第１章 茶色いボールをかごに入れ（内野タスク編）後編
六郭星学園寮
真瀬志奈
「ここが私の部屋か…………。」
パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが２部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に２人１組というのがこの寮のルールらしい。
そして、この部屋のパートナーというのが…………
木沢アカリ
「ウチがこの部屋のルームメイトになるんだね。」
真瀬志奈
「はい。１年間よろしくお願いいたします。」
木沢アカリ
「そんなにかしこまらないで大丈夫だよ！もっとリラックスして！」
真瀬志奈
「はい…………。……………………。」
木沢アカリ
「うーん。まあ良いや。追々、直していこうね！」
真瀬志奈
「あっ…………はい。」
木沢アカリ
「うん！それじゃあ、部屋も見たことだし、私はそろそろ遊びに行って来るね！じゃあ、またね！」
木沢さんは遊びに行った。明るい子だけど、大丈夫かな…………？
そんなことを思いながら、寮生活初めての夜を過ごした。
六郭星学園 Ｄクラス教室
教室に入る。誰もいない。しばらく自分の席で待っていることにした。
しばらくすると、内野さんが入って来た。
内野タスク
「あっ、おはようございます。」
真瀬志奈
「内野さん、おはようございます！」
内野タスク
「…………そういえば、。不知火さんが今日、遊びに行こうと言っているみたいですけど…………。真瀬さんもどうですか？僕も真瀬さんが良ければ仲良くなりたいです。」
真瀬志奈
「それは良いですね。どこに行くんですか？」
内野タスク
「確か、アウトレットモールですね。詳しくは不知火さんに聞いてください。」
真瀬志奈
「わかりました。それでは…………放課後にまた遊びましょう！」
内野タスク
「はい。お待ちしてます。」
次第にクラスメイトたちもやって来た。みなさん揃ったところで、間宮先生が教壇に上がる。
間宮舞来
「おはようございます。…………今日もよろしくお願いします。」
そんな挨拶から、ホームルーム、授業が行われ、放課後になった。
放課後になり、不知火さんが、私たちを呼ぶ。
不知火カイル
「それじゃあ、アウトレットモールに行こうか。仲良くなるためにもね。」
根村ユウタ
「ああ…………。」
内野タスク
「それじゃあ、行きましょうか。」
真瀬志奈
「はい。アウトレットモール…………楽しみです。」
私たちはアウトレットモールに向かう。
アウトレットモール
六郭星学園の近くのアウトレットモールにやって来た。とても人気があり、すぐに迷子になりそうだ。
不知火カイル
「人がいっぱいだ。はぐれないように、気をつけないと。」
根村ユウタ
「ああ…………。」
私たちは、広いところに行くことにした。
広いところに着くと、ベンチに座ることにした。
真瀬志奈
「ふぅ…………はぐれずに着きましたね。」
内野タスク
「そうですね…………。あれ？何かイベントが始まりましたよ。」
大広間のモニターを見ると、莉緒が好きなＶの綺羅星メルマ(きらぼし めるま)が映る。
綺羅星メルマ
「星々のみんな～！！今日は来てくれてありがとー！！」
そう言うと、たくさんの人が、モニターに近づいてくる。
私たちは人ごみに紛れてしまい、バラバラに抜け出す。
真瀬志奈
「はぁ…………。ようやく抜け出せた。」
バラバラに人ごみから抜け出したためか、みなさんとはぐれてしまった。
真瀬志奈
「どうしよう…………？とりあえず、合流しないと。」
内野タスク
「真瀬さん！」
真瀬志奈
「あっ…………内野さん！」
幸いにも内野さんと合流できた。
内野タスク
「良かったです。何とか再会できて。」
真瀬志奈
「私もです。どうしましょうか？」
内野タスク
「とりあえず、一緒に行きましょう。あの２人ならもしかするとゲームセンターにいるかもしれません。」
真瀬志奈
「本当ですか？内野さんがそう言うなら、急いで行きましょう。」
私たちはアウトレットモールにある、ゲームセンターに向かう。
ゲームセンターに来た私たちは、不知火さんを探すことに…………なるはずだったが。
内野タスク
「あっ。バスケットボール…………。」
内野さんはバスケットボールのゲームコーナーを見ている。私もバスケは好きだし、１回くらいやっても良いだろうと思い、内野さんに声をかける。
真瀬志奈
「１回やりますか？」
内野タスク
「良いですか？…………では、やりましょうか。」
スタッフから、アドバイスを受けて、私たちはバスケを始める。
たくさんの茶色いボールが私たちのところに転がって来て、ブザーが鳴り、ゲームが始まる。
私は急いで、ボールをかごに入れる。しかし、なかなか入らない。
となりの内野さんを見ると、正確な速さと投球でかごに入れる。
内野タスク
「ふぅ…………。」
気がつくと、内野さんはハイスコアをだしていた。
スタッフ
「おめでとうございます！商品を選んでください！」
内野タスク
「ではそのピンクのクッションをください。」
スタッフ
「はい！どうぞ！」
内野さんは桃色のクッションを貰った。
真瀬志奈
「良かったですね。クッションが欲しかったんですか？」
内野タスク
「いえ、ただ桃色のものが好きなんです。」
真瀬志奈
「桃色…………？」
すると、内野さんは話し始めた。
内野タスク
「僕は、桃色が色で１番好きな色なんです。鮮やかで、みんなに人気のある色なのでとても大好きな色です。ちなみに木沢さんも好きみたいです。」
真瀬志奈
「へえ…………そうなんですね。」
内野タスク
「と言うより、真瀬さん。バスケ苦手なんですか？」
真瀬志奈
「そうですね…………好きと上手は違いますね。」
内野タスク
「ちょっと、手を貸してください。」
私は内野さんから、アドバイスをもらう。
内野タスク
「ここをこうして、こう…………。すれば…………。」
真瀬志奈
「はい…………。」
私は、ボールを投げると、かごにボールが入った。
真瀬志奈
「わあ、入りました！ありがとうございます！」
内野タスク
「いえ…………良かったです。景品も貰えるみたいですよ。」
スタッフ
「はい！商品を選んでください！」
真瀬志奈
「では…………同じものをください。」
スタッフ
「はい！どうぞ！」
私は桃色のクッションを貰った。
真瀬志奈
「お揃いですね。」
何気なく、そんなことを言う。それに内野さんは照れていた。
内野タスク
「そんな…………ことは…………。」
そんな頬を赤らめる、内野さんの後ろから聞き覚えのある声が聞こえる。
不知火カイル
「２人ともここにいたんだね。探したよ。」
不知火さんと根村さんと無事に合流できた。
根村ユウタ
「ふぅ…………。」
不知火カイル
「その様子だと、楽しかったみたいだね。」
真瀬志奈
「……………………はい。」
私は素直に答えた。
不知火カイル
「良かった。…………時間も時間だし、学園に戻ろうか。」
内野タスク
「そうですね。今日はありがとうございました！」
内野さんは私にお礼を言う。
真瀬志奈
「いえ！こちらこそありがとうございました！楽しかったです！」
私もお礼を言って、学園に戻ることに。
六郭星学園寮 志奈・アカリの部屋
寮に戻ると、私は作曲に取り掛かった。今日の出来事である程度のフレーズがなんとなく頭の中でぼんやりと浮かんでいる。
私は、それを楽譜にまとめる。…………どれくらいの時間が経ったのか、私はフレーズをまとめ終わった。
真瀬志奈
「せっかくだから…………。」
私は同室の木沢さんに、書いた楽譜の演奏を聞いてもらうことにした。
木沢さんに事情を説明すると、喜んで聞いてもらうことになった。
真瀬志奈
「では…………。」
木沢アカリ
「聞かせて聞かせて！」
せかされながら演奏を始める。
演奏を終えると、木沢さんは拍手をしてくれた。
木沢アカリ
「すごいね！さすが志奈ちゃんだね！」
真瀬志奈
「ありがとうございます。」
木沢アカリ
「この楽曲を課題にして、声優さんに歌ってもらうなら、タスクくんに協力をしてもらうのもありね。」
真瀬志奈
「ええ。それも考えていました。内野さんに協力してもらうつもりです。」
木沢アカリ
「頑張ってね。不安が強い子だけど、演奏は本物だよ。」
真瀬志奈
「はい。ありがとうございます。」
内野さん…………協力してくれますかね…………？
