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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 崎盾ジュン編
209/353

第3章 アクアマリンの水しぶき(崎盾ジュン編)後編

カルタで勝負した結果、私の勝ちだった。


真瀬志奈

「柚木さん…………。」


柚木アイラ

「負けましたね…………。気分転換にはなりましたか?」


真瀬志奈

「柚木さん!はい。何とかなりそうです。」


柚木アイラ

「志奈さん。…………私は、ジュンくんのことを信じています。何があろうとも…………だから、志奈さんもジュンくんのことを信じてください!」


柚木さんはいつになく、強く発言をする。その発言に私はグッとくる。


真瀬志奈

「…………わかりました!崎盾さんのこと…………任せてください!」


柚木アイラ

「ありがとうございます…………。」


すると、寮のサイレンが鳴る。あのとき以来だ。


真瀬志奈

「これは…………!?」


柚木アイラ

「屋上に行きましょう。みなさんを避難させましょう!」


真瀬志奈

「は…………はい!」


部屋から出ると生徒たちが慌てて、屋上へと向かう。私たちは生徒を屋上へと誘導しながら、自分も避難した。



六郭星学園 屋上



学生が全員、避難をしたことを確認し、屋上へ着く。自分のクラスメイトや伊剣さんたちを探すため、密になっているところをかき分けながら歩く。


そして、伊剣さんたちを見つける。相変わらず、伊剣さんと中神さんは口論になっている。


真瀬志奈

「崎盾さん…………。」


崎盾さんは何かを躊躇っている。やっぱり…………。


崎盾ジュン

「……………………。」


真瀬志奈

「崎盾さん!」


崎盾ジュン

「志奈さん…………。」


真瀬志奈

「私は…………信じています。崎盾さんのこと。自分が本当にしたいことをやれる…………そんなことを!」


崎盾ジュン

「志奈さん…………!!」


崎盾さんは何か吹っ切れた様子が見られた。そして、伊剣さんと中神さんのいるところに行く。


伊剣タイガ

「ジュン…………?」


中神シンジ

「何のつもりだ!」


崎盾さんは中神さんの前に立つ。伊剣さんを守るかのように。


崎盾ジュン

「もうやめたほうが良い。憶測で権力は使えない。」


中神シンジ

「お、お前…………!」


伊剣タイガ

「ジュン…………!」


崎盾ジュン

「これ以上、困らせるなら僕は生徒会を降りる。」


中神シンジ

「くっ…………。」


中神さんは避難解除もされていないのに、屋上をあとにした。


真瀬志奈

「あっ…………ちょっと、中神さん…………!」


崎盾ジュン

「放っておきなよ。少し、考えさせた方が良いよ。」


伊剣タイガ

「ジュン…………その…………。」


崎盾ジュン

「……………………。」


伊剣タイガ

「あ…………ありがとう。」


崎盾ジュン

「どういたしまして。タイガは会長なんだから、しっかりするんだよ。」


伊剣タイガ

「…………ああ!」


良かった…………崎盾さんは本当に吹っ切れたみたいだ。


真瀬志奈

「崎盾さん!」


崎盾ジュン

「志奈さん。ありがとう!おかげで心が救われたよ。」


真瀬志奈

「その調子です!私もお力になれればと思います!」


崎盾ジュン

「本当にありがとう…………!」


避難解除の指示が発表され、私たちは部屋に戻ることにした。


部屋に戻る際に、崎盾さんに謝恩会で歌っていただく声優さんのライブに誘われた。そのときに声優さんに曲を聞いてもらうことになった。もちろん私は快諾した。


そして…………ライブ当日。



ライブ会場



真瀬志奈

「ライブ…………始まりますね。」


崎盾ジュン

「そうだね。さっきはありがとう。」


真瀬志奈

「いえ…………でもまさか歌詞を書いていたなんて…………。」


どういう意味かと言うと、数時間前に声優さんに音源を聞いてもらった。その際に歌詞のことも聞かれ、私は少し戸惑いを隠せなかったが、崎盾さんが歌詞を書いていてくれた。その歌詞は、私には見せてくれなかったが声優さんはしばらく見つめたあと、頷いてくれた。


真瀬志奈

「とはいえ、私にも見せてくれれば良かったじゃないですか。」


崎盾ジュン

「ごめんごめん。…………でも、きっとわかってくれるはず。」


真瀬志奈

「…………?」


崎盾ジュン

「ほら。始まるよ。」


開演の暗転。そして明転すると、声優さんがいた。客席は歓声を上げる。


ライブが始まり、私たちは楽しむことでいっぱいだった。


ライブの中盤、客席の中から1人がステージに立つことができるくじ引きが行われた。


くじ引きの結果…………崎盾さんが選ばれた。


真瀬志奈

「崎盾さん!」


崎盾ジュン

「うん!行ってくる!」


崎盾さんはステージに上がる。


声優さんは崎盾さんをステージに上げると、崎盾さんにハグをして、そのあとに握手をした。


崎盾ジュン

「ありがとうございます…………!」


崎盾さんは、ステージに上がったことに感動しているのか、とても喜んでいた。私もとても嬉しくなった。


崎盾さんはステージを降りると、私のところに戻ると、とても興奮していた。ライブも熱気に溢れ、盛り上がる。


ボルテージは最大のまま、ライブが終幕する。



帰り道



真瀬志奈

「崎盾さん。良かったですね。」


崎盾ジュン

「うん。本当に良かったよ。…………今でも実感がわかない。僕、こんな大舞台に立ったんだって。」


私と崎盾さんはライブの感想を語りながら、帰路についている。


真瀬志奈

「それにしても、声優さんが歌う、謝恩会の曲ですけど…………。」


崎盾ジュン

「……………………?」


真瀬志奈

「少し、聞いてみても良いですか?どんな歌詞にしたのかを予想したいんです。」


崎盾ジュン

「そうか…………良いよ、聞いてみて。でもきっとわからないと思う。…………あっ。もしかしたら気持ちはわかるかもしれないね。」


真瀬志奈

「それじゃあ…………崎盾さんの気持ちを理解してみます!」


私は崎盾さんの気持ちを理解しようと、音源を聞く……………………



音源を聞いた。イメージがなんとなくわかった気がする。


真瀬志奈

「崎盾さん。伝えたい気持ちがわかった気がします。それで…………!」


崎盾さんは私の言う言葉を封じるように、私の前に片膝をつき、私の手を取る。


崎盾ジュン

「気持ちを理解してくれて嬉しい。…………けど、卒業まで待っていて。そこで、僕の口から言わせて欲しい。」


真瀬志奈

「崎盾さん…………わかりました。待っています。」


崎盾ジュン

「ありがとう…………志奈さん。」


私の心は少し、ドキドキしている。そんな心を持ちながら、学園に戻った。

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