第4章 紫色のケーキ(春井リカコ編)中編
真瀬莉緒
「なんだ!?」
破裂音が鳴り終わると、電気がつく。そこには…………。
春井リカコ
「莉緒!」
真瀬莉緒
「春井さん!?」
春井さんは有志パーティーに参加しているはずだった。なのに…………。
春井リカコ
「有志パーティーに参加はしたわ。でも、せっかく莉緒がいないなら…………。そう思ったわ。」
真瀬莉緒
「はい…………。」
するとそこに、名雲さん、夏目さん。姉さんと浦川さんが入って来た。
真瀬莉緒
「みなさん!」
名雲メイ
「やっぱり莉緒くんもいないとってなってね。」
夏目ホノカ
「せっかくの機会です。こんな楽しい機会に参加できないのは寂しいです。」
浦川アイク
「ケーキを持ってきた。…………2人とも。」
すると、薮本さんと初杉さんがケーキを持ってきた。
薮本マサキ
「せっかくの機会に交流できたらと思ってね。」
初杉ジロウ
「よろしくお願いします。紫色のケーキを持ってきました。」
真瀬莉緒
「みなさん…………!ありがとうございます!!」
名雲メイ
「莉緒くん。嬉しそうね。」
夏目ホノカ
「良かったです。」
春井リカコ
「お祝いよ。一足早いけど…………卒業おめでとう。」
真瀬莉緒
「春井さん…………こちらこそです!」
僕たちは小規模なパーティーを寮の部屋で楽しんだ。
そして、運命のときを迎える。
六郭星学園 大講堂
いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。
そして今日はGクラスが発表していく。
Gクラスのトップを飾ったのは夏目さんのペアだ。
夏目さんのペアは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。
初杉ジロウ
「…………なかなかやる…………じゃないか。」
初杉さんから驚いた様子が見れた。
中盤に入ると次は名雲さんのペアが発表の時間になった。
名雲さんのペアはマジックショーを披露した。
薮本マサキ
「へぇ…………やるじゃないか。メイらしいね。」
薮本さんも率直に褒めている。
そして終盤に入る……そしてGクラスのトリを飾ったのは僕たちだ。
ステージ裏で僕たちは準備をする。
真瀬莉緒
「いよいよですね…………。」
春井リカコ
「そうね。ここまで来れたのは莉緒。あなたのおかげよ。ありがとう。」
真瀬莉緒
「そんな…………ことないですよ。」
春井リカコ
「ここまで来たら、クラスメイトに認めてもらえるように頑張って演奏するわよ。」
真瀬莉緒
「はい。きっと、大丈夫ですよ。頑張りましょう。」
僕たちはそう言って、ステージに上がる。
真瀬莉緒
「では…………行きます。」
僕は合図を出して、演奏を始める…………!
演奏を終える、他の人の反応は…………?
男子生徒A
「とても良い曲だ…………!」
女子生徒B
「良かった……!心に響きました!」
僕たちは拍手喝采に包まれる。そうか……やったんだ……!
柳原悠香
「良かった…………。素敵な演奏でしたわ…………。」
遊馬雄三
「素晴らしい演奏だ。さすが真瀬莉緒だ。もちろん春井もな。」
柳原悠香
「ええ…………本当に。」
ステージ上から僕たちはみんなにお礼をして、ステージから降りて行った。
真瀬莉緒
「やりましたね。」
春井リカコ
「ええ。…………本当に良かった。」
真瀬莉緒
「あとは卒業式だけですね。…………お別れになるのが寂しいです。」
春井リカコ
「そんなことはないわよ。…………莉緒は大切な人。これからも変わることはないわ。」
真瀬莉緒
「春井さん…………!嬉しいです。」
春井リカコ
「ええ。良かった…………。」
こうして、六郭星学園の課題発表は幕を閉じた。
六郭星学園寮 莉緒・アイクの部屋
浦川アイク
「本当に大丈夫か?」
真瀬莉緒
「…………38度7分…………。」
浦川アイク
「重症じゃないか。安静にしてろ。」
卒業式間近に、風邪をひいてしまった。しかもなかなかの高熱だ。
浦川アイク
「待っていろ。今、何か買って来るから。」
真瀬莉緒
「すみません。ありがとうございます。」
浦川さんは購買部に買い物に行った。
真瀬莉緒
「寝るか…………。」
すると、ドアのノックのする音が鳴る。
入って来たのは、春井さんだった。
真瀬莉緒
「春井さん…………。」
春井リカコ
「全く…………心配かけさせて…………。はい。おかゆ。」
真瀬莉緒
「すみません…………。わざわざ作ってくれたんですね。」
春井リカコ
「ふー…………ふー…………。はい。」
真瀬莉緒
「ありがとうございます…………いただきます。」
僕はおかゆを食べる。とても美味しい。
浦川アイク
「おい。帰って…………何だ。春井か。」
春井リカコ
「何だって何よ。私だって、看病はするんだから。」
浦川アイク
「まあ、そうか…………。だいぶ変わったな。性格も。」
春井リカコ
「そうかしら…………?でも、お互いに変わったかもしれないわね。」
浦川アイク
「……………………。」
春井リカコ
「あとは任せるわ。莉緒をお願い。」
そう言って、春井さんは部屋から出て行った。
真瀬莉緒
「おかゆも食べましたし、寝ますね。」
浦川アイク
「ああ。おやすみ。」
僕は眠りについた。
翌日、体温を測ると平熱に戻っていた。
真瀬莉緒
「良かった…………これなら卒業式に参加できる。」
ベッドルームから出ると、浦川さんが待っていた。
浦川アイク
「その様子だと、熱が下がったみたいだな。卒業式に参加できそうでよかったよ。」
真瀬莉緒
「はい。ご心配をおかけしました。」
浦川アイク
「構わない。もうすぐ卒業式だ。準備をしよう。」
真瀬莉緒
「はい。」
卒業式の準備をする。そして、その日を迎えた。




