、彼を助ける?きみが後悔するだけだよ。」


真瀬志奈

「しつこいですね…………。私は信じる気持ちは絶対に変わりません。」


虹谷サイ

「……………………。」


真瀬志奈

「お引き取りお願いいたします。」


虹谷サイ

「もう…………後悔しかしないんだね。わかったよ。」


そう言うと、再び、光に包まれる。


真瀬志奈

「くっ…………。」


光が消えると、虹谷という人はいなくなった。


真瀬志奈

「何だったのかしら…………?」


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


真瀬志奈

「くっ…………!」


私は耳鳴りに耐える。


真瀬志奈

「もう…………。」


私はとりあえず、声優さんにお会いするため、音源を持ち、応接室に向かう。



六郭星学園 応接室



初杉ジロウ

「いよいよだね…………。」


真瀬志奈

「はい。ところで…………歌詞の方…………まだ教えてくれないんですか?」


初杉ジロウ

「うん…………それは…………当日まで待ってもらえないかな?」


真瀬志奈

「声優歌唱祭のときですか…………?」


初杉ジロウ

「良いかな?…………ごめん。お願い。」


真瀬志奈

「わかりました。…………その代わりに期待はしていますよ。」


初杉ジロウ

「ありがとう。期待していてね!」


そのとき、ドアからノック音が鳴る。


成瀬実

「入ります…………。」


成瀬先生が声優さんを連れてやって来る。


私たちは立ち上がり、挨拶をする。


真瀬志奈

「本日はこのような機会をいただきありがとうございます。真瀬志奈と申します。こちらは今回、ご協力をしていただいた、初杉ジロウと申します。」


初杉ジロウ

「はじめまして。初杉ジロウと申します。…………このような機会をいただきありがとうございます。」


声優さんも挨拶をする。


挨拶が終わったあと、本題に入る。


真瀬志奈

「いきなりですが…………。音源を聞いてください。」


初杉ジロウ

「こちらは歌詞になります。ご査収ください。」


初杉さんは歌詞の書いた楽譜を渡す。私は、音源を流す。


音源が流れると、声優さんは歌詞を見ながら、音源を聞く。


何度も、何度も繰り返して、音源と歌詞を確認する。


音源を止めると…………声優さんからは…………微笑みが見えた。


真瀬志奈

「それって…………!」


声優さんは頷く。どうやら、納得の出来だったみたいだ。


初杉ジロウ

「ありがとうございます!」


声優さんは初杉さんと握手をする。初杉さんはとても嬉しそうだ。


初杉ジロウ

「ありがとうございます…………!ありがとうございます…………!」


そのあと、軽い雑談を繰り広げたのち、声優さんは応接室をあとにした。


声優さんの帰宅後…………初杉さんはホッとする。


初杉ジロウ

「良かった…………認めてくれた…………諦めないで良かった…………。」


真瀬志奈

「初杉さん…………今回の楽曲が良くなったのは初杉さんのおかげです。ありがとうございます!」


初杉ジロウ

「志奈さん…………。」


応接室の窓を見ると、雪が降り始めていた。とても綺麗な純白の雪だった。


真瀬志奈

「…………素敵な雪景色ですね。」


初杉ジロウ

「とても…………綺麗だ。」


初杉さんは雪景色をじっくりと見つめる。とても見惚れている。


初杉ジロウ

「この学園もあと数ヶ月か…………寂しくなるな。」


卒業…………そうだ…………私は3年生なんだ。もうすぐ卒業が近いんだ。


少し寂しいけど…………初杉さんを始め、浦川さん。薮本さんたちともこれからも仲良くできればなと…………そう思った。


残りあとわずかな学園生活を満喫して、悔いのない卒業式を迎えて声優歌唱祭を見るんだ。

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