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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 三蜂レンカ編
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第2章 真っ赤な夕日(三蜂レンカ編)中編

六郭星学園 Fクラス教室



真瀬莉緒

「ふぅ…………眠い…………。」


僕はあくびをしながら、席に座る。教室に入るのはいつも1番乗りで、誰もいない。


誰かが来るまで寝ようかと思っていたら、珍しく柚木さんが入って来た。普段ならこんな早い時間に来るなんてあまりない人のはずだが…………。


柚木アイラ

「あっ…………莉緒さん…………。どうしよう…………。」


真瀬莉緒

「えっ…………どうかしましたか?」


柚木アイラ

「はい…………ちょっと今から、生徒会のみんなが来ます…………。」


真瀬莉緒

「生徒会…………?どうしてこんなところに?」


そう聞くと、教室のドアが開く。


伊剣タイガ

「失礼する。」


真瀬莉緒

「い、伊剣さん…………!」


生徒会の面々が並び、姉さんもやって来る。そして今度は、笹野さんと三蜂さんが教室に入って来る。次第に入って来たのは各委員会の委員長だった。


真瀬莉緒

「これは…………一体どういうことですか?」


戸惑う僕を見て、笹野さんが伊剣さんに声をかける。


笹野ユリ

「タイガ。お姉さんも生徒会だし、莉緒くんにも言った方が良いんじゃない?」


伊剣タイガ

「そうだな…………。莉緒。君も聞いてほしい。会議に参加してくれ。」


真瀬莉緒

「あっ…………はい。わかりました。」


うぅ…………生徒会の会議に参加するのは初めてだ。


会長は委員長たちの顔を見ると、淡々と話し始める。


伊剣タイガ

「この数日で、獣の目撃情報が多数寄せられている。各委員会の委員長、そして生徒会はこの学園に何かあった際には連絡を教員にするように。」


真瀬莉緒

「獣…………?」


伊剣さんはそう言うと、今度は中神さんが口を開く。


中神シンジ

「忌まわしき獣は処刑せよ!見つけたらすぐに処罰せよ!」


伊剣タイガ

「シンジ。余計なことは言うな。それに獣は…………。」


中神シンジ

「うるさい!獣は全て悪だ。見つけ次第直ちに罰せないと…………」


伊剣タイガ

「ダメだ!!」


崎盾ジュン

「ちょっと…………2人とも!」


中神さんは興奮したのか、伊剣さんの胸ぐらをつかむ。つかまれた伊剣さんは冷静だ。


すると日比谷先生がやって来て、中神さんを止める。


日比谷直輝

「中神!やめるんだ!!少し、落ち着けて来い!!」


中神シンジ

「…………ぐっ。」


中神さんは教室から出て行った。


伊剣タイガ

「では…………これにて、会議を終える。みな、自分の教室に戻り、授業を受けるように。」


会議を終えると、伊剣さんは僕のところへやって来る。


伊剣タイガ

「すまない…………見苦しいところを見せてしまって…………。」


真瀬莉緒

「い、いえ!大丈夫ですよ。気にしないでください。…………それより獣って一体…………?」


伊剣タイガ

「ああ…………それか…………。時期にわかるかもしれない。また今度詳しく話す。すまないが今は勘弁してくれ。」


真瀬莉緒

「……………………わかりました。」


伊剣タイガ

「ありがとう。ではこれで失礼する。」


伊剣さんは教室をあとにする。それに続いて、崎盾さんも出ていく。


そして、姉さんは教室をあとにする際に、僕に一言話した。


真瀬志奈

「今日、私も初めて知ったわ…………この学園、何かあるわね。」


そう言って、教室から出てった。


残ったのは、Fクラスの面々だ。三蜂さんが声をかけてくれる。


三蜂レンカ

「私たち委員長にはこういったことが伝えられているの。でも私にはあまり関係は無いわ。恋愛を止めるのが義務なのよ。」


真瀬莉緒

「それが風紀委員の仕事ですか?…………良いです。その条件を飲みましょう。その代わりに、お手伝いをしていただきます。良いですね?」


三蜂レンカ

「お手伝い?」


真瀬莉緒

「来てください。」


僕は三蜂さんと音楽室へ向かった。



六郭星学園 音楽室



音楽室に着いた。僕は何もわかっていない三蜂さんにデモを聞いてもらった。


真瀬莉緒

「課題のパートナーですから、協力していただきます。良いですよね?」


三蜂レンカ

「課題としてなら仕方ないわね。要するに…………。」


三蜂さんは自分が得意であろうという楽器を使って演奏を始めた。


…………見事だ。ここはどうだろうというところはあるが、なかなかの演奏力だ。


真瀬莉緒

「素晴らしいです。伊剣さんから聞きましたが、すごいです。」


三蜂レンカ

「ありがとう。…………あまり好きではないけど、練習しましょう。」


真瀬莉緒

「そうですね。練習をしましょう。」


僕たちはそう言って、暗いムードで練習を始める。



あんまり気乗りしなかったのか、早めに切り上げることになった。


真瀬莉緒

「練習はこれくらいにしましょう。」


三蜂レンカ

「それじゃあ、見回りに行きましょう。恋愛をしている人を補導するわよ。」


真瀬莉緒

「そこまでするんですか?」


三蜂レンカ

「当然よ。文句あるの?」


真瀬莉緒

「仕方ないですね。行き過ぎた行為は止めに入ります。」


三蜂レンカ

「わかったわ。行きましょう。」


そうして、僕たちは寮の方へと向かった。



六郭星学園寮 ロビー



三蜂さんからここで待てと言われ、ロビーでメルマの動画を見ていた。


そして、三蜂さんが戻って来た。


三蜂レンカ

「お待たせ。前回はこれをつけ忘れていたからつけてね。」


真瀬莉緒

「これは…………腕章ですか?」


三蜂レンカ

「ええ。特製の腕章よ。青緑色の腕章。」


真瀬莉緒

「青緑色ですか…………好きなんですか?青緑色。」


三蜂レンカ

「ええ。メジャーな色ではないかもしれないけれど、青緑色はとても好きなの。心が落ち着いて癒されるわ。」


真瀬莉緒

「三蜂さんにも好きな色があるんですね。」


三蜂レンカ

「あたりまえじゃない。さあ、行くわよ。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


僕たちはカップルがいそうな、六郭星ランドに向かうことにした。

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