第3章 バイオレットグレープ(笹野ユリ編)後編
六郭星学園 Fクラス教室
愛森宇蘭
「良かったわね。色々と解決して…………。」
後日、僕たちは愛森先生に報告をした。愛森先生は喜んでくれた。
愛森宇蘭
「そうね…………直輝もいるんでしょ?」
真瀬莉緒
「えっ…………日比谷先生?」
日比谷直輝
「…………その。…………おめでとう。」
笹野ユリ
「日比谷先生。ありがとうございます。」
日比谷直輝
「それで…………。せっかくなのでこれを使うと良い。」
真瀬莉緒
「ブドウ狩りの整理券?」
日比谷直輝
「私も同行はするが、邪魔はしない。2人が良ければだ。」
笹野ユリ
「良いんですか!…………ありがとうございます。私、ブドウが大好きなんです。」
真瀬莉緒
「僕も好きです。日比谷先生、ありがとうございます!」
日比谷直輝
「うむ、それでは行こうではないか。」
愛森宇蘭
「あ、4人まで行けるみたいだから、私も同行するわね。」
僕と笹野さんと日比谷先生と愛森先生はブドウ狩りの会場へ向かう。
ブドウ狩り会場
僕たちはブドウ狩りの会場に着いた。
真瀬莉緒
「ここがブドウ狩りの会場か…………。」
笹野ユリ
「せっかく来たんだから、楽しく食べましょう!」
日比谷直輝
「私たちは奥の方にいるから何かあったら呼んでほしい。」
愛森宇蘭
「楽しんでいってね!」
そう言って、愛森先生たちは奥の方へと行った。
真瀬莉緒
「さて…………ではこのブドウを…………。」
僕はハサミでブドウを取る。
笹野ユリ
「とても美味しそうなブドウね。」
笹野さんは楽しそうに言う。
真瀬莉緒
「はい。よければこのブドウを分けませんか?」
笹野ユリ
「名案ね。じゃあ…………はい。」
真瀬莉緒
「えっ…………?」
笹野さんは1粒のブドウを取り、僕の口に近づける。
笹野ユリ
「はい。あーんして。…………良いでしょ?」
真瀬莉緒
「…………はい。」
僕は笹野さんのブドウを食べる。
真瀬莉緒
「はい。美味しいです。」
笹野ユリ
「そう…………。良かった。莉緒くんが選んだブドウだもの。美味しいはずだわ。」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。そう言われると嬉しいです。」
笹野ユリ
「ふふ…………。」
そう微笑むと、笹野さんは奥の方へと向かう。僕もそれについていく。
奥の方へ行くと、小屋があった。日比谷先生たちも小屋にいた。
真瀬莉緒
「日比谷先生。ここにいたんですね。」
日比谷直輝
「ああ。真瀬。あれを見てみろ。」
僕は日比谷先生が指をさす方を見る。そこにはピアノがあった。
愛森宇蘭
「せっかくだから弾いてみたら?課題で演奏するんでしょう?」
真瀬莉緒
「そうですね…………笹野さんが良ければですけど…………。」
笹野ユリ
「もちろん良いわ。どうやら小屋の中に、私の得意な楽器があるみたいだし。」
真瀬莉緒
「では…………演奏させていただきます。」
僕はピアノの椅子に座り、笹野さんは自分の得意楽器を持ってくる。
僕たちは合図を出して、演奏を始める…………。
演奏が終わると、愛森先生と日比谷先生は拍手をしてくれた。
日比谷直輝
「さすがだ…………見事だ。真瀬。笹野。」
真瀬莉緒
「ありがとうございます。」
愛森宇蘭
「これなら声優さんも喜んでくれるわね。…………そうですよね!」
笹野ユリ
「えっ!?それって…………まさか!?」
物陰から、1人の人が現れた。その声優さんは間違いなく、今度の謝恩会で歌ってもらう声優さん、本人だった。
声優さんはもっと聞かせてほしいと頼んできた。
笹野ユリ
「任せてください!」
真瀬莉緒
「それでは…………!」
僕たちは声優さんに演奏を披露した。声優さんもとても楽しそうに演奏を聞いていた。
笹野さんも憧れの声優さんなのか、ドキドキしながら演奏をしていた。
演奏が終わり、声優さんは拍手をしてくれた。
真瀬莉緒
「ありがとうございます。では…………この曲を謝恩会で歌っていただけますか?」
声優さんの答えはもちろんイエスだった。
笹野ユリ
「ありがとうございます…………!ありがとうございます…………!」
笹野さんは嬉しそうだった。それもそうだ。僕だって嬉しい。
日比谷直輝
「説明したら、課題で演奏しても良いみたいだ。楽になったな。」
愛森宇蘭
「物足りないわね。今度の課題の発表のときはもっとうまく演奏してね!」
真瀬莉緒
「もちろんです。僕たちの実力はこんなものじゃないです!楽しみにしてくださいね!」
笹野ユリ
「当然私も頑張ります。先生方。期待してください。」
愛森宇蘭
「ええ。期待しているわよ!」
その後、僕たちは声優さんに挨拶をして、六郭星学園に戻る。
帰り道道中 愛森宇蘭の車の車内
行きと帰りは愛森先生の車で帰る。僕たちは後部座席に座り、日比谷先生は助手席に座る。
真瀬莉緒
「ふう…………楽しかったですね。」
笹野ユリ
「ええ。…………でも、眠たくなったわね…………。」
そう言って、しばらくすると笹野さんは眠りについた。僕の肩に頭を乗っけて。
真瀬莉緒
「笹野さん…………。お疲れ様です。」
僕も意識が遠のく…………僕たちは学園まで眠りについていた。
とても楽しかった、ブドウ狩り。声優さんにも演奏を楽しんでもらえた。
あとは課題で発表をするのみ。それまで僕たちは残りの学生生活を満喫するのみだ。




