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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第1部 来川ナナ編

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第4章 薄茶色のピアノ (来川ナナ編) 後編

六郭星学園 莉緒・ケントの部屋


真瀬莉緒

「ただいま戻りました。」


夜坂ケント

「おう。おかえり。」


ただいまと言うとおかえりが帰ってくる。こうしてみると夜坂くんが本当に帰ってきたんだという実感が湧いてくる。


夜坂ケント

「……で?どうなったんだ?作曲は。」


真瀬莉緒

「作曲はですね……。」


僕は今日あった出来事を夜坂くんに話した。


真瀬莉緒

「というわけで、無事に作曲が終わりました。」


夜坂ケント

「そうか……良かったな。来川のやつも本当にやりたかったことを叶えられたんだな。」


真瀬莉緒

「はい……最初はどうなるかと思いましたが、なんとかなりました。」


夜坂ケント

「ああ、それを含めて本当に良かった。妥協しかしなかったあいつがああして、やりたいことをやろうとしたんだからな。」


真瀬莉緒

「ええ、それもそうですけど、夜坂くんが戻って来てくれたことも僕は良かったです。」


夜坂ケント

「そうか……莉緒……すまなかったな。」


真瀬莉緒

「いえ、戻ってきたことに僕は嬉しい限りです。」


夜坂ケント

「……ありがとうな。」


そういうと、夜坂くんは外に出ていった。


真瀬莉緒

「……?……まあいっか。よし、久々にメルマの動画でも見ようかな?」


僕はパソコンを立ち上げて、メルマの動画を見て、久しぶりの安らぎを感じた。



そして……数週間後……。



六郭星学園 大講堂



いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。つまり……クラス単位だとトップバッターだ。


いきなりクラスの子たちの出番が回っていく……


まず先に星野さんのペアが発表していく。星野さんたちは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。


月川タクト

「シキアのやつ……とんでもないものを作ったな……。…………変わったな……。良かった。」


月川さんが少し嬉しそうに見ている。古くからの知り合いの月川さんから見ると星野さんは変わったんだろう。


中盤に入ると古金さんのペアの順番になった。

古金さんのペアはマジックショーを披露した。


柊木アイ

「ミカのやつ……とても楽しそうだな……」


柊木さんが嬉しそうにそう言っていた。


そして……いよいよ僕たちの順番だ。クラスではトリをとることになった。


来川ナナ

「莉緒。準備はできてる?」


真瀬莉緒

「ええ、もちろん。ですけど……」


来川さんは学校のピアノとは違い、特製の薄茶色のピアノの用意していた。


来川ナナ

「莉緒。私はもう自分の意志はしっかりと伝えるって決めたの。だから今日は私が使っているこの薄茶色のピアノで披露するわ。」


真瀬莉緒

「そうですか……来川さんがそこまで言うなら、行きましょう!」


来川ナナ

「ええ、いくわよ!」


僕たちは今までの練習の成果を出し、ステージへと向かう……。


ステージ上に立つと色々なクラスの人たちが拍手をしてくれた。


真瀬莉緒

「行きます。」


来川ナナ

「ええ……。」


僕たちはギターとピアノを合図を出して弾いていく……!



曲を弾き終える。他の人たちの反応は……。


男子生徒A

「すげえ!心が躍るような感覚だ!」


女子生徒B

「こっちまで楽しくなってきちゃった!2人もすごく楽しそうだった!」


みんなが喜んでくれている。そのためかたくさんの拍手が鳴り響く。


笛花奏

「………………。」


鹿崎咲也

「…………良かったな。ほら、ハンカチ。」


笛花奏

「ええ……本当に良かった……。ありがとう……。」


笛花先生が泣いて喜んでくれている……僕たちも嬉しい限りだ。


来川ナナ

「やったね。」


真瀬莉緒

「ええ!」


僕たちは一礼をして、ステージを下りた。


真瀬莉緒

「やりましたね!」


僕は下りた直後に来川さんにそう言った。


来川ナナ

「ええ、本当に良かったわ!……それにこの曲が……!」


真瀬莉緒

「はい。声優さんに歌っていただけるんですよね。」


来川ナナ

「ええ、それが一番楽しみで仕方がないの。莉緒……本当にありがとう!」


真瀬莉緒

「ええ!こちらこそありがとうございます!」


僕たちは嬉しさのあまりグータッチをした。



そして……いよいよ……



六郭星学園 大講堂



楽しい時間が終わり、いよいよ卒業式。

SクラスからKクラスまで全クラスの生徒がずらりと並ぶ。


笛花奏

「ただいまより、六郭星学園卒業式を行います。」


卒業式が始まる。1年間ではあるが、このクラスに出会えてよかったと実感する。


1人1人名前が呼ばれていく。


笛花奏

「真瀬莉緒」


真瀬莉緒

「はい。」


始めに男子が呼ばれる……そして、みんなの名前もそれぞれ呼ばれる。


笛花奏

「古金ミカ」


古金ミカ

「は〜い。」


笛花奏

「星野シキア」


星野シキア

「はい。」


笛花奏

「来川ナナ」


来川ナナ

「はい。」


そうか……卒業するんだ……。そう思うと悲しみに溢れていく……






笛花奏

「以上で卒業式を終了いたします。」


そして、あっという間に卒業式が終わる。

本当にあっという間だった。卒業式も学校生活も。


ただ……唯一の救いは……。


古金ミカ

「うほー!みんな同じ大学に通うんだね!」


来川ナナ

「ええ、まさかテスト上位の50人全員が同じ大学に通うことになるなんて……。」


星野シキア

「現実は小説より奇なり……ね。」


そう、みんな一緒の大学。なのでほとんどは別れの挨拶などはなかった。おまけに姉さんたちも同じ大学だ。


真瀬莉緒

「そういえば、そろそろですね。」


来川ナナ

「そうね。声優さんの曲の披露……。」


古金ミカ

「うひょー!それは楽しみだね!」


星野シキア

「そうね……楽しみにしているわ。」


真瀬莉緒

「本当ですね!楽しみです!」


来川ナナ

「………………。」


古金ミカ

「……?ナナ様?どうしたの?」


来川ナナ

「え、いや、その……なんでもないよ。」


真瀬莉緒

「……………………?」


来川さんが何か悩んでいる……?何を考えているかはわからないが……。まずは僕たちが作った曲を聴くことを考えよう。



六郭星学園 Kクラス教室



教室にはクラスメイトの何人かと、姉さんたちのクラスメイトたちが僕たちの曲を聴こうと教室にいた。


真瀬莉緒

「いよいよ……ですね。」


来川ナナ

「ええ……緊張するわ。」


僕たちはどんな曲になったか少しだけ緊張している。


古金ミカ

「まあまあ、落ち着いてくださいな!」


星野シキア

「そうよ。歌ってくれるんだから……。」


真瀬志奈

「そうそう。だからさ、落ち着いて見よ。ね。」


真瀬莉緒

「そ、そうですよね。」


僕は落ち着きを取り戻した。周りの人たちは……。


月川タクト

「曲を声優さんに歌ってくれるとは……。羨ましい!」


柊木アイ

「タクトくんも声優さんに歌って欲しいって思っているんだよね。」


月川タクト

「ああ、だからこそ来川さんたちが羨ましいよ。」


柊木アイ

「それもそうだね。僕のとても楽しみだな。」


みんなが楽しみにしてくれている。僕たちもとても嬉しい。


その後、夜坂くんがやってきた。


夜坂ケント

「莉緒、来川。」


来川ナナ

「ケント!……なんか久しぶりね。」


夜坂ケント

「ああ、それもそうだな……。」


来川ナナ

「………………。」


夜坂ケント

「お、そろそろ曲が始まりそうだな。」


テレビを見ると、声優さんが映っている。


真瀬莉緒

「始まる……!」


来川ナナ

「…………。」


テレビのMC

「それでは声優を代表して歌っていただきます!」


MCの人が言うと、声優さんは口を開く。


女性声優

「この曲を聴いてください。彼女の思い。そして、この歌を!」


声優さんがそう言うと聞き馴染みのある音楽が流れ始める……



曲が終わり……声優さんがいる会場は拍手に満ち溢れていた。


一方で僕たちの教室でも……


月川タクト

「すごい良い……!」


柊木アイ

「うん。とても心が躍るよ!」


会場でも良かったとの好評を得た。


夜坂くんも良い曲だったと、そう言ってくれた。


来川さんにも良かったと言おうと思っていたが……来川さんの姿がない。


星野シキア

「莉緒。ナナは屋上に行ったわ。話があるみたいだけど……行ってみたら。」


真瀬莉緒

「……。わかりました。」


僕は来川さんを追いかけて、屋上に向かう。



六郭星学園 屋上



来川ナナ

「…………。」


真瀬莉緒

「来川さん。あの曲、みなさんから好評でしたよ。」


来川ナナ

「うん……そうね……。」


真瀬莉緒

「ええ……そうですけど……。」


来川ナナ

「ねえ、そろそろ答えてよ。」


真瀬莉緒

「こ、答えてって……何をですか……?」


来川ナナ

「思い出せないの?言ったでしょ?」


真瀬莉緒

「あ……。」


思い出した。……けれど……せっかくだからもう一度でいいから聞いてみたい。あの頃と意思は変わっていないのかを。


真瀬莉緒

「来川さん……もう一度聞いてみたいです。あの頃と本当に気持ちが変わってないのかを。」


来川ナナ

「もちろん……。」


来川さんは僕のところに近づいてきて、改めて告白した。


来川ナナ

「私は真瀬莉緒が好きです。これから何があろうと、ずっとずっと、あなたのそばにいさせてください。よろしくお願いします。」


真瀬莉緒

「来川さん……。」


僕の答えはもう決まっている。


真瀬莉緒

「もちろんだよ。これからも、ずっと一緒にいたいです。」


来川ナナ

「じゃあ…………下の名前で呼んで?お願い。」


真瀬莉緒

「わかったよ。ナナ。」


来川ナナ

「ありがとう……莉緒。」









虹谷アヤ

「…………ハズレね……他を当たるしかないわね……。」


来川ナナ編 完

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