第1章 白銀のマイク(木沢アカリ編)後編
六郭星学園 Jクラス教室
朝起きて、教室に入ると木沢さんがいた。
木沢アカリ
「あ、莉緒くんおはよー!」
真瀬莉緒
「あ、木沢さん。おはようございます。」
木沢アカリ
「アレンジどう?決まった?」
真瀬莉緒
「そうですね…………。まだ木沢さんのことがわからないので、何かきっかけがあれば良いかなって。」
木沢アカリ
「あっ!もしかして…………デートしたいの?」
僕は唐突な言葉で動揺する。
真瀬莉緒
「デートって、そんな…………。」
木沢アカリ
「良いじゃない。せっかくだからデートしましょ!」
真瀬莉緒
「そ、そうですか?ま、まあ、木沢さんがそう言うなら行きましょう。」
木沢アカリ
「良いわね!それじゃあ、アミューズメントパークに前から行きたかったの!」
真瀬莉緒
「なるほど…………。では、アミューズメントパークへ!」
木沢アカリ
「うん!放課後、楽しみにしているわね!」
真瀬莉緒
「はい!」
僕たちは授業を受けたあと、アミューズメントパークへ向かう。
アミューズメントパーク
真瀬莉緒
「着きましたね。外から見ても大きいとは思いましたが、中に入るともっと実感しますね。」
木沢アカリ
「そうだね!今日は楽しんでいこうね!」
真瀬莉緒
「はい。では…………どこに行きましょうか?」
木沢アカリ
「カラオケ行こ!歌はどうなの?」
真瀬莉緒
「歌ですか?…………まあ、それなりには。」
木沢アカリ
「問題なし!行こう!」
僕たちはカラオケルームに行くことになった。
カラオケルーム
カラオケルームに来た僕たち。木沢さんは早速、曲を入れる。
木沢アカリ
「それじゃあ、歌うわね。」
これは…………メルマの曲だ!木沢さんも知っているんだ!僕は少し嬉しくなる。
木沢アカリ
「桃色の~♪愛にふれてる~♪」
ああ…………なかなかだ。歌の実力も見事だ。
歌い終わると僕は、メルマのことを聞いた。
真瀬莉緒
「メルマ…………好きなんですか?」
木沢アカリ
「メルマ…………?ああ、この曲の歌手だよね!メルマはあまり知らないけれど、歌詞が好きなのよね。」
真瀬莉緒
「歌詞ですか…………?」
木沢アカリ
「桃色って歌詞が入っているでしょ?桃色ってとても好きな色で、日用品も基本は桃色に統一しているの。」
真瀬莉緒
「へえ…………でも、桃色って歌詞は結構ありますよね?どうして今日はこの歌を?」
木沢アカリ
「メルマの曲は好きなのよね。配信はあまり見たことはないけれど、ゲーム実況は面白いわね!」
真瀬莉緒
「そうですか…………。でもメルマを知っているんですね。」
木沢アカリ
「うん!じゃあ、次は莉緒くんね。好きな曲入れて!」
真瀬莉緒
「はい。では…………。」
僕は白銀に光り輝くマイクを握りしめて、歌いだす。
有名な曲を歌う。歌にはあまり自信はないけれど…………歌う。
木沢アカリ
「歌もなかなか上手いわね!さすが莉緒くんね!」
真瀬莉緒
「あ、ありがとうございます。」
木沢アカリ
「それじゃあ…………ドラマソング縛りで歌いましょう!」
真瀬莉緒
「あっ、良いですね!歌いましょう!」
僕たちは満足するまでカラオケを楽しんだ。
アミューズメントパーク 入り口付近
真瀬莉緒
「いやー。楽しみましたね。」
木沢アカリ
「そうだね!いやー、本当に良かった!」
真瀬莉緒
「夜も更けてきたことですし…………学園に…………。」
??
「ちょっと!あなたたち!」
真瀬莉緒
「…………?僕たちですかね?」
木沢アカリ
「三蜂レンカ(みつはち れんか)ね…………。」
真瀬莉緒
「み、三蜂…………さん?」
木沢アカリ
「大丈夫。私が守るから。」
真瀬莉緒
「えっ…………?」
三蜂レンカ
「あなたたち!恋愛をしているんでしょ!そんなことはさせないから!」
木沢アカリ
「何よ!恋愛したっていいじゃない!あなたには関係ないわ!」
三蜂レンカ
「な…………あなたって人は!」
僕には何が何だか分からなくなってきた。身体にも戸惑いが感じられる。
真瀬莉緒
「あの…………僕らは恋愛をしていない…………です。」
木沢アカリ
「そうよ。まだ恋愛の段階じゃないわ!」
三蜂レンカ
「そんなの信じられ……………………。」
三蜂さんは僕の目を見ると、黙り込んでしまった。
真瀬莉緒
「三蜂さん?」
三蜂レンカ
「良いわ。あなたのこと信じるわ。何か引っかかるのよね…………。」
そう言うと、三蜂さんは僕たちの目の前からいなくなった。
真瀬莉緒
「何だったんだろう…………?」
すると、今度は男子生徒がやって来た。
??
「大丈夫かい?君たちレンカに色々言われていたけれど…………。」
木沢アカリ
「大丈夫!でも、莉緒くんを見ると何か疑問に思っているみたいだけれど…………。」
月川タクト
「そうか…………ああ。僕は月川タクト(つきかわ たくと)。またどこかであったらよろしくね!」
真瀬莉緒
「月川さん…………。こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
月川タクト
「うん!じゃあね。…………門限に気をつけて。」
月川さんもアミューズメントパークをあとにする。
真瀬莉緒
「門限が近いですね。僕たちも行きましょう。」
木沢アカリ
「そうね。急いで帰りましょう!」
僕たちもアミューズメントパークから学園に戻る。
六郭星学園 正門
??
「結構、門限ギリギリですね。不良とか大丈夫でしたか?」
真瀬莉緒
「はい。何とか大丈夫です。」
この人は成瀬実先生。姉さんの担任の先生でもある。
成瀬実
「それなら良いんですけれど…………。木沢さんもあまり、彼を巻き込まないでくださいね。」
木沢アカリ
「えへへ…………。」
成瀬実
「…………ふぅ。ごまかさないでください。」
木沢アカリ
「はい…………。」
木沢さんは少し反省気味で答える。
成瀬実
「反省しているなら、大丈夫です。今日はもう部屋に戻って休んでください。」
真瀬莉緒
「はい。ありがとうございます。」
僕たちはそれぞれの寮の部屋に戻った。
六郭星学園寮 莉緒・タスクの部屋
今日の木沢さんの印象をアレンジに加えてみる。明るい雰囲気。楽観的な思考。色々なことを考えた。その結果、アレンジがなんとなくではあるができた気がする。
真瀬莉緒
「誰かに聞いてもらおうか…………?」
すると、僕が帰って来たときにはいなかった、内野さんが帰って来た。
真瀬莉緒
「あっ、内野さん。ちょうど良かったです。」
僕は内野さんに今日のことを話し、アレンジを聞いてもらうことになった。
内野タスク
「……………………。」
真瀬莉緒
「では、聞いてください。」
僕はアレンジした曲を演奏する。
演奏が終わると内野さんは拍手をする。
内野タスク
「はい。良いと思います。確かに、木沢さんの性格に合った曲だと思います。」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。」
内野タスク
「はい…………。すみません。感想が苦手で…………。」
真瀬莉緒
「そうですか…………。」
内野タスク
「でも、これだけはわかります。木沢さんの曲はすごいです。もちろん、真瀬さんも。」
真瀬莉緒
「それだけの言葉があれば十分です。ありがとうございます。」
内野タスク
「はい。…………では、失礼します。」
内野さんは自分のベッドルームに入る。
真瀬莉緒
「…………メルマでも見るか。」
僕はメルマの動画を見て、布団に入る。