第４章 茶色いドレスをまとって（中神シンジ編）中編
テスト当日。
日比谷直輝
「今日は期末テスト。みな悔いのないように勉強したはずだ。頑張るんだ。」
クラスメイトたちが「はい。」と答える。
私も頑張らないと……！
日比谷直輝
「それでは……テスト開始！」
その言葉で私は裏返したプリントをめくる……
テスト終了のチャイムが鳴る。
私のプリントは空白欄は無く、出来る限りの答えを出した。そして全員が提出した……
テストの結果は大広間にて貼り出される。１位から最下位まで名前が載る。貼り出されるまでの間、ドキドキが止まらない。
そして……結果発表当日。
真瀬志奈
「いよいよですね…………。」
中神シンジ
「ああ…………。」
そして、テストの順位が貼り出される……
生徒の人数は７００人前後……私たちの結果は……。
真瀬志奈
「５０位……！なかなかの順位ね……！」
７００人中の５０位。少なくとも低くはないはず……！私は安堵した。
そして、中神さんの結果は……………………
中神シンジ
「７位か。…………縁起の良い数字ではあるな。」
どうやら気に入った順位だったみたいだ。
伊剣さんたちは…………？
伊剣タイガ
「１３位か…………許容範囲内だ。」
伊剣さんは少し悔しい結果だったみたいだ。
一方、崎盾さんは…………。
崎盾ジュン
「やった…………！！１位だ！！とても嬉しい！」
真瀬志奈
「崎盾さん！おめでとうございます！」
伊剣タイガ
「同じ生徒会として羨ましい。おめでとう。」
中神シンジ
「ふん…………なかなかやるじゃないか。」
崎盾ジュン
「ありがとう。みんな。あとは、有志のパーティーと課題発表だね。」
中神シンジ
「ああ。ここまできたら、楽しむだけだ。…………な。真瀬。」
真瀬志奈
「はい。もちろんです。伊剣さんも良いですか？」
伊剣タイガ
「ああ。そうしよう。監査とか関係ない。楽しむぞ。」
真瀬志奈
「はい！」
そして、有志パーティーが行われる日が来た。
パーティー会場
会場に行くと、莉緒と柚木さん。三蜂さんと笹野さんも参加していた。
各クラスの有名人も参加をしているようだ。
でもなんだろう。どこか心が苦しい。
真瀬莉緒
「姉さん………………。」
そう言って、莉緒が近づいてきた。顔色を青くして。どうやら莉緒も何か苦しいみたいだ。
真瀬莉緒
「ちょっと苦しいや…………。」
真瀬志奈
「無理しないでね。私はしばらくここにいるから。」
とは言うものの、私も少し苦しい。
崎盾ジュン
「志奈さん。大丈夫？」
真瀬志奈
「崎盾さん。…………少し苦しいです。」
崎盾ジュン
「これ…………お水。無理しないでね。」
真瀬志奈
「あ、ありがとうございます。莉緒にもいただけますか？」
崎盾ジュン
「あ、うん。今持ってくるね。」
私と莉緒は水を飲んで少しすっきりした。
真瀬志奈
「ふう…………。」
するとそこに見覚えのある女子生徒がやって来た。
古金ミカ
「久しぶりー！！莉緒っち、志奈っち！！」
真瀬志奈
「古金さん…………！お久しぶりです！」
古金ミカ
「うんうん。いやー、この出会い。懐かしいですなー。」
真瀬志奈
「相変わらずお元気ですね。」
古金ミカ
「えへへ。ありがとう。」
古金さんと話をしていると、また懐かしい子に出会う。
秋葉サヤ
「あ…………お久しぶりです。」
真瀬志奈
「秋葉さん…………お久しぶりです。」
秋葉さん。彼女もまた焼き芋のとき以来だ。
秋葉サヤ
「あのときは大丈夫だったんですか？急に倒れ込みましたけど…………？」
真瀬志奈
「あっ。そうでしたね…………すみません。あのときは…………。」
秋葉サヤ
「まあ無事なら良かったです。お身体に気をつけてください。」
真瀬志奈
「ありがとうございます。」
古金ミカ
「…………ねえ、志奈っち。ちょっと着替えてみない？」
真瀬志奈
「えっ…………私ですか？」
古金ミカ
「うん。ドレスなんだけど、どうかなって？」
真瀬莉緒
「おっ。姉さんが着替えるのか。…………楽しみにしているよ。」
真瀬志奈
「もう…………茶化しちゃって…………。」
私は渋々、着替えることになった。
古金ミカ
「…………はい！良い感じ。その姿を彼に見せてあげて。」
真瀬志奈
「は、はい。」
私は中神さんにドレスを見せることにした。
伊剣タイガ
「それでだ…………課題はな…………お…………おお！？」
真瀬志奈
「中神さん…………。」
中神シンジ
「おお…………真瀬…………。」
私は茶色いドレスを着て、中神さんに見せた。中神さんは少し動揺するも、すぐに感想をくれた。
中神シンジ
「なかなか…………綺麗じゃないか。秋葉から聞いた。ドレスを着てくるとは。似合っている。」
真瀬志奈
「えへへ…………ありがとうございます。」
すると、神谷先生もやって来る。
神谷乙音
「似合っているわねー！せっかくだから２人で踊りなさい。今、音楽かけるから！」
真瀬志奈
「えっ、ちょっと、神谷先生！」
神谷乙音
「みんなー！音楽をかけるわよ！」
神谷先生は音楽を流す。それにみなさんは楽しそうに踊る。
真瀬志奈
「…………踊りますか？」
中神シンジ
「…………ああ。そうしようか。」
私たちは、音楽に合わせて踊る。心なしか、中神さんも少し楽しそうだ。
真瀬志奈
「ふふ…………。」
中神シンジ
「何だ？」
真瀬志奈
「楽しそうですね。」
中神シンジ
「余計なことを…………。」
そう言うが、顔は少し微笑んでいる。
真瀬莉緒
「……………………。」
根村ユウタ
「羨ましいのか…………？」
真瀬莉緒
「まあ、そうですね。」
笹野ユリ
「莉緒。」
真瀬莉緒
「あっ、ユリ。」
笹野ユリ
「私でよければ…………。」
真瀬莉緒
「本当に？ありがとう！」
根村ユウタ
「ふっ…………。」
こうして楽しい有志パーティーは終わりを告げた。
そして、運命の日がやって来た。
