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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 不知火カイル編
304/353

第3章 白い平穏へ(不知火カイル編)中編

光が消えると、虹谷と言う人はいなくなっていた。


真瀬志奈

「一体何だったんだろう…………?」


我に返ると、また誰かに見られる可能性があることを思い出し、私は急いで部屋に戻る。



六郭星学園寮 志奈・マイカの部屋



真瀬志奈

「戻りました。」


冬原マイカ

「ああ、志奈。おかえり。」


冬原さんは優しく迎え入れてくれた。


真瀬志奈

「あの…………サイトのことなんですけれど。」


冬原マイカ

「どうやら気づいてしまったようだねぇ…………。でも、そっちの方が助かるかもしれないわねぇ。」


真瀬志奈

「冬原さんは知っていたんですか?」


冬原マイカ

「ええ。知りたくはなかったけど…………ね。」


真瀬志奈

「そうですか…………。」


冬原マイカ

「私は、あれがカイルのことだとは、まだ信じていないわ。」


真瀬志奈

「……………………。」


冬原マイカ

「志奈。本当にこれで良いのかい?」


真瀬志奈

「私は…………。」


扉が開く音がする。再び、本音を言うことはできなかった。


間宮舞来

「ああ…………やっぱりここにいたんですね。…………真瀬さん。」


真瀬志奈

「間宮先生…………。」


間宮舞来

「報告です。…………彼の退院が決まりました…………。」


真瀬志奈

「不知火さんがですか!良かった…………。」


間宮舞来

「一度、あなたに会いたいと言っています。…………2人きりで。」


真瀬志奈

「2人きりで…………ですか?」


間宮舞来

「会ってあげてください。きっと…………。」


真瀬志奈

「きっと…………?」


間宮舞来

「いえ…………大丈夫です。…………では、失礼します。」


間宮先生は部屋から出て行った。


真瀬志奈

「良かった…………。不知火さんにもまた会えますし…………。お別れの挨拶もできます。」


冬原マイカ

「そう…………。」


真瀬志奈

「では、私はこの辺で寝ます!退院日が楽しみです!」


冬原マイカ

「ええ…………おやすみ。」


私は眠りについた。


そのあとも、嫌がらせが続いたが私は屈せずに曲の制作も続けた。


数日が経ち、退院日の当日になった。



六郭星学園寮 莉緒・カイルの部屋



真瀬莉緒

「姉さん。いよいよだね。」


真瀬志奈

「ええ。不知火さんに会えるわね。」


真瀬莉緒

「姉さんとこの学園で会えなくなるのは寂しいけれど、家ではまた会えるからね。姉さんも頑張ってね。」


真瀬志奈

「ええ。ありがとう!」


そんな話をしていると、扉が開く音がする。


不知火カイル

「ああ…………志奈。莉緒。久しぶり。」


真瀬志奈

「不知火さん!お久しぶりです!」


真瀬莉緒

「久しぶり。カイル。」


不知火カイル

「会って早々申し訳ないけど、莉緒…………席を外してもらえるかな?」


真瀬莉緒

「僕…………?わかったけど…………。」


不知火カイル

「ありがとう。莉緒。」


真瀬莉緒

「じゃあ、姉さん。またね。」


真瀬志奈

「ええ。また。」


莉緒は部屋から出て行った。


2人きりになった。私と不知火さん。なんだかドキドキしている。


すると、不知火さんが思いもよらない話をする。


不知火カイル

「志奈。…………冬原さんから聞いたよ。あのサイトの話。」


真瀬志奈

「不知火さん…………あ、あれは…………。」


不知火カイル

「志奈!良いんだ…………もう全部知っている。」


真瀬志奈

「不知火さん…………。」


不知火カイル

「志奈!」


真瀬志奈

「きゃ!」


不知火さんは私を抱きしめる。


不知火カイル

「何もかも知っている。僕が狙われていること。そして、嫌がらせに遭っていることも!」


真瀬志奈

「………………。」


不知火カイル

「僕は、きみのそばにいたい。どんなことがあっても!」


真瀬志奈

「でも、私は…………通信制なって…………。」


不知火カイル

「行かせない!!」


不知火さんはさらに強く抱きしめる。


不知火カイル

「ほかの嫌がらせをしている奴らが転校すれば良い。僕が何とかする!」


真瀬志奈

「し、不知火さん…………。」


不知火カイル

「志奈。きみはどう思っているんだい?」


真瀬志奈

「わ、私は…………。」


ここで私は本当のことを言わないと…………成長できない。


真瀬志奈

「わ、私は…………ここに居たいです!嫌がらせには屈したくないです!!」


不知火カイル

「志奈!それで良いんだ!」


真瀬志奈

「不知火さん!私…………頑張ります。」


不知火カイル

「ああ…………ああ…………。」


こうして、決心した私は自分の部屋に戻り、眠りについた。



六郭星学園 Dクラス教室



内野タスク

「良かったです。不知火さんも無事に戻って来てくれて…………。」


不知火カイル

「心配をかけたね。…………ありがとう。」


根村ユウタ

「ああ…………。」


真瀬志奈

「今日からまた、一緒に授業を受けれますね。」


不知火カイル

「そうだね。志奈には本当に感謝だよ。」


真瀬志奈

「……………………。」


私はつい顔を赤らめてしまい、教室から出る。



真瀬志奈

「不知火さん…………。」


すると、頭に強い衝撃が走る。


真瀬志奈

「うう!?」


意識が遠のいてしまう。



真瀬志奈

「うーん…………ここは…………?」


私は腕と足をロープで縛られていた。辺りを見ると、森の中だった。


すると、1人の女子生徒がやって来る。


真瀬志奈

「あ、あなたは以前の…………!?」


その女子生徒は楽譜を破り捨てようとした、女子生徒だった。


女子生徒

「お前はアレのために、犠牲になってもらう…………。」


真瀬志奈

「やっぱり、あなた。懸賞金目当ての人間だったのね!!」


女子生徒

「そんなこと、関係ない。もうあなたは永遠の眠りにつくのだから…………。」


真瀬志奈

「くっ…………!」

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