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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 崎盾ジュン編
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第2章 桃色バルーンを跳ね返し(崎盾ジュン編)後編

声優さんたちが舞台に上がる。


上がった瞬間、観覧客は大盛り上がり。とても興奮している。


真瀬志奈

「すごい…………もうお客さんを虜にしていますね…………!」


崎盾ジュン

「さすが…………声優さんだよ。魅了するなんて…………!」


声優さんたちは1曲目から盛り上げる。そんな声優さんたちに私たちは、精一杯の応援をした。


真瀬志奈

「すごいです…………!」


私はとにかくすごいとしか言いようがなかった。


中盤に入り、色とりどりの巨大なバルーンが客席に浮かぶ。


お客さんたちは宙に舞う、バルーンを跳ね返しながらライブを楽しんでいる。


私たちの周りには、桃色のバルーンが近くに来る。


真瀬志奈

「崎盾さん!来ましたよ!」


崎盾ジュン

「うん!跳ね返すよ!!」


崎盾さんは桃色のバルーンを私と一緒に跳ね返した。


コンサート会場のボルテージはマックスに近い。


崎盾ジュン

「すごい…………盛り上がっているよ!改めて尊敬するよ!」


崎盾さんのテンションも上がっている。


佳境に入り、アンコールが始まる。声優さんたちのスタミナもすごい。


盛り上がったコンサートはまもなく終わる。少し寂しくなった。


崎盾ジュン

「大丈夫だよ。新しいコンサートが始まる。そんなことを思えば、また楽しくなるはず。」


崎盾さんは寂しくなった私のことを気にかけたのか、そんな言葉を伝えてくれた。


真瀬志奈

「そうですね…………。また楽しみにしています!」


崎盾さんは微笑み、コンサートを最後まで楽しんだ。


ボルテージが上がったコンサートも幕を閉じ、私たちは帰りの道中を歩く。



帰り道



真瀬志奈

「ああ…………楽しかったですね。」


崎盾ジュン

「そうだね。…………何か参考になったかな?」


真瀬志奈

「そうですね…………私はなんとなく曲のイメージが湧いています。」


崎盾ジュン

「お、さすが志奈さんだ!僕もイメージがあるんだ。そこの公園で少し話そうか。」


真瀬志奈

「そうですね。まだ時間はありますし、意見交換をしましょう!」



六郭星公園



誰もいない公園に着いた私たちはブランコに座り、意見交換を始める。


真瀬志奈

「私はこんな感じが良いと思いました。」


崎盾ジュン

「僕はこうじゃないかと思うんだけど…………。」


あれだけ熱いコンサートがあったのに私たちはいつの間にか頭を切り替えて、曲のアレンジなどを考えていた。


そして、結構な時間を要いてなんとなくの肉付けが決まる。


真瀬志奈

「これで明日、曲のアレンジを加えて…………崎盾さんに聞かせますね。」


崎盾ジュン

「ありがとう。僕もまた何かあったら言うよ。…………って、そろそろ門限が近いな…………急いで帰らないと。」


真瀬志奈

「まずいですね…………タクシー拾いましょうか?」


崎盾ジュン

「そうだね。幸い、校則違反にもならないからそうしようか。」


私たちはタクシーを拾い、乗り込んだ。



タクシーの車内



真瀬志奈

「ふぅ…………これなら門限に間に合いそうです。」


崎盾ジュン

「……………………。」


真瀬志奈

「崎盾さん?」


崎盾ジュン

「………………すぅ………………。」


どうやら眠っているみたいだ。


真瀬志奈

「…………風邪ひきますよ。…………はい。」


私は崎盾さんに私が着ていた上着をかけた。


真瀬志奈

「ふぅ…………。……………………。」


私も六郭星学園まで眠りにつくことにした。


崎盾ジュン

「……………………ありがとう…………志奈さん。」






六郭星学園寮 ロビー




??

「全く…………今日は門限ギリギリで来る生徒が多いな。」


そうぶつぶつ言うのは、遊馬雄三(あすま ゆうぞう)先生だ。


真瀬志奈

「すみません。今日はコンサートでして…………。」


遊馬雄三

「そういえばそうだったな…………。水崎も言っていたな。」


崎盾ジュン

「水崎…………?ああ、水崎アサヒ(みずさき あさひ)か…………彼女も来ていたんですか?」


遊馬雄三

「そろそろ来るはずだが…………ああ。来たようだ。」


水崎アサヒ

「すみません。遅くなり…………。」


遊馬雄三

「門限はまだ大丈夫だ。問題はない。それより、霧宮と風亥がまだだが…………。」


崎盾ジュン

「風亥ノクア(かぜかい のくあ)くんと霧宮ナツハ(きりみや なつは)さんですか?彼らもコンサート会場にいたんですか?」


水崎アサヒ

「ん?…………ああ、生徒会の2人も来ていたのか。彼たちは関係者席で楽しく聞いていたそうだ。羨ましい限りだ。」


噂をすると、風亥さんと霧宮さんがやって来る。


風亥ノクア

「すみません…………遅れました。」


霧宮ナツハ

「申し訳…………ないです。」


遊馬雄三

「………………霧宮。体調が悪いのか?仕事のし過ぎじゃないのか?」


霧宮ナツハ

「いえ…………大丈夫です。」


風亥ノクア

「…………ナツハ。無理してないよな?」


霧宮ナツハ

「大丈夫よ…………。さ、部屋に戻りましょう。」


風亥ノクア

「あっ…………ちょっと…………!」


霧宮さんはその場から逃げるように部屋に戻る、風亥さんも追いかけるように部屋に向かった。


水崎アサヒ

「まさか、こんなタイミングで有名人と会えるだなんて…………。うむ。感慨深い。」


確かにあの2人は有名人だ。霧宮さんはモデル。風亥さんは番組のレギュラーをやっている。


水崎アサヒ

「さて…………そろそろ私も戻ろう。またどこかで会おうじゃないか。」


水崎さんは有名人に会えたことが理由か、嬉しそうな様子で部屋に戻る。


遊馬雄三

「そろそろ戻ったらどうだ?夜も遅くなる。」


真瀬志奈

「はい…………ありがとうございます。では、失礼します。」


お礼を伝え、それぞれの部屋に戻った。…………そして、後日。



六郭星学園 音楽室



私たちは声優さんに歌ってもらう曲のアレンジを作っている。この間のコンサートで何かを得た気がする。


真瀬志奈

「それじゃあ、ちょっと演奏をしてみますね。」


崎盾ジュン

「うん。どうなるんだろう…………。」


真瀬志奈

「大丈夫ですよ。きっと…………。」


私は迷いなく演奏を始める…………。



真瀬志奈

「どうですか?」


演奏を終え、崎盾さんに聞く。そして…………。


崎盾ジュン

「最高だよ。なかなかやるじゃない!さすが志奈さんだ。僕の予想をいつも上回ってくれる。」


真瀬志奈

「崎盾さん…………!」


崎盾ジュン

「このまま頑張ろう…………そして、声優さんに良い曲を歌ってもらうんだ!」


真瀬志奈

「はい!」


私は自信をつけて、練習を切り上げようとしたとき、サイレンが鳴った。


真瀬志奈

「な、何…………!?」


崎盾ジュン

「来たか…………。」


すると音楽室に愛森先生が入って来た。


愛森宇蘭

「2人とも大変!急いで生徒たちを屋上に避難させて!」


そう言うと、私はすぐに伊剣さんの言っていたことを思い出した。


真瀬志奈

「わかりました!すぐに避難させます!」


私たちは急いで生徒たちを避難経路へ誘導させる。


真瀬志奈

「避難させました!あとは私たちだけです。」


崎盾ジュン

「わかった。じゃあ、屋上へ行こう!」


避難が完了し、私たちも屋上へ向かう。



六郭星学園 屋上



屋上に向かうと、クラスメイトたちが待機している。私たちは急いで伊剣さんたちを探す。


思いのほか早く見つかる。私は声をかけようとすると、中神さんが伊剣さんの胸ぐらを掴んでいた。


真瀬志奈

「い…………伊剣さん!」


中神シンジ

「伊剣…………貴様のせいでこんなことになったんだぞ!」


伊剣タイガ

「……………………安直な考えはやめろ。身を滅ぼすだけだ。」


中神シンジ

「貴様…………!!」


真瀬志奈

「きゃあ!」


伊剣さんに殴りかかろうとした中神さんに私は思わず、叫び目を閉じる。


目を開けると、莉緒が中神さんの腕を掴んでいた。


中神シンジ

「何のつもりだ!」


真瀬莉緒

「暴力はいけないよ。先生も見ているから、気を付けた方が良いよ。」


中神シンジ

「くっ…………。」


中神さんはどこかへ行ってしまった。


崎盾ジュン

「……………………。」


伊剣タイガ

「ジュン…………?どうしたんだ?」


崎盾ジュン

「あ、うん…………何でもない。ごめん。」


真瀬志奈

「崎盾さん…………。」


真瀬莉緒

「姉さん…………?姉さんも何か心配しているの?」


真瀬志奈

「うん…………ちょっとね。」


崎盾さんは何か苦しんでいそう…………。


私は何も声をかけれないまま、避難が解除され部屋に戻った。

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