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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 内野タスク編
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第3章 浅葱色のパジャマ(内野タスク編)後編

六郭星学園 音楽室



翌日…………私は内野さんにアレンジした楽曲を聞いてもらった。


内野タスク

「おお…………これがアレンジした曲…………。素敵です。」


真瀬志奈

「あ、ありがとうございます!」


内野タスク

「演奏できるかな…………?とりあえず、弾いてみます。」


内野さんはアレンジした楽曲を演奏する。…………難しいのか、演奏にミスがところどころにある。


内野タスク

「難しい…………。これは練習が必要ですね。頑張ります。」


真瀬志奈

「はい。内野さんならきっとできます!頑張りましょう!」


私は内野さんと一生懸命に練習を積み重ねる。しかし、なかなか上達はしない。初日だから仕方がないかもしれない。


真瀬志奈

「一旦切り上げましょうか?」


内野タスク

「そうですね…………。休憩しましょう。申し訳ないです…………。」


真瀬志奈

「大丈夫ですよ。きっと、なんとか…………。あれ…………?」


一瞬、めまいがした。頭がフラフラする。


内野タスク

「真瀬さん?…………熱があるんじゃないですか?」


真瀬志奈

「そんな…………。まさか…………。」


言われてみると身体が熱い。仕方なく私は寮に戻ることにした。



六郭星学園寮 志奈・アカリの部屋



私は体温計で熱を測る。案の定、熱が出ている。


真瀬志奈

「39度…………。」


相当な高熱だ。これはゆっくり休まないと。


真瀬志奈

「内野さん…………申し訳ないです。」


私は眠りにつくことにした。




しばらくして目が覚めると、そこにおかゆが置いてあった。


真瀬志奈

「あれ…………?木沢さんかな?」


とにかくありがたい。私はおかゆを食べる。


真瀬志奈

「美味しい…………。」


おかゆを食べ、私はまた眠りにつく。


…………そして、1週間が経ち、ようやく平熱になってきた。


真瀬志奈

「ふぅ…………身体が軽い。」


毎日毎日、おかゆだったり、うどんやそうめんがあった。木沢さんが作ってくれたんだろう。私は木沢さんにお礼を言うことにした。


部屋の共同スペースに入ると、木沢さんがいた。


木沢アカリ

「あっ、志奈。熱が下がったんだね!良かった…………。」


真瀬志奈

「木沢さん。ありがとうございます。色々とおかゆだったりと作っていただき…………。」


お礼を言うと、木沢さんは後ろめたさを感じていた。


真瀬志奈

「木沢さんじゃないんですか?」


木沢アカリ

「あれはね…………タスクが用意してくれたものなの…………。成瀬先生から許諾を得て、色々とね。」


真瀬志奈

「内野さんが!?…………それで、内野さんは?」


木沢アカリ

「音楽室で成瀬先生と練習をしているはず…………。」


真瀬志奈

「…………そうだったんですね。私、行ってきます。」


木沢アカリ

「あっ、志奈!」


私は音楽室へ向かった。



六郭星学園 音楽室



音楽室に入ると、内野さんがいた。成瀬先生もいる。


真瀬志奈

「内野さん…………。すみません…………色々と。ありがとうございます。」


内野タスク

「真瀬さん…………お礼はありがとうございます。ただ…………。」


真瀬志奈

「ただ?」


内野タスク

「その…………パジャマのままですよ…………。」


真瀬志奈

「あっ…………。」


成瀬先生もため息交じりの呆れた笑みを浮かべている。


成瀬実

「今日は仕方ありませんが、気を付けてくださいね。…………彼、とても演奏が上手くなりましたよ。聞いてみてください。」


真瀬志奈

「はい…………では…………。」


私は浅葱色のパジャマを着たままだが、内野さんの演奏を聞いてみる。


内野タスク

「はい…………では。」


内野さんが演奏を始める。


…………すごい。ミスがない。完璧に仕上がっている。


私は思わず拍手をしていた。


真瀬志奈

「すごい…………すごいです!」


内野タスク

「あ、ありがとうございます。では…………。真瀬さん。着替えてからで良いので、一緒に演奏をしてくれませんか?」


真瀬志奈

「もちろんです。では…………着替えてきます。」


私は寮に戻って、急いで着替えて音楽室に戻る。




真瀬志奈

「ふぅ…………。お待たせしました。では…………。」


成瀬実

「……………………。」


私たちはアレンジした楽曲を演奏する…………。



演奏を聞いていた成瀬先生は拍手をしてくれた。


成瀬実

「素晴らしいですね…………!2人とも素晴らしいです!」


真瀬志奈

「ありがとうございます。内野さん頑張りましたね。」


内野タスク

「いえ、真瀬さんのおかげです。ありがとうございます。」


すると、成瀬先生はうしろを振り向く。


成瀬実

「いかがでしょうか。うちの生徒の楽曲は?こちらを採用していただけますでしょうか?」


真瀬志奈

「えっ…………!?あなたは…………!?」


成瀬先生が声をかけたのは、作曲の依頼を私にお願いをしてくれた声優さんだった。


真瀬志奈

「お会いできて光栄です。こちらは内野タスクさん。今回、作曲のサポートをしていただきました。」


内野タスク

「はじめまして。内野タスクです。よろしくお願いいたします。」


声優さんは頷いてくれた。そして、内野さんと握手をしてくれた。


内野タスク

「ありがとうございます。僕はあのアニメが好きなんです。」


声優さんはまた頷いて笑みを見せてくれる。どうやらこの地域で仕事があり、私の作曲の進捗状況を確認してくれたみたいだ。とても嬉しいし、ありがたい。


しばらくして、私は本題に入る。


真瀬志奈

「どうですか?この楽曲は…………歌ってくれますか?」


声優さんはしばらく考えている。そして、ゆっくりと笑みを浮かべて頷いた。


内野タスク

「ありがとうございます!とても嬉しいです!」


真瀬志奈

「ありがとうございます…………!」


私は声優さんに楽曲のデータを渡した。


成瀬実

「ところで、歌詞はできているんですか?」


真瀬志奈

「それは…………。」


すると、内野さんがとある紙を渡す。


内野タスク

「こちらが歌詞の書いた紙です。どうかよろしくお願いいたします。」


内野さん…………いつの間に。


声優さんはそれを受け取る。


そして、頭を下げて音楽室から出て行った。


成瀬実

「良かったですね。2人とも。」


真瀬志奈

「はい。本当に嬉しいです!内野さんの書いた歌詞が気になりますが…………。」


内野さんは何も言わない。


内野タスク

「楽しみにしていてください。この通りです。」


内野さんは頭を下げ、お願いした。


真瀬志奈

「わ、わかりました。」


どんな歌詞かはわからないけれど、内野さんのことだ。信じて良いかもしれない。


私は軽くなった身体で音楽室をあとにした。

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