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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 中神シンジ編
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第3章 ポピーレッドな日常へ(中神シンジ編)後編

六郭星学園寮 志奈・ユリの部屋



寮の部屋へ戻ると、笹野さんが迎え入れてくれた。


笹野ユリ

「志奈。今日はありがとう。」


真瀬志奈

「笹野さん…………お礼を言うほどのことをしたわけではありませんから…………。」


笹野ユリ

「ううん。それでも言わせて。ありがとう。」


真瀬志奈

「…………はい。」


そう言うと、寮のサイレンが鳴り始めた。


真瀬志奈

「こ…………これは…………!」


笹野ユリ

「志奈!急いでみんなを避難させるわよ!」


真瀬志奈

「は、はい!」


私たちは急いで屋上に生徒を避難させた。



六郭星学園 屋上



屋上から校庭を見上げると、先生方が獣を取り押さえる。


三蜂レンカ

「先生方、大変ね…………。」


三蜂さんがそう呟く。


柚木アイラ

「そう…………ですね。」


柚木さんもそれに頷く。


生徒会のみなさんは喧嘩になっていないだろうか…………。私は生徒会のみなさんのところへ向かう。


中神シンジ

「それで…………どうするんだ?」


伊剣タイガ

「ひとまず、生徒を落ち着かせる。…………何か策は無いか?」


崎盾ジュン

「そうだね…………。」


とりあえずは落ち着いた様子で会議をしている。


伊剣タイガ

「ああ。志奈。君も何か案は無いか?」


私に気づいた伊剣さんは問いかける。


真瀬志奈

「そうですね…………。…………ん?」


ふと、目の前に見慣れない人がいた。


あれは…………声優さん!?


卒業の時に曲を歌ってくれる、声優さんが何故ここに!?


真瀬志奈

「あの…………どうして、声優さんがここに…………?」


中神シンジ

「俺も驚いた。話を聞いてみると、作曲の過程を確認しに来たらしい。」


真瀬志奈

「そうなんですね。せっかくの機会です。声優さんに演奏を聞いてもらいましょう。」


崎盾ジュン

「だ、大丈夫なの?一応、この屋上の倉庫には電子ピアノはあるけれど…………。」


真瀬志奈

「聞いてみます。中神さん。行きましょう。」


中神シンジ

「ああ。行こう。」


私たちは声優さんのところへ向かう。


声優さんは初めて会う私たちに挨拶をしてくれた。


真瀬志奈

「ありがとうございます。お会いしたばかりで申し訳ありませんが…………。」


私は、この場を落ち着かせるために声優さんに作曲した楽曲を演奏しても良いか聞いてみる。


声優さんは快く承諾してくれた。


真瀬志奈

「ありがとうございます。中神さん、電子ピアノを…………!」


中神シンジ

「ああ。今すぐ用意する!」


中神さんは急いで電子ピアノを準備する。


周りのクラスメイト達も、何事かと集まって来る。


真瀬志奈

「みなさん!この曲を聞いてください!」


中神シンジ

「みな聞け!我々の音楽を!」


中神さんの合図で私は演奏する…………。



演奏が終わると声優さんがすぐに拍手をしてくれる。


それに続いて、生徒会の伊剣さんと崎盾さん。各委員会の委員長。そして…………学生の生徒たちも拍手をしてくれた。


どうやら満足してくれた。私はホッとする。


中神シンジ

「やったな…………。」


真瀬志奈

「はい…………。安心しました。」


声優さんもとても良い曲だと、褒めてくれた。そして、この曲を歌ってくれることになった。


そして、声優さんは中神さんに握手を求めた。


中神シンジ

「あっ…………良いんですか?…………ありがとうございます!」


中神さんは声優さんと握手すると、とても嬉しそうにしていた。


こんな喜ぶ中神さんも初めて見るかもしれない。


色々と呪縛から解き放たれたからだろう。私も嬉しい。


そのあと、先生方から避難解除の報告を受けて、寮の部屋へ戻ることになった。



六郭星学園寮 志奈・ユリの部屋



真瀬志奈

「ふぅ…………良かった。」


ホッと一息ついた。すると笹野さんが声をかけてくれた。


笹野ユリ

「良かったわね。声優さんに歌ってもらえることになって。」


真瀬志奈

「笹野さん…………ありがとうございます。」


笹野ユリ

「あと…………その…………ありがとう。シンジのこと。」


真瀬志奈

「えっ…………ああ。中神さんのことですか。私は頑張ってませんよ。頑張ったのは中神さんと笹野さんです。」


笹野ユリ

「わ…………私?」


真瀬志奈

「はい。笹野さんが本当のことを話してくれたことで、中神さんは頑張れたんですから。きっかけを作ったのは笹野さんです。ありがとうございます。」


笹野ユリ

「そんな…………照れるわね。」


真瀬志奈

「さあ、今日は疲れましたね。もう寝ましょう。」


笹野ユリ

「そうね。おやすみ…………志奈。」


真瀬志奈

「はい。おやすみなさい。」


そう言って、私は寝間着に着替えてベッドにもぐりこんだ。



六郭星学園 Sクラス教室



朝起きて、教室に入る。そこには中神さんたちがいた。


中神シンジ

「ああ、真瀬。おはよう。」


真瀬志奈

「中神さん。おはようございます。」


中神シンジ

「ああ…………どうした?何かあったか?」


真瀬志奈

「いえ。中神さんも挨拶してくれるようになったんだなって。」


中神シンジ

「余計なことを…………。挨拶はできるさ。今はな…………。」


真瀬志奈

「今だけでも良いです。中神さんにお任せします。」


中神シンジ

「…………ああ。」


伊剣タイガ

「雑談はそこまで。シンジ。志奈。どうやら、今度の冬に有志の集うパーティーが行われるらしい。我々も参加をする。」


崎盾ジュン

「監査…………でね。莉緒くんも参加するみたいだよ。本人はあんまりみたいだけど、委員長たちに誘われて断れないみたい。志奈さんも無理知恵はしないけど、どうかな?」


真瀬志奈

「そうですね…………せっかくなので参加してみたいと思います。」


伊剣タイガ

「決まりだ。では先生方にも報告はしておく。みな、席について授業を受けるように。」


真瀬志奈

「はい。よろしくお願いします。」


残り数か月の学校生活。楽しみます。

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