第２章 グレージュイヤホンを片耳に（木沢アカリ編）中編
六郭星学園 音楽室
大運動会から数日。僕たちは音楽室にいた。木沢さんと作曲のアレンジについて考えているためだ。
僕は木沢さんに作ったアレンジを聞いてもらう。
木沢アカリ
「うん！気に入ったわ！さすが莉緒くんだね！」
真瀬莉緒
「あ、ありがとうございます。」
木沢アカリ
「うん！じゃあ、このアレンジを演奏できるようにしようかな！」
真瀬莉緒
「そうですね。まずは演奏をしてみましょうか。基本のベースは木沢さんが作ってくれたんで多分、弾けるとは思います。」
木沢アカリ
「うん…………ちょっとやってみる。」
木沢さんは真剣な眼差しで演奏を始める。…………演奏は上手くいったようだ。
木沢アカリ
「やったね！上手く演奏できたわ！ウチ、嬉しい！」
真瀬莉緒
「良かったです。では…………練習しましょうか。」
木沢アカリ
「うん！頑張って、演奏をしましょう！」
僕たちはアレンジの演奏をひたすら行った。
…………いつの間にか夜になっていた。
真瀬莉緒
「こんな時間になっちゃいましたね。今日は切り上げて、食堂にでも行きましょうか。」
木沢アカリ
「そうだね！お腹空いたし、その意見には賛成ね。」
僕たちは楽器を片付けて、食堂へ足を運ぶ。
六郭星学園 食堂
食堂に行くと、そこには中二病を患っていることで有名な、美園エリカ(みその えりか)さんがいた。
美園エリカ
「ふふふ…………さすが、この料理…………私の血がうずくわ！」
美園さんはパスタを食べながら、そう言っている。
正直騒がしい…………。察したのか、遊馬雄三先生が、注意をする。
遊馬雄三
「美園。騒がしいぞ。少しは落ち着いて食事をしないか。」
美園エリカ
「し、失礼…………。」
美園さんは黙々とパスタを食べ始める。
落ち着いた、食堂で僕たちは甘口のカレーを食べることにした。
カレーは甘口だからか、とても黄色い。
僕は１口カレーを食べる。
甘くてとても美味しい。
真瀬莉緒
「うん…………なかなか美味しい。」
木沢アカリ
「そうだね。食堂のカレーも侮れないわね。莉緒くんはカレーは好き？」
真瀬莉緒
「はい。結構好きですよ。何かありましたか？」
木沢アカリ
「なら…………今度、カレーを作ってあげる！莉緒くんとのコミュニケーションも大切だからね。」
真瀬莉緒
「本当ですか！？では、お言葉に甘えて…………。」
木沢アカリ
「うん！ありがとう！それじゃあ…………食べましょう。」
真瀬莉緒
「はい。」
僕たちはカレーを食べて、食堂をあとにした。
それから、数日…………。
六郭星学園 Ｊクラス教室
今日は文化祭。年に一度のお祭りで、六郭星学園にとっては記念すべき最初の文化祭。
休み時間は騒がしい廊下も今日はずっと騒がしくなる。先生も生徒も関係なくお祭り騒ぎ。
Ｊクラスはたい焼きを行う。ただ、僕らはたい焼きを作ることなく、模擬店を回ることになった。
木沢アカリ
「莉緒くん！まずはどこに行こうか？」
真瀬莉緒
「そうですね…………。」
冬原マイカ
「みんなで回るんだからねぇ。マナカはどこに行きたいんだい？」
夢野マナカ
「そうですね…………Ｅクラスの劇を見てみたいです。」
真瀬莉緒
「劇ですか…………？良いですね！時間も、もうすぐですので体育館に行きましょう。」
僕たちは体育館に急いで向かう。
六郭星学園 体育館
体育館に着くと、見覚えのある面々がいた。
真瀬志奈
「あ、莉緒！久しぶりね。」
真瀬莉緒
「姉さん！それに内野さんたちも！」
不知火カイル
「やあ、莉緒くんだね。運動会以来だね。改めてよろしく。」
根村ユウタ
「よろしく…………。」
真瀬莉緒
「不知火さん。根村さん。よろしくお願いいたします。」
不知火カイル
「それじゃあ、劇も始まるし、席に座ろうか。」
真瀬莉緒
「そうですね。では…………。」
僕たちは観客席に座り、開演を待った。
ブザーが鳴り、劇が始まる。
ヒーローの話みたいだ。若竹色の仮面をつけたヒーローが怪人をやっつける。定番の話だ。
メインは月川さんらしい。中盤に入ると、月川さんが若竹色の仮面をつけて、怪人をやっつける。
不知火カイル
「…………ヒーローと言えば、ゲーム好きなヒーローが街にいるみたいだけれど…………。」
内野タスク
「聞いたことあります。でも、今は静かにしてください。」
不知火カイル
「はいはい。」
ゲーム好きなヒーローか。ちょっと気になるな…………。
気が付くと怪人をやっつけて、エンディングになった。
真瀬志奈
「とても良かったわね。」
冬原マイカ
「そうだねぇ。マナカも楽しかったかい？」
夢野マナカ
「はい。…………楽しかったです。」
真瀬莉緒
「……………………。」
僕は考え事をしていると、月川さんがこちらへやって来た。
月川タクト
「やあ、お疲れ様。見に来てくれてありがとう！」
木沢アカリ
「タクトも良かったよ。若竹色の仮面も素敵ね。」
月川タクト
「ありがとう。好きな色だからね。無理言って押し通した。」
真瀬莉緒
「へえ、そうなんですね。今度は僕らのクラスのたい焼き食べに来てください。」
月川タクト
「ああ。そうさせてもらうよ！さすがにこの格好ではいけないけれど、必ず行くから！」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。では、この辺で失礼します。」
僕たちは色々な模擬店を回って、自分のクラスの教室に向かうことにした。
