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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 冬原マイカ編
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第3章 緑の花火が夜空に舞い(冬原マイカ編)後編

人ごみをかき分けながら、僕たちはたこ焼き屋の屋台に着いた。


たこ焼き屋の店主

「はい。…………どうぞ。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。」


僕たちはたこ焼きを貰い、近くのベンチに向かう。


人混みがさらに激しくなる。


冬原マイカ

「こんできたねぇ…………。」


不知火カイル

「みんな、気をつけて…………。」


そのとき、イベントのアナウンスが流れる。


??

「みんな~!!イベント会場で始まるよ~!!」


メルマの声だった。その声にファンらしき人が、イベント会場に向かう。


それに飲み込まれてしまい、バラバラになってしまった。


僕はとにかく人ごみに巻き込まれないように、誰もいない木の木陰に避難した。


真瀬莉緒

「はぁ…………はぁ…………みなさんとはぐれちゃったな。」


あたりを見まわした。すると、すぐに冬原さんに会うことができた。


真瀬莉緒

「冬原さん!」


冬原マイカ

「ああ、莉緒。無事に会えて良かったよ。」


真瀬莉緒

「でも…………他のみなさんとはぐれましたね…………。」


すると、僕のお腹の音が鳴る。


僕たちの手にはたこ焼きがあることを思い出した。


真瀬莉緒

「たこ焼き…………食べましょうか。」


冬原マイカ

「そうだねぇ。食べようか。」


僕たちは建物の裏でたこ焼きを食べる。


真瀬莉緒

「うん…………美味しい。でも…………熱い。」


冬原マイカ

「それじゃあ、冷ましてあげるよ。」


そう言って、冬原さんは僕のたこ焼きを冷ます。


冬原マイカ

「ふぅ…………ふぅ…………。」


冬原さんの吐息で冷ましている。しかし、たこ焼きの青のりが僕の顔にかかった。


真瀬莉緒

「うわ…………。青のりが…………。」


冬原マイカ

「あら…………大変。ん…………。」


真瀬莉緒

「冬原さん…………!?あ…………すみません。」


冬原さんは黒いハンカチで顔を拭いてくれた。


冬原マイカ

「うん…………大丈夫。これで、もう顔にはついてないわよぉ。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。…………その…………。」


すると、裏から音楽が流れた。


真瀬莉緒

「あれ…………もしかして、ここは舞台裏…………?」


冬原マイカ

「そうだねぇ。見に行ってみるかい?」


真瀬莉緒

「そうですね。せっかくですので行きましょう。」


大回りをして、舞台を見に行く。舞台が見えると、そこには…………。


真瀬莉緒

「あっ、あの人は今度楽曲を作成する声優さん!?」


冬原マイカ

「そうみたいだねぇ。おや?…………こっちに誰か来たわよ。」


??

「あの…………真瀬莉緒さんですよね。私、あの方のマネージャーをやっています。」


真瀬莉緒

「あっ、どうも。真瀬莉緒です。こちらは今回の楽曲に協力していただいている、冬原マイカです。」


冬原マイカ

「冬原です。よろしくお願いします。」


冬原さんはいつもより控えめに挨拶をする。


真瀬莉緒

「それで…………こちらに来た理由は?」


マネージャー

「もし、可能でしたら今回の楽曲を聞きたいのですが…………。」


真瀬莉緒

「ああ…………すみません。データを今、持っていなくて…………。」


マネージャー

「そうですよね…………すみません。早とちりしましたね。」


すると、冬原さんは大胆な発言をする。


冬原マイカ

「早とちりじゃないですよ。もし可能なら、ここで演奏を録音すれば良いんですよ。」


真瀬莉緒

「ここでですか!?…………いや、それは名案かもしれません。やりましょう。」


マネージャー

「本当ですか?ありがとうございます。では、本人を呼んできます。みなさんは裏へお願いします。」


僕たちは言われるがままに舞台裏に入る。



舞台裏に行くと、冬原さんの得意な楽器が幸いにもあった。


しばらくすると、こちらに声優さんもやって来る。


真瀬莉緒

「本日はお忙しい中、ありがとうございます。今から演奏します。聞いていただけると幸いです。」


声優さんは頷く。それを見て、僕は冬原さんを見る。


冬原マイカ

「準備はできているわよ。莉緒。」


真瀬莉緒

「はい。…………では。」


僕たちは合図を出して演奏を始めた。



演奏を終えると、声優さんは拍手をしてくれた。それを見て、僕はホッとする。


真瀬莉緒

「ありがとうございます。」


冬原マイカ

「すみません。歌詞になります。こちらを…………。」


冬原さんは歌詞の書いた紙を渡す。声優さんはその歌詞を見る。歌詞を見終えると、冬原さんと声優さんは見つめ合う。


真瀬莉緒

「……………………。」


しばらくして、声優さんは微笑んだ。


どうやら、満足したみたいだ。


冬原マイカ

「ありがとうございます。」


冬原さんも少し安堵した様子がうかがえた。


真瀬莉緒

「では…………お忙しいと思いますので、僕らはこの辺で失礼します。」


マネージャー

「ありがとうございました。この曲を大切にします…………!」


マネージャーさんは頭を下げる。そのあとに声優さんも頭を下げる。


僕たちも一礼をして、屋台のあるところへ戻る。



屋台のある所へ戻った。僕たちはみなさんを探す。


真瀬莉緒

「みなさんは…………あっ。」


木沢アカリ

「あ!莉緒くん!良かったー!みんな無事に合流できたね!」


内野タスク

「本当ですね。良かった…………。」


根村ユウタ

「ああ…………。」


不知火カイル

「その様子だと、声優さんの舞台に行っていたみたいだね。」


真瀬志奈

「と言うことは、あの件も聞いてきたの?」


真瀬莉緒

「うん。無事に提供することができたよ。」


そう言うと、姉さんはホッとする。


真瀬志奈

「良かった…………。」


夢野マナカ

「時間も時間ですし、そろそろ…………。」


夢野さんがそう言ったとき、夜空に緑色の打ち上げ花火が上がる。


不知火カイル

「すごいね!最高の花火だ!」


花火は僕たちを祝福するように上がる。それを見て、僕と冬原さんは笑みを浮かべる。


僕たちは緑色の花火を見て、学園に戻る。


学生生活も残りわずか、楽しんでいこう!

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