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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 三蜂レンカ編
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第3章 アップルグリーンを食べて(三蜂レンカ編)中編

三蜂レンカ

「私は…………親から孤立したの。」


真瀬莉緒

「親から…………?」


三蜂レンカ

「母親は私を生んで、すぐに他の男に乗り移ったの。私を置いて。」


真瀬莉緒

「そんな…………そんな親が…………!?」


三蜂レンカ

「私は父親に逆恨みされて、ネグレクトされた。そのときに見た、夕日が忘れられない。おまけに母親は他の男の子を授かってのうのうと生きていると思うわ。おまけにその子供は私と同級生。」


真瀬莉緒

「……………………。」


三蜂レンカ

「変だと思わない?私、恵まれない子なの。親に愛されずに、18年間生きてきたの。辛いと思わない?私はそんな恋愛なら必要ないと思っているの。」


真瀬莉緒

「……………………。」


僕は絶句する。聞いているだけで辛くなっている。苦しい…………。


三蜂レンカ

「どうせ…………他のカップルだって、恋愛したらこうなるのよ!だから私は止めに入る。人間は所詮、1人なのよ!!」


真瀬莉緒

「それは違う!!」


三蜂レンカ

「えっ…………?」


僕は思わず叫んでいた。


真瀬莉緒

「1人じゃないです!…………だって、三蜂さんには僕がいるじゃないですか!それに伊剣さんも…………柚木さんも笹野さんもいる!」


三蜂レンカ

「り、莉緒…………。」


真瀬莉緒

「やっと、僕の名前を呼んでくれましたね。ありがとうございます。」


三蜂レンカ

「私…………。間違っていたの…………?」


真瀬莉緒

「間違ってなんかいないです。今から正せば良いだけです。」


三蜂レンカ

「でも…………私、色々な人を傷つけた。こんな私が幸せになっても…………。」


真瀬莉緒

「良いんですよ。最初は色々と言われるかもしれませんが…………僕が守ります。」


三蜂レンカ

「莉緒…………あ、ありがとう…………。」


真瀬莉緒

「では、教室に戻りましょうか。みなさんが待っていますから。」


三蜂レンカ

「ええ。今日はありがとう。」


真瀬莉緒

「いえいえ。」


三蜂レンカ

「莉緒…………。」


三蜂さんは手を差し出してきた。


真瀬莉緒

「……………………。」


僕はその手を握る。


三蜂レンカ

「色々と…………直さないとね。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


僕たちは手を繋いで廊下を歩く。三蜂さんはどう思っているのかはわからないが、大きな一歩になったみたいだ。


廊下を歩いている途中…………


三蜂レンカ

「そういえば…………母親の苗字…………変わっているのよね。」


真瀬莉緒

「覚えているんですか?」


三蜂レンカ

「えーっと、確か…………。」





三蜂レンカ

「誤見…………だったわね。」


真瀬莉緒

「あ…………誤見…………?」


僕はそれを聞いた瞬間…………


真瀬莉緒

「えっ…………。」


ギギ……ガガ…………。


耳鳴り……?くっ……苦しい……!


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………!」


三蜂レンカ

「莉緒!?大丈夫!?」


真瀬莉緒

「は、はあ…………!!」


どうやら落ち着いたようだ。だけど、誤見…………嫌な思い出があるのかな?


真瀬莉緒

「お、落ち着きました。すみません…………。」


三蜂レンカ

「それじゃあ…………はい。」


再び、三蜂さんは手を差し出す。


真瀬莉緒

「…………はい。」


僕はまた手を繋いで、Fクラスの教室に向かう。



六郭星学園 Fクラス教室



教室に入ると、柚木さんたちがいた。


笹野ユリ

「お疲れ。…………その様子だと、良い方向に進めたのね。」


三蜂レンカ

「ええ。少しは寛容になれた気がするわ。ありがとう。みんな…………。」


柚木アイラ

「良かった…………。」


三蜂レンカ

「アイラも迷惑かけたわね。ごめん…………。」


柚木アイラ

「いや…………その…………。」


そうしていると、日比谷先生がやって来た。


日比谷直輝

「ふっ…………どうやら何かが上手くいったようだな。」


真瀬莉緒

「日比谷先生…………。ありがとうございます。」


日比谷直輝

「お祝いだ。このチケットを渡そう。」


日比谷先生から、チケットを受け取る。


三蜂レンカ

「これは…………りんご狩りのチケットですね。」


日比谷直輝

「私を含めて、3人で行けるが…………どうだ?」


僕はみなさんの顔色をうかがう。


笹野ユリ

「レンカ。ここは莉緒と行きなさい。」


柚木アイラ

「はい…………私も莉緒さんと行った方が良いと思います。」


三蜂レンカ

「そ、そう?じゃあ…………私と莉緒で良いのね。」


真瀬莉緒

「笹野さん。柚木さん。ありがとうございます。」


笹野ユリ

「楽しんできてね。レンカも。」


三蜂レンカ

「ええ。」


僕たちは日比谷先生に連れられ、りんご狩り会場へと向かった。



りんご狩り会場



真瀬莉緒

「ここがりんご狩り会場か…………初めて来たけれど、すごいところですね。」


日比谷直輝

「さて、私は奥の方へ行こう。2人はりんご狩りを楽しむんだ。」


三蜂レンカ

「ありがとうございます。」


日比谷先生は頷くと奥の方へ向かう。


三蜂レンカ

「さて、楽しみましょうか。」


真瀬莉緒

「はい!」


僕たちはりんご狩りを始める。三蜂さんとの貴重な時間が始まった。

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