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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 内野タスク編

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第4章 桃色のクッキーを(内野タスク編)前編

冬。楽曲の完成はできた。あと残っている学校行事は、期末テスト。課題発表。卒業式。何よりも大切なのは期末テスト。六郭星学園のテストは1年に1回しか行われない。しかもそのテストは1年間に学んだものが出題範囲になっている……つまりはかなり膨大な範囲のテストが行われる。この時期には体調は崩せないのだけど…………。



六郭星学園寮 莉緒・タスクの部屋



内野タスク

「はぁ…………はぁ…………。」


真瀬志奈

「大丈夫ですか?…………私の風邪が移ったかもしれません…………。すみません。」


真瀬莉緒

「タスク…………無理しないで。」


内野タスク

「すみません。こんなことに巻き込んでしまって…………。」


真瀬志奈

「いえいえ!私のときもお見舞いを色々としてくれたのでお返しです!今日はおかゆを作ってきました。」


私はおかゆをスプーンですくい、内野さんの口元に近づける。


内野タスク

「えっ…………真瀬さん?」


真瀬志奈

「これくらいやらせてください。はい。あーん。」


内野タスク

「本当にすみません…………。では…………。」


内野さんはおかゆを食べる。


味をとにかく味わいながらおかゆをかみしめていた。


内野タスク

「とても美味しいです…………。こんな美味しいものは久しぶりです…………!」


真瀬志奈

「良かったです…………。食べれるところまで食べましょう。」


内野タスク

「はい。いただきます。」


真瀬莉緒

「ぼ…………僕は出かけるよ。2人の時間…………大切にしてね。」


そう言って、莉緒はベッドルームから逃げるように出て行った。


真瀬志奈

「何かあったんですかね?莉緒…………。」


内野タスク

「まあ、色々とあるんですよ。…………おかゆ。ごちそうさまでした。」


真瀬志奈

「ああ。完食できて良かったです。その様子なら、2日、3日で回復できそうですね。」


内野タスク

「はい。色々とあった分。テストも課題も突き進んでいきましょう!」


真瀬志奈

「その調子です!では、私もこの辺で失礼しますね。お身体を大切にしてください。」


内野タスク

「ありがとうございます。」


私は内野さんの部屋をあとにした。



六郭星学園 廊下



真瀬志奈

「とりあえずは大丈夫そうね…………内野さん。」


このまま、内野さんが期末テストを受けれないことに不安があったが、あの状態なら参加できそう。私は安堵した。


すると、頭がふらっとする。


真瀬志奈

「あれ…………?なんか変…………?」


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


この耳鳴りは……!?


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


私はその場に倒れ込んだ。



六郭星学園 保健室



目を覚ますと、保健室だった。隣には間宮先生がいる。


間宮舞来

「目が覚めました?…………大丈夫でしたか?…………廊下で倒れていたのを、私の生徒が発見したんです。」


真瀬志奈

「間宮先生…………すみません。」


間宮舞来

「気にしないでください…………。無理はしてない…………ですよね。」


真瀬志奈

「はい…………大丈夫だと思います。」


間宮舞来

「そうですか…………課題も、テストも頑張ってください。」


真瀬志奈

「あ、ありがとうございます。では、失礼します。」


私は保健室をあとにし、寮の部屋に向かった。



六郭星学園寮 志奈・アカリの部屋



木沢アカリ

「あっ!志奈!大丈夫だった!?」


木沢さんは私が部屋に入るとすぐに心配をしてくれた。


真瀬志奈

「大丈夫です。心配をかけてしまいましたね…………。」


木沢アカリ

「良かった…………友達なんだから、無理なときは無理って言って!」


真瀬志奈

「木沢さん…………!ありがとうございます。」


木沢アカリ

「うん!それじゃあ、お風呂入って来るから!先に寝てて!」


真瀬志奈

「あ…………はい。ゆっくりします。」


私は、期末テストの勉強をして、眠りについた。



六郭星学園 Dクラス教室



内野タスク

「ふぅ…………。ご心配をおかけしました。」


真瀬志奈

「無事に回復してよかったです。」


あれから数日。内野さんの風邪も治り、今は放課後なので期末テストの勉強をしている。


不知火カイル

「しかし、範囲が多すぎて勉強は難しいよ。何か得策はないかい?」


根村ユウタ

「…………ない。」


不知火カイル

「そうだよね…………ユウタの言うとおりだ。」


真瀬志奈

「頑張って勉強しましょう。内野さんも今、集中して勉強してますよ。」


内野タスク

「……………………。」


真瀬志奈

「内野さん……………………?」


内野タスク

「えっ…………ああ。すみません。気づきませんでした。」


真瀬志奈

「……………………。」


内野タスク

「少し、焦っているようです。風邪をひいたので、みなさんとは差がついたんじゃないかと思い…………。」


真瀬志奈

「内野さん。」


私は内野さんの手を握る。


真瀬志奈

「大丈夫です。私は内野さんがどれだけ頑張ったのかを知っています。焦らずにゆっくり行きましょう!」


内野タスク

「真瀬さん!」


不知火カイル

「さすがだね。それでこそ志奈だ。タスクも頑張っているのはみんな知っている。諦めずに頑張って行こう!」


内野タスク

「みなさん!ありがとうございます。おかげで頑張れそうです!」


内野さんにも自信がついてきたようだ。私も頑張らないと。


私たちは必死に勉強を重ねた。


そのあと、Jクラスのみなさんも合流し、8人で勉強を始める。


木沢アカリ

「タスク!快調に進んだみたいね!良かった。」


内野タスク

「木沢さん…………ご心配をおかけしました。」


木沢アカリ

「莉緒くんも志奈もみんな心配していたんだからね!もう、無茶しないでね!」


内野タスク

「……………………はい。」


内野さんは微笑んだ。


冬原マイカ

「それじゃあ、改めて勉強しないとねぇ。」


夢野マナカ

「そうですね…………勉強しましょう。」


真瀬莉緒

「そうだね。きっとみんな大丈夫だよ!良い結果になるよ!」


真瀬志奈

「ええ。莉緒の言う通りです。頑張りましょう!」


そうして、黙々と勉強を再開する。


そして、その日がやって来る。

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