第2章 グレーな日々のはじまり(不知火カイル編)後編
六郭星水族館
真瀬志奈
「ここが水族館…………!なかなかすごいところですね。」
辺り一面が、最先端のシステムでとても楽しそうだ。
内野タスク
「さて、まずはクマノミを…………。」
根村ユウタ
「同じく…………。」
2人はクマノミを見に行った。
不知火さんはベンチに座り、ボーっとしている。
真瀬志奈
「不知火さん?」
よく見ると、目にクマができている。
不知火カイル
「ああ…………ごめん。せっかく来たのに楽しまないとね。」
真瀬志奈
「大丈夫ですか…………?目にクマができてますけど…………。」
不知火カイル
「ああ…………うん。そうだね。」
真瀬志奈
「…………不知火さん。睡眠はちゃんと、とらないといけませんよ。莉緒も心配していました。」
不知火カイル
「莉緒が…………?うん…………気をつけるよ。」
真瀬志奈
「これは友達としてのお願いです。どうかお身体だけは大事にしてください。」
不知火カイル
「わかった…………ありがとう!心配してくれて。」
真瀬志奈
「友達ですから。心配するのは当たり前です。」
内野タスク
「2人とも、そろそろイルカショーが始まるので行きましょう!」
不知火カイル
「うん!今すぐ行くよ!志奈も行こうか。」
真瀬志奈
「はい!行きましょう!」
イルカショーを見に会場へ向かう。
すると会場に看板があった。
「満員により、入場できません。申し訳ございません。」
イルカショーは満員で入れなかった。
根村ユウタ
「満員か…………。」
真瀬志奈
「仕方ありませんね。他のところに行きましょう。」
内野タスク
「そうですね。じゃあ、クラゲでも見に行きましょう。」
根村ユウタ
「ああ…………。」
内野さんと、根村さんはクラゲのコーナーに向かった。
不知火カイル
「ふぅ…………。」
不知火さんはベンチに座ると、意識が遠のいたのかのように眠りだした。
真瀬志奈
「不知火さん…………。ふぅ。ゆっくり休んでくださいね。」
私は近くの水槽を見る、すると見覚えのある服装の人がいた。
真瀬志奈
「あれは学園の制服?」
なんとなく、あとを追ってみる。
その学生は気づいたのか、後ろを振り向く。
??
「どうしたの?…………あら。同じ制服ってことは、六郭星学園の?」
真瀬志奈
「はい。真瀬志奈と申します。」
錦戸アケミ
「私は錦戸アケミ(にしきど あけみ)。よろしくね。」
私は錦戸さんとあいさつを交わした。
錦戸アケミ
「この辺は私の好きなところでね。とても落ち着く場所なの。」
真瀬志奈
「そうなんですね。辺り一面、水色ですのでとても綺麗ですね。リボンの色も水色ですし…………水色がお好きなんですか?」
錦戸アケミ
「ええ。水色は好きよ。今日はここで課題の観察を行っているの。あなたも課題のペアがいるでしょ?」
真瀬志奈
「はい。不知火カイルさんと言う方と、課題のペアなので…………。」
錦戸アケミ
「不知火カイル…………。聞いたことあるわね。ああ、あのモテモテな男子生徒ね。」
真瀬志奈
「ああ、ご存じなんですか?」
錦戸アケミ
「ええ。彼は少し気をつけて。他の女子生徒たちからの嫉妬があるから。」
真瀬志奈
「この間も色々ありました…………。気をつけているつもりなんですが…………。」
錦戸アケミ
「そう…………。嫉妬で辛いかもしれないけれど頑張ってね。」
真瀬志奈
「はい…………。でも、錦戸さんは不知火さんには興味とか、ないんですか?」
錦戸アケミ
「わ、私は…………興味はないわ。ただ、心配ね。」
真瀬志奈
「そうですか…………。」
錦戸アケミ
「それじゃあ、そろそろ行くわ。水族館。楽しんでね。」
真瀬志奈
「はい。錦戸さんもお身体に気をつけてください。」
錦戸アケミ
「ええ。ありがとう。」
錦戸さんの身体に傷があるのを見た私は、つい傷のことを言った。気に障るかと思ったが、そうでもなかった。錦戸さんは微笑みながら、その場を離れた。
真瀬志奈
「さて…………不知火さんのところへ行こうかな?」
私は不知火さんが座っている場所へ向かった。
不知火さんがいるところへ戻ると、何やら騒がしい。
内野タスク
「ああ。真瀬さん!大変なことになりましたよ!」
真瀬志奈
「どうかしましたか!?」
根村ユウタ
「カイルが…………倒れた…………。」
真瀬志奈
「………………!?」
不知火さんが倒れた…………!?
真瀬志奈
「それで、不知火さんは!?」
内野タスク
「来川医療センターに運ばれました…………。」
そんな…………急いで行かないと…………!
そう思ったとき…………
ギギ……ガガ……
真瀬志奈
「えっ……!?」
この耳鳴りは……!?
ギギ……ガガ……
苦しい…………!
内野タスク
「ま、真瀬さん!?」
どんどん意識が遠のいていく…………
来川医療センター
目を覚ますとそこは病室だった。
??
「大丈夫ですか…………?」
声をかけてきたのは柳原悠香先生だった。きっと内野さんたちが学園に連絡したんだろう。
柳原悠香
「良かったです…………。お医者さんの判断では、もう戻って良いとのことです。ただ…………。」
真瀬志奈
「ただ?」
柳原悠香
「不知火さんは、少し入院することになったみたいです。」
真瀬志奈
「不知火さんがですか?」
柳原悠香
「ええ。しばらくは課題も1人でやってもらうことになるかもしれないけれど大丈夫ですか?」
真瀬志奈
「そう言うことでしたら、大丈夫です。頑張ります。」
柳原悠香
「ええ。それならそろそろ学園に戻りましょう。」
真瀬志奈
「はい。」
私は学園に戻ることになった。
六郭星学園寮 志奈・マイカの部屋
真瀬志奈
「ただいま戻りました。」
冬原マイカ
「志奈!大丈夫だったかい!?」
真瀬志奈
「ええ、大丈夫ですけれど、何かありましたか?」
冬原マイカ
「ええ…………ああ。今のところは大丈夫そうねぇ。」
真瀬志奈
「はぁ…………。」
冬原マイカ
「気をつけて。志奈がカイルを無理させたと思っている女子生徒たちからの嫌がらせが始まるかもしれない。」
冬原さんはいつになく真面目な様子で話す。相当なことだろう。
真瀬志奈
「ピンとはきませんが、頑張ります。」
冬原マイカ
「…………まあ、頑張って。」
真瀬志奈
「はい。では、私は作曲のアレンジを作ることにします。ベッドルームに行きます。」
冬原マイカ
「ああ、ちょっと、志奈!」
そう言って、私はベッドルームで作曲のアレンジを作ることにした。
ある程度のアレンジができた。不知火さんにも声優さんにも適した曲だ。
真瀬志奈
「不知火さんが退院したら聞いてもらおう。」
そうして、私は眠りについた。




