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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 春井リカコ編
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第3章 茜色の夕焼けで(春井リカコ編)後編

六郭星学園 音楽室



音楽室に着いた。早速、練習に取り掛かろうと思うと、春井さんが意見を出した。


春井リカコ

「アレンジ…………ここだけ、お願いできるかしら?」


真瀬莉緒

「ここですか…………?…………はい。」


僕はアレンジを加えると春井さんは笑みを浮かべた。


春井リカコ

「できた…………これが…………私たちの曲…………!」


どうやら、納得のいく曲になったみたいだ。こちらまでとても嬉しくなる。


真瀬莉緒

「では、全体を通して演奏してみます。」


春井リカコ

「ええ。お願い。」


真瀬莉緒

「はい…………では…………。」


僕は演奏を始める…………。



演奏を終える。僕はとても嬉しい気持ちになった。これが…………僕たちの曲…………!


春井リカコ

「これで…………この歌詞をつければ…………!」


真瀬莉緒

「歌詞…………作ったんですね。」


春井リカコ

「ええ。私…………莉緒のことを思って作ったわ。」


真瀬莉緒

「僕のことを…………?」


春井リカコ

「聞けばわかるわ。あとは声優さんに聞いてもらうだけね。」


真瀬莉緒

「そうでした。…………声優さんに聞いてもらう段取りを組まないと。」


僕は運営に連絡を取り、声優さんに聞いてもらう段取りを組んでもらった。


真瀬莉緒

「声優さん。明日にでも顔を出すみたいです。」


春井リカコ

「本当に?思ったより早いのね。」


真瀬莉緒

「偶然が重なったのかもしれませんね。では、全体を通して録音データを作りましょう!」


春井リカコ

「ええ。そうね。善は急げね。」


僕たちは録音データを作成する。そして…………なんとかできた。


真瀬莉緒

「では、明日に備えて、寝ますか。」


春井リカコ

「ええ。それにしても、赤い夕焼けね…………。」


音楽室の窓を見ると、赤い夕焼けが街を照らしていた。


春井リカコ

「私…………あいつのことが嫌いだった。」


春井さんは夕焼けを見て何かを思ったのか、本音を話し出した。


真瀬莉緒

「あいつ…………浦川さんのことですか?」


春井リカコ

「アイクは…………あの獣に憧れていた。今は違うみたいだけど。でも、私は大切な父親の命を奪った獣に憧れていることに、不信感を抱いていた。」


真瀬莉緒

「浦川さんにそんな過去が…………。」


春井リカコ

「でも、今思うと、アイクも色々と考えがあって、改めたのかもしれない。そう思うともう一度やり直せるかもしれない。」


真瀬莉緒

「春井さん…………。」


すると、音楽室のドアの方で、人の気配がする。


真瀬莉緒

「浦川さん…………。」


浦川さんがいた。浦川さんは春井さんに頭を下げる。


浦川アイク

「1度でも、あの獣に憧れを持ったことに後悔している。春井。許してくれるのかい?」


春井リカコ

「時間はかかるかもしれない。…………けど、許す許さない関係ないから…………。これからもよろしく。アイク。」


浦川アイク

「今はそれで良いよ。ありがとう。春井。」


春井リカコ

「どういたしまして。」


2人のわだかまりも解けたみたいだ。安心して、明日、声優さんに楽曲の報告ができる。


その日は解散して、それぞれの寮で眠りについた。



六郭星学園 応接室



いよいよ声優さんに聞いてもらう曲ができた。歌詞に関しては僕は関与しておらず、春井さんに全面的に任せている。僕も内容は知らない。そんな中で少し、春井さんは緊張している。


春井リカコ

「大丈夫よね…………。きっと。」


真瀬莉緒

「はい。ここまで来れました。きっと大丈夫だと思います。」


励ましていると、応接室のドアをノックする音が聞こえる。


真瀬莉緒

「どうぞ…………。」


ドアが開くと、声優さんが入って来る。案内人だと思われる、凪野先生も入って来た。


凪野雪緒

「では、よろしくお願いいたします。」


そう言って、凪野先生は部屋から出ていく。


僕たちは立ち上がり、挨拶をする。


真瀬莉緒

「真瀬莉緒です。本日はよろしくお願いいたします。」


春井リカコ

「春井リカコと申します。今回、真瀬さんと楽曲の作成をしております。よろしくお願いいたします。」


声優さんは春井さんを見つめる。深いため息をつくと、笑みを浮かべ春井さんに握手を求めた。


春井リカコ

「ありがとうございます。」


真瀬莉緒

「では…………本題に入らせていただきます。」


僕たちは声優歌唱祭で歌ってもらう予定の音源を聞いてもらう。


春井リカコ

「こちらは歌詞になります。確認のほどよろしくお願いいたします。」


春井さんは歌詞を書いた紙を渡す。


声優さんはじっくりと歌詞を見て、音源を聞く。


春井リカコ

「どうでしょうか…………?」


真瀬莉緒

「……………………。」


声優さんの顔を見る。声優さんは心強く頷いた。


真瀬莉緒

「それは…………!」


もちろん声優さんの答えは歌うという結果だった。この瞬間はいつになってもとても嬉しい。


真瀬莉緒

「ありがとうございます!」


春井リカコ

「ありがとうございます。」


そのあと軽い雑談をし、声優さんは六郭星学園をあとにした。


声優さんが帰ったあと、安堵したのかぐったりと肩が重くなった。


真瀬莉緒

「やりましたね…………。」


春井リカコ

「ええ。おかげさまで。」


真瀬莉緒

「あとは期末テストと課題発表…………と言ったところですね。」


春井リカコ

「そうね。なんとか頑張らないと…………ね。」


真瀬莉緒

「でも結局、歌詞を見せてもらえませんでしたね。何を書いていたんですか?」


春井リカコ

「それは…………声優歌唱祭でわかるわ。期待しても構わないわ。」


真瀬莉緒

「……………………はい。」


少し不安はあるが、僕は受け入れて声優歌唱祭を待つことにした。

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