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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 根村ユウタ編
325/362

第2章 臙脂色のダーツ(根村ユウタ編)中編

六郭星学園 音楽室



根村ユウタ

「なるほど…………素敵な…………曲だ…………この曲…………ぜひ演奏させて欲しい…………。」


私は大運動会の翌日に、根村さんを音楽室に呼んで、声優さんに提供予定の楽曲を聞いてもらった。


これを課題で演奏することや、根村さんもこの曲を演奏してほしいことを話した。根村さんは承諾をしてくれた。


根村ユウタ

「それで…………どの声優さんに…………演奏するんだ…………?」


真瀬志奈

「はい。この方なんですけれど…………。」


根村ユウタ

「…………なるほど…………。この声優さんか…………。」


真瀬志奈

「あまりお好きではない方でしたか?」


根村ユウタ

「そんなことは…………ない…………。むしろ…………好きな声優さん…………。」


真瀬志奈

「そうでしたか。それじゃあ、練習しますか。」


根村ユウタ

「ああ…………。」


これからは根村さんと定期的に練習を繰り返すことになった。


ときに、アレンジを加えたり、メロディを変えたりしたりなどして、試行錯誤をしながら練習をする。


練習中の根村さんは寡黙な性格ながらも、意見はしっかりと言う人で、内容も的確だ。


さらに、演奏技術も素晴らしく、飲み込みも速い。すでに自分の曲になっている。


真瀬志奈

「お見事です。根村さん、素敵です!」


根村ユウタ

「ありがとう…………。」


真瀬志奈

「では…………そろそろ、切り上げましょうか。」


根村ユウタ

「じゃあ…………ダーツでもしに行こう…………。」


真瀬志奈

「ダーツですか?」


唐突に言い出したので、気になってしまう。


根村ユウタ

「ダーツは…………趣味だ…………。」


真瀬志奈

「趣味ですか?釣り以外にもあるんですね。」


根村ユウタ

「結構…………趣味が…………ある。」


真瀬志奈

「もし良ければ、私も同行させてもらっていいですか?少し気になります。」


根村ユウタ

「構わない…………。行こう…………。」


真瀬志奈

「あ、ありがとうございます。」


根村さんは快く承諾してくれた。


私たちはダーツのある、レジャー施設に向かうことにした。



レジャー施設 ダーツコーナー



ダーツコーナーにやって来た。学園の生徒たちも何人かいる。


よく見ると、見覚えのある人たちだらけだった。


左手に包帯を巻いているのは、美園エリカ(みその えりか)さん。巷では中二病ではないかと言われている。


美園エリカ

「ふふふ…………我が左手に力を…………!」


黄緑のダーツを使っている。


その隣には、綿垣キョウゴ(わたがき きょうご)さんがいる。


綿垣キョウゴ

「ふぅ…………たまにはこういうのも良いな。」


??

「そうですね。僕も楽しいです。」


隣にいるのは…………雪谷マコト(ゆきや まこと)さんだ。


雪谷マコト

「よし。真ん中に刺さりました。」


水色のダーツの隣に、緑のダーツが真ん中に刺さる。


根村ユウタ

「じゃあ…………これを…………。」


根村さんは私に、臙脂色のダーツを渡す。


真瀬志奈

「これは…………?」


根村ユウタ

「このコーナーの…………備品の…………ダーツ…………。自分のは…………これだ…………。」


根村さんはラベンダー色のダーツを取り出す。


真瀬志奈

「ラベンダー色のダーツ…………素敵な色ですね。」


根村ユウタ

「ありがとう…………。じゃあ…………早速…………。」


根村さんは定位置に立ち、ラベンダー色のダーツを投げる。


的のど真ん中に刺さった。2投目。3投目も真ん中に刺さる。


真瀬志奈

「すごい…………素晴らしいです!次は私の番ですね。」


根村さんは椅子に座り、私は定位置に立つ。


真瀬志奈

「えい!」


ダーツを投げる。臙脂色のダーツは的に当たらなかった。


真瀬志奈

「意外と難しいですね…………。」


すると、それを見ていたのか、雪谷さんたちがやって来た。


雪谷マコト

「大丈夫ですか?もしよければアドバイスをいたしますよ。」


真瀬志奈

「アドバイスですか?そうですね…………。」


すると、根村さんが…………。


根村ユウタ

「すまない…………自分でアドバイスする…………。」


真瀬志奈

「根村さん?」


雪谷マコト

「そうですね…………。余計なお世話をしてしまったかもしれません。」


綿垣キョウゴ

「すまなかったな。…………2人の時間を楽しんでくれ。」


美園エリカ

「ふふふ…………。」


3人はダーツコーナーをあとにした。


根村ユウタ

「すまない…………変な感じに…………なったな…………。」


真瀬志奈

「気にしないでください。大丈夫ですから。」


根村ユウタ

「…………ダーツのコツは…………手首を…………。」


根村さんは姿勢を正しながら、ダーツのコツを教えてくれた。


言われたとおりに、ダーツを投げると的に当たった。


真瀬志奈

「やった!当たりました!」


根村ユウタ

「…………うん。」


根村さんも頷き喜んでくれた。


根村ユウタ

「良かった…………時間も…………時間だ…………そろそろ学園に…………。」


真瀬志奈

「はい。そうです…………。」


すると、辺りの人がざわつく。学園の生徒たちだ。


男子生徒

「なぁ…………あれって…………。」


女子生徒

「そうよね…………。大丈夫かしら…………?」


真瀬志奈

「えっ…………?一体、何が…………?」


根村さんは私の手を掴み、人気のいないところへ走る。


真瀬志奈

「えっ、ちょっと、根村さん!?」


根村ユウタ

「気にしないで…………欲しい…………。追々…………話す。」


真瀬志奈

「あ、はい…………。」


人気のいないところに着いた。

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