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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 夢野マナカ編
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第2章 ブラックコーヒーを飲んで(夢野マナカ編)後編

コーヒーを注文したら、すぐに提供してくれた。


僕たちは、コーヒーを飲む。


夢野マナカ

「あっ…………そうだった。」


真瀬莉緒

「何かあったんですか?」


夢野マナカ

「私…………コーヒー飲むと、眠れなくなっちゃうんです。」


真瀬莉緒

「ああ…………そういう人いますよね…………。」


夢野マナカ

「でも、まあ…………今日は頼んだ手前、仕方ありませんね。…………幸い、明日も休みなので…………。」


真瀬莉緒

「そうですか。では…………飲みましょうか。」


夢野マナカ

「はい…………。」


僕たちはコーヒーを口に運ぶ。


真瀬莉緒

「うん…………美味しい。」


とても苦みと美味さのあるコーヒー。堪能をする。そのとき…………。


夢野マナカ

「真瀬さん。…………少し急用ができました…………。」


真瀬莉緒

「急用…………?」


夢野マナカ

「はい…………スマホにメールが入ってました…………。」


真瀬莉緒

「じゃあ…………仕方ありませんね。急用の方、優先してください。」


夢野マナカ

「ありがとうございます。…………そして…………ごめんなさい。」


夢野さんは謝ると、学園の外に出た。


真瀬莉緒

「1人か…………。」


そう呟くと、聞こえていたのか水崎さんが声をかける。


水崎アサヒ

「どうやら、1人になったようだな。…………その、私で良ければ模擬店を回っても構わないが…………?」


真瀬莉緒

「いえ…………可能ならば、ここで待っても大丈夫でしょうか?」


水崎アサヒ

「それは…………きみはJクラスだろう。ここはHクラスの教室だ。先生の許可なくここにいるのは…………。」


真瀬莉緒

「では、先生の許可をください。お願いします。」


そう言うと、何かをあきらめたのか、水崎さんは深いため息をついた。


水崎アサヒ

「仕方ないな…………先生には私から伝えておく。再会できることを祈っている。」


許可を貰い、僕はここで待つことにした。



どれくらい待ったんだろう。もうすぐクライマックスの打ち上げ花火が打ち上がる。


真瀬莉緒

「アレンジでも作るか…………。」


僕は、課題の作曲のアレンジを練り直すことにした。



真瀬莉緒

「…………うん。良い感じ…………。」


アレンジが上手くいった。あとは…………。


そう思っていると、教室に人が入って来た。


夢野マナカ

「真瀬さん…………!!」


真瀬莉緒

「夢野さん…………!待っていました。」


夢野マナカ

「そんな…………こんな時間まで…………。」


真瀬莉緒

「良いんですよ。」


夢野マナカ

「でも、もう何も…………。」


僕は微笑んで言う。


真瀬莉緒

「そんなことはないですよ。打ち上げ花火が残っています。屋上に行きましょう。」


夢野マナカ

「……………………はい。」


僕たちは、打ち上げ花火が見える、屋上に行くことにした。



六郭星学園 屋上



屋上に着いた瞬間、打ち上げ花火が上がる。まるで僕たちを待っていたかのように。


真瀬莉緒

「間に合った…………。」


夢野マナカ

「綺麗…………ですね。」


僕たちは、打ち上げ花火が上がるのを見る。花火が終わるまで、終始無言だった。


打ち上げ花火が終わると、夢野さんがこんなことを言う。


夢野マナカ

「真瀬さん。お願いがあります。今日の深夜…………中庭に来ていただけますか?」


真瀬莉緒

「深夜ですか…………?」


夢野マナカ

「私…………どうしても、言いたいことがあります。」


真瀬莉緒

「言いたいことですか…………。わかりました。」


夢野マナカ

「ありがとうございます。…………では、深夜にお会いしましょう。」


僕たちは屋上で別れ、それぞれの寮の部屋で深夜を待つことにした。


そして…………深夜。



六郭星学園 中庭



僕は眠気があるものの、夢野さんに言われた通り、中庭に来た。


真瀬莉緒

「ふぅ…………夢野さんはまだ来てないな。」


そう思っていると、夢野さんがやって来た。


真瀬莉緒

「ああ。夢野さん。」


夢野マナカ

「すみません。遅くなりました…………。」


夢野さんはお礼を言ったあと、ブラックコーヒーをコップに注ぐ。


真瀬莉緒

「あ、ありがとうございます。夢野さんは眠たくないですか?」


夢野マナカ

「今日はコーヒーを飲みましたから…………。」


真瀬莉緒

「ああ、そうでしたね。…………では、いただきます。」


僕はブラックコーヒーを飲む。このコーヒーもとても美味しい。


コーヒーを飲んだあと、本題に入る。


真瀬莉緒

「それで…………話とは?」


夢野マナカ

「あっ…………そうですよね。」


夢野さんは何かを躊躇いながら、黙り込んでしまう。


真瀬莉緒

「夢野さん…………あの…………大丈夫ですよ。」


夢野マナカ

「………………正直、ああ言いましたけど今になって、少し怖いです…………。私は、これを言うと真瀬さんに色々と言われるんじゃないかと…………。」


真瀬莉緒

「夢野さん…………。」


僕は夢野さんに大丈夫と声をかける。


しかし…………色々って…………何だろう?


夢野マナカ

「真瀬さん…………わかりました。私…………勇気を出します。」


深い息を吐く夢野さん。そして、僕はその言葉を聞いたとき、僕は納得と驚きを隠せなかった。


夢野マナカ

「私は…………Vtuber…………綺羅星メルマの中の人間です。」


真瀬莉緒

「…………メルマ…………!?」


夢野マナカ

「はい。私は…………メルマとして、配信活動をしています。…………真瀬さん。」


真瀬莉緒

「そうでしたか…………やっぱり。」


夢野マナカ

「知っていたんですか…………?」


真瀬莉緒

「なんとなくです。声が似ていて…………メルマって配信のとき、楽器を演奏することあるじゃないですか。得意な楽器も一緒ですし、演奏のクセも一緒でした。だから…………メルマじゃないかと。なんとなく思いました。」


夢野マナカ

「そうだったんですね…………。でも、口に出さなかったんですね。」


真瀬莉緒

「はい…………でも、メルマはメルマ。夢野さんは夢野さんですし。僕が口出しすることはないですよ。」


夢野マナカ

「真瀬さん…………!」


真瀬莉緒

「夢野さん、でもこれだけは聞かせてください。メルマのこと…………好きですか?」


夢野マナカ

「私は…………正直なところ…………メルマのことは嫌いです。私は穏やかに過ごしたかった…………。」


真瀬莉緒

「穏やかに…………?……………………。」


僕は色々と考え込んだが…………。


真瀬莉緒

「今日はもう、部屋に戻りましょう。そろそろ先生に怒られます。」


夢野マナカ

「…………はい。」


夢野さんは微笑み、僕たちはその場をあとにした。

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