第１章 樺色のマイクカバー（笹野ユリ編）中編
愛森宇蘭
「では、簡単に自己紹介から始めましょう。では、あなたから自己紹介をお願いします。」
三蜂レンカ
「三蜂レンカです。風紀委員です。悪いところは正していくつもりなので。」
三蜂さんはそう言うと、席に座った。
三蜂さんと同じ学校だったクラスメイトはぶつぶつと何かを言っている。
愛森宇蘭
「静かに！…………じゃあ、次はあなた。お願いできるかしら？」
柚木アイラ
「は、はい…………柚木アイラです…………図書委員長をやっております。」
愛森宇蘭
「図書委員長…………みんなもお世話になるわね。次はあなた。」
僕の番になった。僕は自己紹介する。
真瀬莉緒
「は、はい。真瀬莉緒です。特技は楽器という楽器を大体は弾けます。よろしくお願いいたします！」
そう言うと、教室のみんなは驚いていた。期待をしているのだろう。
愛森宇蘭
「なるほど…………あなたがね…………。じゃあ、次はあなた。」
笹野ユリ
「笹野ユリです。放送委員長をやっています。みんな１年間よろしく。」
愛森宇蘭
「放送委員ね…………頑張ってほしいわね。委員会の仕事。」
クラスメイトは一通り、自己紹介を済ませチャイムが鳴る。
愛森宇蘭
「はい。ではこれでホームルームは終わらせていただきます。みなさん仲良く過ごしていきましょう！」
そう言って、愛森先生は教室から出ていった。
愛森先生が出ていくと、さっきの女子生徒たちが声をかけてきた。
柚木アイラ
「あ、あの…………楽器を弾けるって本当ですか？」
真瀬莉緒
「えっ…………ああ、はい。色々と弾けますよ。」
笹野ユリ
「それは気になるわね。今度聞かせてほしいわ。」
三蜂レンカ
「そうね…………。聞くだけなら問題ないわね。」
真瀬莉緒
「はい…………では今度聞かせてあげます。では、次は僕の質問に答えてください。」
笹野ユリ
「ええ。何かしら？」
真瀬莉緒
「みなさんはお知り合いなんですか？」
柚木アイラ
「そうですね…………学校は違いますが…………説明会で仲良くなりました。」
三蜂レンカ
「ええ。…………そういえば、言っていなかったけどあなた…………彼女とかはいないわよね？」
真瀬莉緒
「あっ…………はい。いませんけど？」
三蜂レンカ
「なら良いわ。言っておくけど、恋愛禁止だから。」
真瀬莉緒
「えっ…………？」
笹野ユリ
「レンカ。良いじゃない。他人に自分のことを押し付けないの。」
三蜂レンカ
「ダメよ。ろくなことが起きないわ。」
真瀬莉緒
「わ、わかりましたよ…………。努力はします。」
三蜂レンカ
「それなら良いけど…………それよりユリは彼とペアなのよね。」
笹野ユリ
「そうね…………それも良いけど、生徒会からの依頼がね…………。」
真瀬莉緒
「生徒会からの依頼？」
笹野ユリ
「生徒会から、今年度の卒業式が終わったら、謝恩会を開くみたいなの。その謝恩会で声優さんを招いて歌ってもらうの。その声優さんに歌ってもらう曲を作るんだけど…………その担当が放送委員にお願いされたの。１人で作れるか不安で…………。」
真瀬莉緒
「それじゃあ…………僕が手伝いましょうか？」
笹野ユリ
「本当に？それだと、放送委員に入ってもらうけれど…………？」
真瀬莉緒
「放送委員…………？」
三蜂レンカ
「生徒会からの指令で、委員会の仕事は委員会に入っている人じゃないといけないの。」
真瀬莉緒
「委員会か…………。わかりました。放送委員ではどんなことをするんですか？」
笹野ユリ
「まあ、基本的に莉緒くんには楽曲の作成に専念してもらって、何かあったときにはお願いするって形で行くわ。」
真瀬莉緒
「なるほど…………わかりました。ではよろしくお願いいたします。」
笹野ユリ
「ええ。よろしく莉緒くん。」
真瀬莉緒
「はい。そうと決まれば、音楽室に行きましょう。」
三蜂レンカ
「待って、私も行くわ。」
柚木アイラ
「あの…………音楽室に行くだけなら良いのでは？」
三蜂レンカ
「ダメよ。男女が２人だけで音楽室に行くのは危険だわ。何をするかまだ分からないわ。」
真瀬莉緒
「別に良いですよ。オーディエンスは多い方が良いですからね。」
柚木アイラ
「それでしたら…………私も良いですか…………？」
真瀬莉緒
「もちろんです。では行きましょうか。」
僕たち４人は音楽室へ向かうことに。
六郭星学園 音楽室
真瀬莉緒
「おお…………さすが音楽室。」
笹野ユリ
「音楽学校が合併しているだけとても広いわね。」
初めて訪れた音楽室はとても広く、世界のあらゆる楽器が並べられており、さらには音響設備までも取り揃えられている。まあ、僕の学校も合併されているのでこれが当たり前だと思う。
笹野ユリ
「…………あっ。この楽器…………！私でも弾けるわ！」
真瀬莉緒
「本当ですか？せっかくなら弾いてみていただいて良いですか？」
笹野ユリ
「まあ、良いわよ。じゃあ…………」
笹野さんは楽器を手に取り、演奏を始める。…………見事だ。見事すぎる。
三蜂レンカ
「これは…………すごいわね。」
柚木アイラ
「まるで別人…………みたいです。」
思いのほか演奏を上手くこなしている。これは見逃せない。
真瀬莉緒
「最高です！笹野さん見事です！」
笹野ユリ
「…………ありがとう。次は莉緒くんの番ね。何でも楽器を弾けるんでしょ？この楽器も弾けるなら弾いてみて。」
真瀬莉緒
「そうですね…………わかりました。この楽器を借りますね。では…………。」
僕はその楽器で演奏をする…………
