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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 中神シンジ編

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第2章 アイアンブルーな日々(中神シンジ編)後編

六郭星学園 中庭



暑い…………こんな真夏に外に出るんじゃなかった。


そんなことを考えていると、辺りが眩い光に包まれた。


真瀬志奈

「な、何!?」


光が消えるとそこには1人の男性の姿が見えた。


真瀬志奈

「あ、あなたは…………?」


??

「真瀬志奈さんだね。」


真瀬志奈

「ど、どうして私の名前を!?」


虹谷サイ

「自己紹介がまだだったね。僕は虹谷サイ(にじや さい)。僕はある人物を追ってここに来たんだ。」


真瀬志奈

「ある人物を…………その人は一体?」


虹谷サイ

「中神シンジに決まっている。彼を捕まえに来たんだよ。」


真瀬志奈

「中神さん…………?一体どうして!?」


虹谷サイ

「彼は大きい罪を犯した。ただそれだけだよ。」


真瀬志奈

「…………警察か何かですか?」


虹谷サイ

「いや。違うよ。けど、彼を連れて行くよ。」


虹谷と言う人は、寮の方へ向かう。私はその虹谷と言う人の腕を掴む。


虹谷サイ

「何をするんだい?」


真瀬志奈

「わ、私は中神さんが罪を犯したとは思いません。」


虹谷サイ

「…………どうしてそう思うんだい?」


真瀬志奈

「私は…………!どんな罪を犯したのかはわかりません。ですが…………。」


虹谷サイ

「…………あんな様子なのにどうして守るんだい?」


真瀬志奈

「それは…………。どうしてかって言われても…………。」


虹谷サイ

「まあ良い。…………後悔するだけだよ。」


そう捨て台詞を吐くと、また眩い光で辺りが包まれる。


真瀬志奈

「一体、何だったの…………?」


私は気持ちを切り替えて、音楽室に戻ることにした。



六郭星学園 音楽室



音楽室に戻る。中神さんは…………椅子に座りながら、写真を見ていた。


中神シンジ

「親父…………お袋…………。」


そう呟いて中神さんは顔を上げる。私に気づいたのか写真を胸ポケットに入れた。


中神シンジ

「遅かったな…………何をしていた。」


真瀬志奈

「いえ、色々ありました。遅れてすみません。」


中神シンジ

「まあ良い。ひとまず通しで演奏するぞ。」


真瀬志奈

「あ、はい。わかりました。」


私は急いで楽器を取り出し、演奏を始める。



演奏を終えると、中神さんは満足な様子だった。


中神シンジ

「なかなかやるじゃないか。」


真瀬志奈

「あ、ありがとうございます。」


素直に褒めてくれた。中神さん…………この間もそうだけど、悪い人ではないのかしら…………?


そう思っていると、ふと、虹谷と言う人の言葉が引っかかる。


中神さんは何かを隠しているのかもしれない。私は思い切って、中神さんに聞いてみる。


真瀬志奈

「あの…………。中神さん。何か隠していることはありませんか?」


中神シンジ

「何かって…………。別に何も隠していない。」


真瀬志奈

「いや…………でも…………。」


そう言っていると、突然にサイレンが鳴る。


真瀬志奈

「これは…………!?」


以前、崎盾さんから教えられた獣が現れた合図だ。私と中神さんは急いで生徒を避難させる。


中神シンジ

「真瀬。急いで避難させるぞ!」


真瀬志奈

「はい!」


私たちは屋上へ生徒を避難させて、私たちも急いで避難する。



六郭星学園 屋上



屋上に着いた私たちは自分のクラスのところへ向かう。


すると勢いよく中神さんは伊剣さんのいるところへ行く。


中神シンジ

「伊剣!!何故こんなことになった!!」


崎盾ジュン

「ちょっ…………シンジ!こんなところで喧嘩は…………。」


伊剣タイガ

「ジュン。下がっていろ。言っておく。これは来川医師との指示だ。獣は殺さずに捕獲をすることを約束したはず。それをどうして否定する?」


中神シンジ

「うるさい!獣は1匹残さず始末する!文句は言わせない!!」


伊剣タイガ

「……………………。」


伊剣さんは呆れている。


するとそこに笹野さんがやって来る。


笹野ユリ

「やめなさい。これ以上騒いだらあなた、停学もあり得るわよ。」


中神シンジ

「ふん…………貴様も同じ目に遭ったのに、何故そこまでこだわらない!」


笹野ユリ

「そ、それは…………。」


笹野さんはうなだれる。すると避難解除が勧告された。


中神シンジ

「ふん…………。」


中神さんは屋上から去る。


三蜂レンカ

「ちょっと、大丈夫?」


笹野ユリ

「ええ…………なんとか…………。」


柚木アイラ

「あの人…………どこまで…………。」


三蜂レンカ

「少し、引くわね…………。」


莉緒も遅れてやって来る。


真瀬莉緒

「姉さん。シンジとペアで本当に大丈夫なの?あの様子じゃあ結構大変そうじゃない?」


真瀬志奈

「そうね…………でも、そんなことはないわよ。わからないけれど、中神さんとなら無限大の可能性を秘めていると思うの。」


真瀬莉緒

「えっ?シンジはそこまで楽器が得意なの?」


真瀬志奈

「ええ…………。」


真瀬莉緒

「そうか…………。」


莉緒はなんとか納得してはくれたが…………。私も不安だ。


中神さんはどうしてあそこまで執着するのだろうか…………?


私は疑問に思いながら、寮の部屋へ戻る。



六郭星学園寮 志奈・ユリの部屋



笹野さんはすぐに寝込んでしまった。私は作曲で邪魔をするわけにはいかないので、私も寝ることにした。


明日は何もなければ良いんだけど…………。


そんなことを思いながら私は眠りについた。

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