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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 根村ユウタ編
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第2章 臙脂色のダーツ(根村ユウタ編)前編

夏。作曲も大事だが、学校行事も大切。

今日はクラス対抗大運動会が行われる。


成瀬実

「みんな準備はいいですか?1位を目指して頑張りましょう!」


クラスメイトのみんなは「はい。」と言った。みんなから頑張ろうとする気持ちがとても溢れている。


何しろこの大運動会の順位により、2ヵ月後の文化祭の出し物の選択権が変わっていく。1位はもちろん出し物が被ったとしても優先的にこちらが第1希望を通せる。なのでなるべく上位を目指さないといけない。


根村ユウタ

「よし…………やるか…………。」


根村さんは静かなやる気を出している。


不知火カイル

「2人は騎馬戦に参加するんだよね。」


内野タスク

「頑張ってください!応援しています。」


真瀬志奈

「はい。2人も綱引き頑張ってください!」


不知火さんたちは頷き、会場へ向かう。


綱引きの対戦相手はJクラスだ。中でも注目なのは2人の女子生徒だ。


桃色のふんわり頭なのが、木沢アカリ(きざわ あかり)さん。とても明るい性格で、クラスのムードメーカー的存在。内野さんとは古くからの知り合いで、仲もとても良好だという。


金髪のロングヘアで、口元のほくろがチャームポイントなのが、冬原マイカ(ふゆはら まいか)さん。学校一の色気のある女子生徒で学校中では有名。不知火さんの知り合いだ。


木沢アカリ

「タスクー!今日は負けないからねー!」


内野タスク

「こちらこそです。今日はこちらが勝ちます。」


お互いいがみ合うことはなく、会話をしている。


不知火カイル

「これは冬原さん。綱引きのご相手をよろしくお願いするよ。」


冬原マイカ

「カイル。よろしくねぇ。」


お互いに喧嘩することなく、会話している。


その会話の後、立ち位置に移動してくださいとのアナウンスがあり、出場者は全員立ち位置に移動した。


そしてスタートのピストルが打たれ、両クラス綱を引っ張った。結果は……木沢さんたちの勝利だった。


2人はやったぞと言わんばかり、嬉しい表情で戻ってきた。


次は私たちの番だ。負けられない……!


騎馬戦には莉緒と夢野さんが参加する。


体育委員

「次は騎馬戦です!出場者の方は先生の指示にしたがって並んでください!」


この勝負、負けられない……!



騎馬戦の結果は…………!


体育委員

「大将が敗れました!1位はDクラスです!」


真瀬志奈

「やった!やりました!」


根村ユウタ

「勝った…………。」


真瀬莉緒

「負けか…………。」


夢野マナカ

「強い…………ですね。」


クラスメイトのみなさんのところに戻ると、不知火さんと、内野さんが迎え入れてくれた。


不知火カイル

「おめでとう!こっちまで嬉しいよ!」


内野タスク

「これで優勝間違いなしですね!」


真瀬志奈

「はい!頑張りました!」


そしてすぐに結果発表にうつった。


体育委員

「総合結果です。1位はDクラスです!」


真瀬志奈

「やった!みなさんやりましたよ!」


不知火カイル

「みんなのおかげだ!ありがとう!」


内野タスク

「やりましたね。僕も嬉しいです!」


体育委員

「なお最下位のJクラスには罰ゲームがあります。」


根村ユウタ

「罰ゲーム……?」


体育委員

「罰ゲームを喰らっていただくのはくじ引きで当たりを引いた3名に行っていただきます!」


真瀬莉緒

「うわぁ……嫌だなぁ……」


体育委員

「ではJクラスのみなさん!くじを引いてください!」


Jクラスのみなさんが1人ずつ引いていくそして……


冬原マイカ

「これは……なかなかだねえ。」


夢野マナカ

「いやあ……!苦しい……!」


木沢アカリ

「はぁ…………こうなるなんて……。」


罰ゲームを行なったのは木沢さん、冬原さん、夢野さんだった。罰ゲームはシャツの中で風船を膨らます定番のモノだった。


根村ユウタ

「良かった……1位で……。」


真瀬莉緒

「当たらなくて良かった……。」


みるみる大きくなる風船に他のみなさんは驚いた表情で見ている。


不知火カイル

「ここまで大きい風船を使うとは…………。」


内野タスク

「当たっていたらどんなことに…………うわぁ!」


風船が割れた。3人はその場に座り込んだ。


夢野マナカ

「ふぅ…………まさか、ユウタに負けるとは…………。」


根村さんはじっと夢野さんを見つめていた。



六郭星学園寮 志奈・マナカの部屋



真瀬志奈

「だ、大丈夫ですか?」


私はつい心配をしてしまう。


夢野マナカ

「はい…………なんとか大丈夫です。」


真瀬志奈

「そうですか…………良かった…………。」


夢野マナカ

「それよりも、ユウタの件ですけれど…………。」


真瀬志奈

「ああ、根村さんには明日、聞いていただくことになりました。」


そう言うと、夢野さんは安堵したのか、深くため息をついた。


夢野マナカ

「良かったです…………どんな曲になるのか、期待しています。」


真瀬志奈

「はい。楽しみにしていてくださいね。」


夢野さんは頷くと、シャワールームに入った。


真瀬志奈

「よし…………私も頑張ろうか。」


私は早速、作曲の作成に取り掛かった。



どれだけ時間が経ったのだろう。夜になっていた。途中、夢野さんもシャワールームから出てきて、自分のベッドルームに入っていった。


切り上げよう…………そう思ったとき…………。


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


この耳鳴りは……!?


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


しばらくすると、耳鳴りは治まった。


真瀬志奈

「一体、何だったのかしら…………?」


不思議そうに思うものの、私は眠りについた。

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