第2章 イエロータンバリンを叩いて(冬原マイカ編)後編
六郭星学園 Jクラス教室
食堂から戻ったら、急激な眠気に誘われ眠りにつき、目が覚めるとちょうど良い時間だったので教室に行くことにした。
真瀬莉緒
「まだ、誰もいないかな?」
教室に入ると、夢野さんがいた。何かをしていたようだ。
真瀬莉緒
「夢野さん。おはようございます。」
夢野マナカ
「あ、おはようございます…………。」
真瀬莉緒
「……………………。」
夢野マナカ
「……………………。」
真瀬莉緒
「あの、何か…………?」
夢野マナカ
「いえ、そちらこそ何か…………?」
真瀬莉緒
「いえ…………そういえば、夢野さんとはあまり話したことなかったですね。」
夢野マナカ
「そうですね…………。何かきっかけがあれば良いのですが…………。」
真瀬莉緒
「それもそうですね。木沢さんと冬原さんも誘ってどこかに行きますか?」
夢野マナカ
「名案ですね。…………放課後にカラオケに行きましょうか。」
真瀬莉緒
「おお!夢野さんの歌、聞いてみたいです。」
夢野マナカ
「…………では、放課後。よろしくお願いいたします。」
真瀬莉緒
「はい。よろしくお願いします。」
そんな話をしていると、木沢さんも冬原さんも登校してきた。
2人に事情を話すと、喜んで参加すると言ってくれた。
そして、僕たちは授業を聞いて、放課後になった。
カラオケボックス
僕たちはカラオケボックスについた。早速、誰が歌うか話し合った。まずは僕が歌うことにした。
僕は有名な王道アニメソングを歌った。冬原さんは黄色いタンバリンを叩き、合の手を入れる。
次に木沢さんが歌う。木沢さんは人気アイドルの曲を歌う。
僕は冬原さんと一緒にタンバリンを叩く。とても楽しい。
冬原マイカ
「それじゃあ、次は私だねぇ。」
冬原さんはロックな曲を歌った。とても楽しそうに歌っている。
僕はタンバリンは叩かずに、聞くことにした。
真瀬莉緒
「冬原さん、すごいです!歌がお上手なんですね。」
冬原マイカ
「ありがとうねぇ。次はマナかの番だよ。聞かせてくれるかい?」
夢野マナカ
「はい…………では。」
夢野さんが曲を入れる。メルマと双璧をなす、有名なVtuberの曲だ。これは楽しみだ。
夢野さんが歌うと、僕と木沢さんはタンバリンやマラカスを使って楽しんだ。
楽しいと思っていたら、冬原さんを見ると、不思議な様子で見ていた。
僕もじっくりと聞いてみると、どこか聞いたことのあるような声だった。
真瀬莉緒
「これって…………?うーん…………?」
考え込んでいると、曲が終わった。夢野さんは歌い切り、満足している。
夢野マナカ
「ありがとうございました…………。久々に歌うと、楽しいですね。」
木沢アカリ
「うん!楽しいねー!ウチも満足だよ!」
冬原マイカ
「そうだねぇ。とても楽しいよ。」
木沢アカリ
「でも、マイカは何か考え込んでいていたけれど。何かあったの?」
冬原マイカ
「ああ、それはねぇ。作曲のアレンジが閃いたからだよ。」
真瀬莉緒
「アレンジですか!ぜひ聞かせてください!」
冬原マイカ
「幸いここにはピアノが置いてある。莉緒。私のアレンジを聞いて、マネしてほしいんだ。」
真瀬莉緒
「わかりました。では、お願いします。」
僕はピアノの前に立ち、冬原さんのアレンジを見よう見まねで聞いて演奏する…………。
演奏が終わった。とても良いアレンジだった。
真瀬莉緒
「さすがです…………!素晴らしいです!冬原さん、これで行きましょう!」
冬原マイカ
「本当かい!ありがとうねぇ。そう言われると嬉しいよ。」
木沢アカリ
「何か、決まったみたいでよかったね!応援しているからね。」
夢野マナカ
「私もです。…………応援しております。」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。…………頑張ります!」
冬原マイカ
「……………………。」
カラオケの時間が終わり、僕たちは学園に戻ることにした。
六郭星学園 ロビー
学園に戻ると、何かざわついていた。
真瀬莉緒
「なんだ…………?」
掲示板には何かが貼り出されていた。
夢野マナカ
「…………行方不明者、続出?」
木沢アカリ
「何かがあったみたいだね…………。気を付けないと。」
貼り紙の近くには、夜坂さんと、柊木アイ(ひいらぎ あい)さんがいた。
夜坂ケント
「……………………。」
柊木アイ
「何か考え込んでいるね。」
夜坂ケント
「ああ。ちょっとな…………。」
柊木アイ
「うーん…………。僕も色々、考えることがあるよ。前を向かないとね。」
夜坂ケント
「そうか…………頑張れよ。」
そう言って、夜坂さんと柊木さんは寮の部屋に行った。
真瀬莉緒
「ここでたむろしてもあれですし、僕たちも寮へ戻りましょう。」
冬原マイカ
「そうだねぇ。マナカ、アカリ。ちょっと先に寮に戻ってくれない?」
木沢アカリ
「わかったよー!じゃあ、マナカ。行こうか!」
夢野マナカ
「はい…………。お気をつけて。」
木沢さんと夢野さんは寮へ戻った。
残った、僕と冬原さん。冬原さんは僕に質問を投げかける。
冬原マイカ
「ねぇ。莉緒はマナカの歌を聞いてどう思ったんだい?」
真瀬莉緒
「夢野さんの歌声ですか?はい…………。実は、どこかで聞いたことのある声だなとは思いました。」
冬原マイカ
「そうかい。…………それだけだよ。」
真瀬莉緒
「冬原さん?何かあるんですか?」
冬原マイカ
「気にしないでおくれ。時がたてば話すよ。」
真瀬莉緒
「…………そうですか。わかりました。」
僕は寮へ戻る。冬原さんと夢野さんのことを考えながら。
寮の部屋まで戻るのに、いつもより足取りが重かった。
六郭星学園寮 莉緒・カイルの部屋
真瀬莉緒
「戻りました…………。」
不知火カイル
「ああ。おかえり…………。」
不知火さんはまた、手紙を読んでいた。顔色を悪くしながら。
真瀬莉緒
「不知火さん?…………大丈夫ですか?調子が悪そうに見えますが?」
不知火カイル
「うん…………なんだかね…………。今日はもう横になるよ。」
真瀬莉緒
「それが賢明だと思います。おやすみなさい。」
不知火カイル
「おやすみ…………。」
不知火さん…………。大丈夫なのだろうか?
様々な不安を抱えながら、僕は寝ることにした。




