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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 三蜂レンカ編
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第1章 ライラックの景色が染まり(三蜂レンカ編)後編

六郭星学園寮



真瀬莉緒

「ここが僕の部屋か…………。」


パンフレットによると、部屋は広くリビングとベッドルームが2部屋あり、両方防音になっているらしいのでベッドルームからもう一つのベッドルームからは何も聞こえない。この部屋に2人1組というのがこの寮のルールらしい。


真瀬莉緒

「僕の部屋のパートナーは誰かな?」


ドアの開く音がする。僕はドアの方向を振り向く。


するとそこには天然パーマの男子生徒がいた。


??

「き、君は…………?もしかして、真瀬莉緒くんかい?」


真瀬莉緒

「は、はい。真瀬莉緒です。どうして僕の名前を?」


伊剣タイガ

「失礼。私は伊剣タイガ(いつるぎ たいが)。生徒会長をやっている。」


真瀬莉緒

「せ、生徒会長!?これまたすごいですね…………。」


伊剣タイガ

「在籍クラスはSクラス。君のお姉さんと同じクラスだ。」


真瀬莉緒

「ああ。それで僕のことを知っていたんですね。」


伊剣タイガ

「おまけに君のお姉さんの課題のパートナーだ。部屋のパートナーも真瀬姉弟になるとはな…………。」


真瀬莉緒

「そうなんですね。色々とよろしくお願いいたします。」


伊剣タイガ

「ああ。莉緒の課題のパートナーは誰なんだ?」


真瀬莉緒

「はい。三蜂レンカって言う人です。何か風紀委員長みたいです。」


伊剣タイガ

「三蜂だと!?」


真瀬莉緒

「ご存じなんですか…………?」


伊剣タイガ

「貧乏くじを引いたな…………。恋愛には気をつけろ。見つかったら大目玉だぞ。」


真瀬莉緒

「は、はい…………。わかりました。本人にもくぎを刺されていますので。」


伊剣タイガ

「そうか…………でも、何かあったら言ってくれないか?生徒会長として何かを助けることはできるからな。」


真瀬莉緒

「あ、ありがとうございます。」


伊剣タイガ

「よし。じゃあ、今から生徒会の仕事があるから出かけてくる。課題も頑張ってくれ。」


伊剣さんは準備をして、部屋から出てった。


真瀬莉緒

「さて…………これからどうするか…………。」


悩みに悩んだ挙句、メルマを見ることにした。


メルマとは、Vtuberのことである。つまり、Vtuberの動画鑑賞だ。


名前は綺羅星メルマ(きらぼし めるま)。ここ最近で登録者数が60万人を超えた、今1番勢いのある女性Vtuberだ。


綺羅星メルマ

「星々のみんな〜!みんなのアース。綺羅星メルマで〜す!」


いつものかけ声にいつもの挨拶。最近の心の拠り所だ。


綺羅星メルマ……癒されるな……。


メルマの動画をひと通り見終わると僕はすぐに寝床についた……。



六郭星学園 Fクラス教室



翌朝…………。教室に入ると、三蜂さんがいた。


三蜂レンカ

「あら。おはよう。」


真瀬莉緒

「お…………おはようございます。」


三蜂レンカ

「…………今日は風紀委員の仕事をするわよ。」


真瀬莉緒

「風紀委員の仕事ですか?」


三蜂レンカ

「ええ。放課後、教室を見に行くわよ。」


真瀬莉緒

「あ…………はあ…………わかりました。」


僕は放課後に教室を見て回ることになった。



六郭星学園 Jクラス教室



三蜂レンカ

「失礼するわよ。」


真瀬莉緒

「三蜂さん!勝手に入るのはまずいですよ。」


三蜂レンカ

「そんなの関係ないわよ。」


Jクラスの人たちは三蜂さんを見てざわついている。


見かねたのか、冬原マイカ(ふゆはら まいか)さんが声をかける。


冬原マイカ

「あなた…………恋愛嫌いの三蜂さんねぇ。今日は勘弁してくれないかしらぁ。」


三蜂レンカ

「そういうあなたは見た目から怪しいわね…………。少しカバンを…………。」


真瀬莉緒

「三蜂さん!!」


僕は三蜂さんを止める。


真瀬莉緒

「冬原さん!みなさん!すみません!」


謝罪して、Jクラスをあとにする。


僕は廊下に出て三蜂さんに色々と言う。


真瀬莉緒

「何であんなことを…………。」


三蜂レンカ

「恋愛は危険なのよ。それを言わないといけないのよ!」


三蜂さんはエスカレートする。


すると今度は近くにいた、Kクラスの来川ナナ(らいかわ なな)さんを睨む。


来川ナナ

「なな、なんですか!?」


三蜂レンカ

「恋愛をしたらどうなるのか、わかっているわよね?覚えときなさいよ。」


来川ナナ

「こ、怖い…………。」


僕は止めに入ろうとすると、ある男子生徒が止めに入った。


??

「やめろ!!こんなことをして何になる!」


三蜂レンカ

「何よあなた!邪魔をする気なの?」


??

「人様の恋愛に首を突っ込むな!」


三蜂レンカ

「なっ…………風紀委員によくそんな口が…………」


男子生徒と三蜂さんが言い合っていると、Sクラスの担任の日比谷直輝(ひびたに なおき)先生が止めに入る。


日比谷直輝

「三蜂!!この学園に恋愛禁止の校則は無い!それ以上、続けたら処分する!」


三蜂レンカ

「……………………。仕方ないですね…………。でも、覚えておきなさい。私は決して恋愛を認めない。」


そう言って、ずかずかと廊下を三蜂さんは歩いていく。


真瀬莉緒

「あの…………すみませんでした。」


??

「えっ…………ああ、そうか。良いんだ。気にしないで。」


真瀬莉緒

「えっと…………あなたは?」


月川タクト

「月川タクト(つきかわ たくと)。よろしくね!」


真瀬莉緒

「はい。よろしくお願いいたします。」


僕たちは挨拶をし、来川さんにも謝罪をし、寮へと戻ることにした。



六郭星学園寮 莉緒・タイガの部屋



真瀬莉緒

「ふぅ…………疲れた…………。こうしてちゃいられない。作曲でもするか…………。」


僕は声優さんに歌ってもらう楽曲を作成することにした。


この声優さんにはこの感じのベースが良いだろう。この楽器を使ってと…………。


そう考えながら、ライラックの色をした空模様は黒い闇に染まっていった。


真瀬莉緒

「ああ、もうこんな時間か…………さて…………。」


するとそこに伊剣さんが帰って来た。


伊剣タイガ

「ああ。莉緒。ただいま戻った。」


真瀬莉緒

「ああ。伊剣さん。おかえりなさい。」


伊剣タイガ

「色々と大変だったそうだな…………。」


真瀬莉緒

「まあ、そうですね…………。」


伊剣タイガ

「それに加えて作曲をするとは…………。頑張っているな。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。」


伊剣タイガ

「せっかくだから聞かせてほしいんだが…………大丈夫だろうか?」


真瀬莉緒

「あ、はい。大丈夫ですよ。」


僕は生徒会長の伊剣さんに作曲したものを演奏してみる…………。



演奏が終わった。演奏を聞いて、伊剣さんは微笑んでくれた。


伊剣タイガ

「なるほど…………。さすがだよ。真瀬姉弟らしいよ。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。」


すると、伊剣さんは思いもよらない言葉を言う。


伊剣タイガ

「この楽器を使うんだったら、三蜂の手も借りないと難しいかもしれない。」


真瀬莉緒

「えっ…………三蜂さんですか?」


伊剣タイガ

「ああ。三蜂はこの楽器の演奏が特技でな。莉緒が嫌じゃなければの話だが…………どうだ?」


真瀬莉緒

「…………課題のパートナーなのでノーとは言えないですよね。」


伊剣タイガ

「そうか…………何かあれば生徒会に言ってくれ。…………じゃあ、頑張って。」


真瀬莉緒

「…………はい。」


僕はお礼を言うと、疲れをとるために布団にもぐりこんだ。

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