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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第6部 春井リカコ編
338/350

第2章 瑠璃色のマラカス(春井リカコ編)後編

六郭星学園寮 ロビー



ロビーに行くと、春井さんが待っていた。


春井リカコ

「大丈夫なの…………?」


真瀬莉緒

「心配してくれるんですね。」


春井リカコ

「落ち度はこっちにあるから…………。」


真瀬莉緒

「そうですか。…………ありがとうございます。」


僕は、寮の部屋に戻ろうとしたとき…………。


春井リカコ

「あっ…………。」


真瀬莉緒

「…………?どうかしましたか?」


春井リカコ

「いえ…………気をつけなさいね。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


僕は改めて寮の部屋に戻る。



六郭星学園寮 莉緒・アイクの部屋



真瀬莉緒

「戻りました…………。」


浦川さんはまだ戻ってきてないみたいだ。


真瀬莉緒

「メルマでも見るか…………。」


パソコンを立ち上げる。メルマの配信はもう始まっているみたいだ。


メルマの配信を見ていると、浦川さんが帰って来た。


浦川アイク

「ただいま…………。」


僕は配信を見るのをやめて、挨拶をする。


真瀬莉緒

「お疲れ様です。」


浦川アイク

「大丈夫なのか?今日、図書室で棚の下敷きになったって聞いたが…………。」


真瀬莉緒

「はい。なんとか無事に…………いえ、無事ではないみたいですけど…………。」


浦川アイク

「…………春井との曲作りはどうなった。」


真瀬莉緒

「はい。渋々かもしれませんが承諾はしてくれました。」


浦川アイク

「それは良かった…………。でも、ちゃんと演奏に付き合ってくれるのか?」


真瀬莉緒

「はい。アレンジの提案を色々としていただきました。」


浦川アイク

「あいつが…………!?」


浦川さんは珍しく目を丸くする。


真瀬莉緒

「はい。それが何か…………?」


浦川アイク

「いや…………なんでもない。とりあえず応援しているぞ。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。頑張ります。」


そして、その日は寝ることにした。


翌日…………。



六郭星学園 Gクラス教室



真瀬莉緒

「眠い…………。」


寝すぎたのか、あくびをしながら教室に入る。


春井リカコ

「……………………。」


春井さんがいた。春井さんは紫色のヘッドホンを着けて、音楽を聞いている。


僕に気づいたのかヘッドホンを外す。


真瀬莉緒

「おはようございます。」


春井リカコ

「ええ。」


真瀬莉緒

「そういえば、春井さんって、紫色のものを持っていますよね。紫が好きなんですか?」


春井リカコ

「それが何だって言うの?」


真瀬莉緒

「何だって言うと…………。」


春井リカコ

「…………でも…………紫は確かに好きよ。この世で最も好きな色は紫色。紫色のものはつい…………って。言わせないで。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


春井リカコ

「で…………今日は練習するの?」


真瀬莉緒

「いえ…………今日は特には…………休みも必要かなと。」


春井リカコ

「そう…………。じゃあ、付き合ってもらえるかしら?」


真瀬莉緒

「付き合う…………?どこへ…………?」


春井リカコ

「カラオケよ。ありがたく思いなさい。」


真瀬莉緒

「カラオケですか?…………構いませんけど…………。」


春井リカコ

「じゃあ、放課後。時間厳守よ。」


言われるがまま、僕は放課後を待った。


授業を受け終え…………僕たちは、放課後になり、カラオケボックスに向かった。



カラオケボックス



春井リカコ

「しかし…………思いのほか快適な部屋ね。悪くないわ。」


カラオケボックスにやって来た。


春井リカコ

「じゃあ、あなた。歌ってみて。」


真瀬莉緒

「僕ですか…………?」


春井リカコ

「他に誰がいるのよ。ほら…………。」


真瀬莉緒

「はい…………。わかりました…………。」


僕はとりあえず、曲を入れて歌ってみる。


歌声は正直、可もなく不可もなくで点数も85点くらいの歌声だ。


春井さんの反応は…………。


春井リカコ

「…………なかなかの歌声ね。」


真瀬莉緒

「あっ、ありがとうございます。」


気を使ってくれたみたいだ。


真瀬莉緒

「春井さんは歌はどうなんですか?」


春井リカコ

「私…………?まあ、いいわ。マイクを貸して。」


真瀬莉緒

「はい。どうぞ。」


春井リカコ

「ふぅ……………………。」


曲が流れだす…………春井さんは歌う。


真瀬莉緒

「う…………上手い…………!?」


春井さんの歌声はとても暖かい。音楽に対する情熱は本物かもしれない。


真瀬莉緒

「す、すごいです!」


春井リカコ

「どうも。」


褒めるものの、その一言でおしまいだ。


何曲かデンモクに予約をしたのか、春井さんはひたすら歌う。


僕は青いマラカスを振って、合いの手を入れる。


それにしても、春井さんの歌声は素晴らしい。


そう考えていると、なぜか作成中の楽曲のアレンジが浮かび上がった。


カラオケの予約曲が全て歌い終わると、僕は春井さんにアレンジを聞いてもらうことにした。


真瀬莉緒

「では、聞いてください。」


僕はカラオケボックスにある、ピアノを使って、演奏する。



演奏を終えると、春井さんは考え込んでいた。


真瀬莉緒

「ダメでしたか…………?」


春井リカコ

「ふん…………及第点ね。少しだけ認めてあげるわ。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。」


春井リカコ

「まぁ、まだ改善の余地はあるけれどね。」


真瀬莉緒

「重々承知です。改善点を聞かせてください。」


僕は色々と改善点を聞き、アレンジを直した。


真瀬莉緒

「はい…………どうでしょうか?」


春井リカコ

「多少はマシになったみたいね。褒めてあげてもいいわ。」


真瀬莉緒

「どうも…………。」


春井リカコ

「さて…………帰るわよ。」


真瀬莉緒

「もうですか?」


春井リカコ

「ええ。置いていくわよ。」


真瀬莉緒

「いえ…………行きましょう。」


僕たちは六郭星学園に戻る。



六郭星学園寮 ロビー



ロビーに行くと、何か騒いでいた。


春井リカコ

「何事なの…………?」


柚木アイラ

「ああ…………大変です。獣らしきものが現れたみたいで…………。」


春井リカコ

「獣…………?」


柚木アイラ

「急いで屋上に避難してください。」


真瀬莉緒

「わ、わかりました…………!」


僕たちは屋上に向かう。



六郭星学園 屋上



学園の屋上に向かうと、生徒たちが避難していた。


みなさん静かに、避難している。


と、思っていたら何やら騒がしい。生徒会の面々だろうか。何やらものすごい喧嘩をしている。


がたいのいい人が会長に今にも殴りかかりそうだ。そこに浦川さんが止めに入った。


浦川アイク

「やめろ…………。」


今までにない、圧を浦川さんから感じる。


がたいのいい人は浦川さんの圧に負けたのか、どこかへ行ってしまった。


春井リカコ

「……………………。」


真瀬莉緒

「春井さん?どうかされましたか?」


春井リカコ

「あの正義面、気に食わない。」


真瀬莉緒

「えっ…………?」


僕は春井さんに浦川さんのことを聞こうとしたが、避難解除のアナウンスが流れ、聞けなかった。


真瀬莉緒

「春井さんと浦川さんか…………。」


疑問に思うまま、僕は寮に戻った。

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