表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 根村ユウタ編
329/350

第3章 ホワイトミルクティーを(根村ユウタ編)後編

真瀬志奈

「うっ…………うーん…………。」


目が覚めると、そこは来川医療センターの診察室だった。


間宮舞来

「目が覚めたんですね…………良かった。」


成瀬実

「良かったです。…………お疲れ気味のようですね。」


真瀬志奈

「成瀬先生…………すみません。なんか…………。」


成瀬実

「大丈夫ですよ。気にしないでください。」


成瀬先生は微笑みながらそう返してくれた。


どうやら、私に特段の異常はなく、立ち眩みと診断された。


間宮舞来

「送ってあげます…………。実を送るついでに。」


間宮先生の車に乗って今日は帰ることになった。


私は最後に、根村さんの病室に行き、挨拶をすることにした。



根村ユウタの病室



扉を開けると、根村さんは窓辺に佇んでいた。


気づいたのか、私の方を振り向く。


根村ユウタ

「大丈夫か…………?少し…………体調が悪いのか…………?」


真瀬志奈

「大丈夫です。少し疲れたみたいなので…………。」


根村ユウタ

「そうか…………。そういえば…………楽曲のことなんだが…………。歌詞を…………書かせてもらえないか…………?」


真瀬志奈

「根村さんの歌詞ですか?それは気になりますね。」


私はつい二つ返事で許可する。


根村ユウタ

「ありがとう…………素敵な…………歌詞にする…………。」


真瀬志奈

「期待しています。今度見せてくださいね。」


すると、根村さんの表情が曇った。


根村ユウタ

「すまない…………それは…………できない…………。秘密に…………したい…………でも…………良い歌詞にする…………。」


真瀬志奈

「……………………そうですか。わかりました。期待していますね!」


私は全面的に根村さんに歌詞を任せることにした。


真瀬志奈

「では…………今度は学園でお会いしましょう。」


根村ユウタ

「ああ…………アレンジも…………思いついた…………。音楽室で…………会おう。」


真瀬志奈

「はい!」


私は間宮先生の車で、学園に戻った。



六郭星学園寮 志奈・マナカの部屋



真瀬志奈

「ふぅ…………とりあえず良かった。」


夢野マナカ

「お疲れ様です…………。」


夢野さんはホワイトミルクティーを渡してくれた。


真瀬志奈

「ありがとうございます。いただきます。」


私は貰ったホワイトミルクティーを飲んだ。より一層、安心が勝った。


夢野マナカ

「私も…………頑張ります。真瀬さんの弟さんにも言おうと思います。」


真瀬志奈

「莉緒にメルマだってことを言うんですね。…………きっと莉緒なら受け止めてくれますよ。」


夢野マナカ

「はい。…………大丈夫だとは思いますが、他のファンはどう思うのかわかりません…………。ですが、私は本当にやりたいことをやろうと思います。」


真瀬志奈

「その意気です!応援していますよ。」


夢野マナカ

「はい。頑張ります。」


そして、私たちはホワイトミルクティーを飲み干して、ベッドに眠りについた。



六郭星学園 Dクラス教室



今日は、根村さんが戻ってくる日だ。こちらまでドキドキする。


幸い、このクラスの面々は根村さんに優しく接してくれていた。変わっていなければいいのだけど…………。


不知火カイル

「ユウタ…………大丈夫かな?」


内野タスク

「ドキドキしますね…………でも、何か大丈夫な気がします。」


真瀬志奈

「本当ですか?……………………あっ、来ました。」


根村さんが教室に入って来た。クラスメイトの反応は…………?


男子生徒A

「おかえり。待っていたよ。」


女子生徒B

「これからもよろしくね!」


クラスメイトたちはみなさん、拍手で迎えてくれた。


一緒に教室に入って来た成瀬先生もホッとしている。


成瀬実

「良かった…………。では、ホームルームを始めます。」


安堵していた成瀬先生はホームルームを始める。



ホームルームが終わると、根村さんが話しかけてきた。


根村ユウタ

「志奈…………。この間言った…………アレンジを…………教えたい…………。放課後…………音楽室で…………練習をしよう…………。」


根村さんは病室で言っていた、アレンジをレクチャーしようと、声をかけてくれた。せっかくの頼みを断るわけにはいかない。


真瀬志奈

「もちろんです。放課後、必ず覚えて見せます!」


そして、私たちは授業を受け、放課後を迎える。



六郭星学園 音楽室



放課後になり、私たちは音楽室に来た。


真瀬志奈

「では、聞かせてください。曲のアレンジを…………。」


根村ユウタ

「ああ…………これだ…………。」


根村さんはアレンジを加えた楽曲を入れたCDをラジカセに入れた。そして、音源が流れる…………。


真瀬志奈

「なるほど…………!これは…………素晴らしいです!」


賞賛をすると、根村さんは照れくさそうに微笑む。


根村ユウタ

「ありがとう…………次は…………志奈の番だ…………演奏してほしい…………。」


真瀬志奈

「はい。必ず、素敵な演奏にしてみせます。では…………。」


私はピアノを使って、演奏を始める…………。



真瀬志奈

「どうでしょうか…………?」


根村さんの反応は…………?


根村ユウタ

「志奈…………素敵だった…………。これなら…………きっと…………声優さんも…………喜んでくれる…………ありがとう…………。」


真瀬志奈

「根村さん!…………ありがとうございます。これで、完成ですね。」


根村ユウタ

「ああ…………これで…………この楽曲は…………完成だ…………。あとは…………声優さんに…………聞いてもらうだけ…………。」


真瀬志奈

「はい!早速、アポイントメントを取って、聞いてもらいましょう。3月には間に合いそうです。あとは、練習を重ねていくのと、楽曲発表を待つだけです。頑張りましょう!」


根村ユウタ

「ああ…………頑張ろう…………。」


出会ったときよりも、笑みを浮かべることが多くなってきている。根村さんが元気になって来て、本当に良かった。


残りの学生生活も楽しんでいこう。きっと素敵な時間になるはず…………!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ