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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 中神シンジ編
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第3章 ポピーレッドな日常へ(中神シンジ編)中編

真瀬志奈

「…………教えていただけますか?中神さんの秘密を…………そして、その写真を。」


笹野ユリ

「ええ…………。わかっているわよ。」


真瀬志奈

「お願いいたします。笹野さん。」


笹野ユリ

「その…………。」


私は笹野さんに中神さんのことを聞く…………。


聞き終えると私は絶句した。


真瀬志奈

「そんな…………!?それじゃあ…………!」


笹野ユリ

「この話をシンジに言うかどうかは任せるわ。シンジのこと…………お願い。」


真瀬志奈

「笹野さん…………。」


私は中神さんのいる場所を探すことにした。



六郭星学園 Sクラス教室



まず私は自分と中神さんの教室に入る。そこには伊剣さんと崎盾さんがいた。


伊剣タイガ

「志奈?どうしたんだ?」


真瀬志奈

「ここに…………中神さんはいませんか?」


崎盾ジュン

「ここには来ていないけれど…………。」


真瀬志奈

「そうですか…………。」


伊剣タイガ

「何か、あったんだな。志奈。シンジのためにも頑張ってくれ。…………頼む。」


伊剣さんは中神さんのために頭を下げてくれた。


真瀬志奈

「伊剣さん…………任せてください!」


私は、念のために莉緒のクラスにも行くことにした。



六郭星学園 Fクラス教室



莉緒のクラスの教室に入ると、柚木さんと三蜂さんがいた。


真瀬志奈

「柚木さん!中神さんは…………?」


柚木アイラ

「い、いえ…………ここには…………来てません…………はず。」


真瀬志奈

「ここも違いましたか…………。」


柚木アイラ

「あの…………どうしてそこまで…………中神さんを?」


真瀬志奈

「いえ…………それは…………。」


三蜂レンカ

(じろり…………。)


三蜂さんは睨むように私を見ている。


真瀬志奈

「私は…………中神さんの本当の気持ちを知りたいんです。あそこまで獣を毛嫌いする理由を。」


三蜂レンカ

「…………ふぅ。わかったわ。自分の部屋にでもいるんじゃないの?」


イライラしながらも、納得を得られらようだ。


真瀬志奈

「ありがとうございます。では…………部屋に行ってきます。」


私は急いで莉緒の部屋に向かった。



六郭星学園寮 莉緒・シンジの部屋



部屋に入ると莉緒が出迎えてくれた。


真瀬莉緒

「やあ、姉さんいらっしゃい。…………その様子だと、シンジのことを?」


真瀬志奈

「ええ。色々と聞きたいことがあってね。」


真瀬莉緒

「頑張って。きっと姉さんならシンジのことを助けられるよ。」


真瀬志奈

「ありがとう。私…………頑張るから!」


真瀬莉緒

「うん。シンジは多分、展望台にいるよ。早く行ってあげて。」


真瀬志奈

「ええ。」


お礼を言うと、私は展望台まで速足で向かう。



六郭星展望台



展望台に来たが、中神さんの姿は見当たらない。


真瀬志奈

「あれ…………?ここじゃないのかしら…………?」


寮に戻ろうとするときに、私は細い道を見つけた。


真瀬志奈

「誰かが歩いた跡がある…………まさかね。」


そう思うも、私は細い道を歩く。



細い道を通ると、広い場所に着いた。そこには…………


真瀬志奈

「中神さん…………。」


中神シンジ

「…………真瀬。」


そこには中神さんがいた。


真瀬志奈

「中神さん…………あなたが獣を憎む理由がわかりました。」


中神シンジ

「…………そうか。」


真瀬志奈

「そんなことがあって…………私は…………。」


中神シンジ

「……………………。」


真瀬志奈

「中神さんはあの獣に親を…………殺されたんですね。」


中神シンジ

「…………ああ。そうだ。」


真瀬志奈

「でもどうして…………!どうしてあそこまで憎むんですか!あの獣は…………もともとは人間だって聞きました!その人には悪意は無いはずです!」


中神シンジ

「わかっているそんなことは!!…………でも、俺は許せない…………。」


真瀬志奈

「中神さん…………。」


中神シンジ

「ここで…………俺の親は殺された。その命日に俺はここに来るんだ。親は偉大だった。よくここに連れてきてもらった。思い出の場所…………だ。」


真瀬志奈

「……………………。」


中神シンジ

「俺と同じ思いをしないでほしい…………だから俺は生徒会に入った。生徒会に入れば、色々とできるそう思った。けれど、あいつらは…………!」


真瀬志奈

「中神さん!!」


中神シンジ

「…………!?」


真瀬志奈

「人のことを悪く言うのはダメです。気を付けてください。」


中神シンジ

「……………………。」


真瀬志奈

「そして…………今はもう過去にすがるのはやめましょう。辛い思いをするだけです。」


中神シンジ

「……………………。」


真瀬志奈

「今は友達もいるじゃないですか。それに…………同じ境遇でも前を向いている人間がいるじゃないですか。」


中神シンジ

「笹野か…………。」


真瀬志奈

「ここ…………笹野さんの親もここで亡くなったんですよね。獣にやられて…………。」


中神シンジ

「ああ…………。」


真瀬志奈

「笹野さん。写真は胸ポケットにしまってありますが、しっかりと前を向いていますよ。…………時々、思い出すことはありますが。」


中神シンジ

「そうか…………。」


真瀬志奈

「中神さん…………私、陰ながら応援しています。どんなことがあっても、中神さんを信じています。」


中神シンジ

「真瀬…………!」


真瀬志奈

「今日は戻りましょう。みなさん待っています。」


中神シンジ

「……………………ああ。」


私たちは重たい足を動かしながら、六郭星学園に戻ることにした。



六郭星学園 門前



門の前に着くと、伊剣さんたちが待っていた。


伊剣タイガ

「シンジ…………。」


伊剣さんは心配そうな目で見ている。


すると…………中神さんは頭を下げた。


真瀬志奈

「中神さん…………!?」


頭を下げた中神さんは重たい口を開く。


中神シンジ

「色々とすまなかった…………これからは前を向いて…………努力する。」


伊剣タイガ

「やっと、その言葉が聞けたな。」


中神シンジ

「みんな…………!」


崎盾ジュン

「志奈さんも…………お疲れ様。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


お礼を言って、私たちは寮の部屋へ戻る。

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