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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第5部 内野タスク編
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第1章 茶色いボールをかごに入れ(内野タスク編)前編

春。私はめざまし時計で目を覚ました。



??

「うっ…うーん…」


私の名前は真瀬志奈(まなせ しな)。この春に6つの高等学校が合併した、六郭星学園に通う高校3年生だ。


真瀬志奈

「私、今日から六郭星学園の生徒か…。」


今日から新たな友達と授業を受ける。そう思っただけでドキドキした。


真瀬志奈

「大丈夫…大丈夫…。」


私はそう言い聞かせながら支度をし、六郭星学園に向かった。




六郭星学園 校門


真瀬志奈

「ここが六郭星学園…」


??

「何か…すごいところだね。」


真瀬志奈

「えぇ。」


この子は真瀬莉緒(まなせ りお)。私の双子の弟。

莉緒もこの学園に通う高校3年生だ。


真瀬莉緒

「でも、合併して方針が変わって全寮制になるなんて思わなかったよ。」


真瀬志奈

「でも寝坊しなくなるんじゃない?」


私は笑顔でそう言った。弟は私にとって可愛い存在なのでついからかってしまう。


真瀬莉緒

「それ言わないでよ…。」


莉緒は照れながらそう言いました。

そういうところも可愛い。


真瀬莉緒

「…で、姉さんはどこのクラスだったの?」


真瀬志奈

「私は…Dクラスね。」


真瀬莉緒

「へぇ…俺はJクラスだったよ。バラバラになっちゃったね。」


真瀬志奈

「そうね。学校内でも会えるし、問題ないわよ。」


真瀬莉緒

「それもそうだね。じゃあ、そろそろ自分たちの教室行こう。」


真瀬志奈

「えぇ。」



六郭星学園 校内



真瀬志奈

「広い…。」


初めて入った校舎。6つの高校が合併した分、校舎もかなり大きい。


??

「あの…………すみません。」


真瀬志奈

「…………?どうかしましたか?」


声をかけてきたのは、桃色のネクタイを着けた男子生徒だった。


??

「Dクラスの教室はどこにありますか?」


Dクラス!この人と同じクラスね!


真瀬志奈

「Dクラスは私も…………」


同じクラスだと話そうとすると、後ろからまた男子生徒に声をかけられた。


??

「やあ、こんにちは!どうしたんだい?道に迷ったのかい?」


真瀬志奈

「い、いえ。大丈夫ですよ。お気遣いいただきありがとうございます。」


??

「そっか…………じゃあ、タスク。教室に行こうか。」


??

「あっ…………はい。同じクラスですか?」


??

「うん。Dクラスだよ。行こうか。」


男子生徒たちはDクラス教室に向かった。


真瀬志奈

「私も行かなくちゃ。」


私も始業のチャイムが鳴る前に、Dクラス教室に向かう。



六郭星学園 Dクラス教室



Dクラス教室に入ると、案の定さっきの男子生徒たちがいた。


??

「あっ、先程の方ですよね。同じクラスだったんですね。」


??

「同じクラスだったんだね。これからよろしく!」


真瀬志奈

「はい。よろしくお願いします。」


そう言うと、また新しい男子生徒がやって来る。


??

「……………………。」


真瀬志奈

「あ、あの。どうしましたか?」


??

「もう…………友達ができたのか…………。」


??

「そうだね。ユウタも友達になろうよ。」


真瀬志奈

「では…………お名前を教えてください。」


根村ユウタ

「根村ユウタ(ねむら ゆうた)…………。」


内野タスク

「自己紹介がまだでしたね。内野タスク(うちの たすく)です。」


不知火カイル

「不知火カイル(しらぬい かいる)。よろしくね。」


真瀬志奈

「真瀬志奈です。よろしくお願いします。」


この方たちと1年過ごすのか…………1年間よろしくお願いいたします。


するとチャイムが鳴り、自分の席に座る。

そして、先生が教室に入って来る。


??

「失礼します。」


落ち着いた様子で先生らしき人が入って来る。この人が担任の先生なのだろう。


成瀬実

「みなさんの担任を任されることになりました。成瀬実(なるせ みのる)と申します。よろしくお願いいたします。」


成瀬先生が自己紹介をするとクラスメイトたちは頭を下げる。


成瀬実

「ありがとうございます。そんなに怖気づいてしまうことはありません。」


そう言うと、しばらく黙り込んで再び話し出す。


成瀬実

「みなさんもご存じの通り、六郭星学園は6つの学校が1つになり、誕生いたしました。我々、先生方も戸惑いはありますが、真剣にみなさんの生活を見守ります。もちろん、みなさんも見慣れない人がいるかもしれませんが、1年間仲良くできるように頑張りましょう。」


成瀬先生の言葉に、クラスメイトは拍手をする。


成瀬実

「…………いきなりですが、みなさんには課題をやっていただきます。」


クラスメイトたちはざわつく。


成瀬実

「申し訳ありません。テーマは自由研究。来年の3月に発表をしてもらいます。2人1組。あるいは3人1組になり、自由研究をしてもらいます。公平性を保つため、パートナーはくじ引きで決めます。中にはカラーボールが入っています。この列から順番に引いてもらいます。」


そう言うとクラスメイトたちは次々とボールを引いていく。そして、私の順番が回ってきた。私はボールを引いた。ボールの色は…………桃色だった。


成瀬実

「みなさん引きましたね。じゃあ同じ色の生徒と組んでください。」


私は同じ色のボールを持った人を探す……

同じ色のボールを持っていたのは……。


内野タスク

「同じ色ですね。よろしくお願いいたします。」


真瀬志奈

「は、はい。よろしくお願いいたします。」


内野さんとだった。


この人と1年間のパートナーになるのか…………。


パートナーが決まったあと、自己紹介が始まった。

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