表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 冬原マイカ編
289/359

第2章 イエロータンバリンを叩いて(冬原マイカ編)中編

六郭星学園 音楽室



冬原マイカ

「なるほどねぇ…………これが課題のコンセプト…………。」


僕は冬原さんに課題のコンセプトの曲を聞いてもらった。


とても嬉しそうに曲を聞いていた。


真瀬莉緒

「どうですかね…………?これで良ければですが…………。」


冬原マイカ

「…………他にも何かありそうだねぇ。聞かせなさい。」


真瀬莉緒

「はい…………実はですね…………。」


僕は声優さんにこの曲を提供することを話した。ちなみに曲を課題で演奏することに関しては許可を取っている。声優さん本人には了承済みだ。


冬原マイカ

「なるほどねぇ…………。顔を見せておくれよ。」


真瀬莉緒

「ああ、はい。こちらです。」


冬原マイカ

「お。この声優さんは…………!」


冬原さんは声優さんの顔と名前を見ると驚いた。


真瀬莉緒

「冬原さん…………?どうされましたか?」


冬原マイカ

「ああ…………気にしないでおくれ。うん…………いいよ。この声優さんに曲を作ろうじゃないか。」


真瀬莉緒

「あ、ありがとうございます。では、何かアレンジとかあればおっしゃってください。2人で作る曲ですから。」


冬原マイカ

「そうだねぇ。何かあれば言うよ。莉緒もありがとうねぇ。」


真瀬莉緒

「いえ…………では、今日はもう切り上げましょうか。」


冬原マイカ

「そうだねぇ。じゃあ、私は出かけるよ。」


真瀬莉緒

「はい…………お気を付けて。」


僕たちは練習を切り上げて、それぞれ寮の部屋に戻った。



六郭星学園寮 莉緒・カイルの部屋



真瀬莉緒

「戻りました…………。」


不知火カイル

「ああ。おかえり。」


不知火さんは大量の手紙を読んでいた。女子生徒たちからの手紙だろう。その手紙を丁寧に1通ずつ読んで、お返しもしている。不知火さんが好かれている理由の1つはこれだろう。


不知火カイル

「ああ…………ごめんね。女子たちからの手紙を読んでいたんだ。みんな、素敵な手紙だよ。」


真瀬莉緒

「そうなんですね。そんな手紙をいただけるなんて羨ましいです。」


不知火カイル

「うん…………ふぅ…………。」


真瀬莉緒

「不知火さん?」


不知火カイル

「ごめん。単純に疲れているんだ…………。」


真瀬莉緒

「そうなんですか…………。」


そういえば、不知火さんは最近、痩せたような…………。


真瀬莉緒

「不知火さん、少し横になってみては?」


不知火カイル

「そうするよ。…………その前に、冬原さんとの課題はどうなったの?」


真瀬莉緒

「ああ、冬原さんにはちゃんと課題の曲を聞いてもらいました。協力をしてくれるみたいです。」


不知火カイル

「そうか…………それなら良かったよ。それじゃあ、少し眠りにつくことにするよ。」


真瀬莉緒

「はい…………。おやすみなさい。」


不知火さんはベッドルームに入った。僕は空腹になったので食堂に行くことにした。



六郭星学園 食堂



真瀬莉緒

「はぁ…………お腹空いたな…………。」


女子生徒A

「ひどい…………!こんなのって…………!」


真瀬莉緒

「……………………?何があったんだ?」


うずくまっている女子生徒を見下ろしていたのは、春井リカコ(はるい りかこ)だった。血も涙もない、ただただ冷酷な女。


春井リカコ

「何してるの…………邪魔。」


うずくまっている女子生徒に吐き捨てる。どうしてそこまでのことができるのだろう?


すると、愛森宇蘭(まなもり うらん)先生が顔色を変えてやって来た。


愛森宇蘭

「春井さん!!あなたって人は…………!職員室に来なさい!」


春井リカコ

「…………あなたのせいよ。こんなことになったのは。」


すると、後ろから男子生徒がやってきて、春井さんを平手打ちをする。


春井リカコ

「くっ…………!」


平手打ちしたのはEクラスの夜坂ケント(よるさか けんと)さんだった。


夜坂ケント

「やめろ…………。これで少しは懲りるんだな。」


春井リカコ

「……………………。」


他の先生もやって来て、春井さんは連れていかれた。


愛森宇蘭

「夜坂くん。今回は見逃すけれど、手を上げるのは良くないわよ。気を付けてね。」


夜坂ケント

「わかっています。みんなもすまない…………。」


夜坂さんは頭を下げて、食堂をあとにした。


愛森宇蘭

「はい。関係のない人は、またご飯でも食べて!ここはご飯を楽しむ場。みんなも切り替える!」


愛森先生は生徒の気持ちを切り替え、食堂から出て行った。


真瀬莉緒

「さて…………僕もご飯を食べようか。」


食券を買うために並ぶと、後ろから聞き覚えのある声がした。


冬原マイカ

「おやぁ。莉緒じゃないか。さっき以来だね。」


真瀬莉緒

「冬原さん。用事は終わったんですか?」


冬原マイカ

「まあね。それよりもご飯を食べるんだろう?」


真瀬莉緒

「そうでした。よろしければ一緒にどうでしょうか?」


冬原マイカ

「そうさせてもらうよ。色々と話すことがあるからねぇ。」


僕たちは食券を買い、席に座る。


冬原マイカ

「さて…………。莉緒。曲のことで相談があるんだけど…………。」


真瀬莉緒

「大歓迎です。ぜひ聞かせてください。」


冬原マイカ

「曲なんだけど、莉緒の負担が多い気がしてね…………。歌詞も書くのかい?」


真瀬莉緒

「あっ…………そうですね。歌詞も書かせていただきます。」


冬原マイカ

「よければ、私に書かせてくれないかい?あの声優さんに歌詞を提供してみたいんだ。」


真瀬莉緒

「なるほど…………歌詞ですか…………。」


せっかくの冬原さんからの案だ。どんな歌詞を書くのかも気になる。


真瀬莉緒

「わかりました。歌詞はお任せします。」


冬原マイカ

「ありがとね。とびっきりの良い歌詞を作るよ。」


真瀬莉緒

「期待しています。僕も良い作曲にしたいと思います。」


冬原マイカ

「色々と楽しみにしているよぉ。」


真瀬莉緒

「はい。ありがとうございます。お互いに頑張りましょう!」


冬原マイカ

「もちろんだよ。頑張ろうねぇ。」


お互いに励ましあって、僕たちは食堂のご飯を食べ終えて、それぞれの寮に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ