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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 柚木アイラ編

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第4章 赤い本を読んで(柚木アイラ編)前編

冬。相変わらずの平穏な日々を過ごしている。声優さんに歌ってもらう楽曲はほぼ完成し、歌詞は柚木さんに任せっきりになっている。いや…………歌詞はどうなったかを聞くと、そこまで教えてもらえないからあまり協力をできていない。そんな僕は図書委員の仕事をしている。今日はお客さんが2人もいる。


雪谷マコト

「色々と大変でしたね…………。」


真瀬莉緒

「そうですね…………まあ、色々とやっています。」


木沢アカリ

「ウチも心配していたんだ。でもまあ頑張っているだけで偉いよ!」


真瀬莉緒

「木沢さん…………ありがとうございます。でも、お静かにお願いします。」


木沢アカリ

「へへへ…………じゃあ、またね!」


雪谷マコト

「僕も失礼します。またいつかお伺いいたします。」


真瀬莉緒

「2人ともありがとうございます。またよろしくお願いいたします。」


そう言うと、2人は頷き、図書室から出て行った。


2人がいなくなり、図書室は僕と柚木さんだけになった。


柚木アイラ

「誰もいなくなったので…………そろそろ図書室も閉めましょう。…………例のあれもあるので。」


真瀬莉緒

「ああ…………期末テストですね。」


六郭星学園のテストは1年に1回しか行われない。しかもそのテストは1年間に学んだものが出題範囲になっている……つまりはかなり膨大な範囲のテストが行われる。


真瀬莉緒

「やっぱり不安ですか?」


柚木アイラ

「はい…………私もあまり自信がないので…………。」


真瀬莉緒

「…………勉強しましょうか。」


柚木アイラ

「…………はい。」


僕たちは誰もいない図書室で勉強を始めた。


柚木アイラ

「ここは…………こうでしたよね。」


真瀬莉緒

「はい…………ここはこうで…………そうですね。」


勉強は順調だった。これならきっと赤点は取らないだろう。


真瀬莉緒

「それじゃあ…………そろそろ…………」


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「えっ…………。」


ギギ……ガガ…………。


耳鳴り……?くっ……苦しい……!


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………!」


柚木アイラ

「り…………莉緒さん!?」


僕はそのまま倒れて意識が遠のく…………



六郭星学園寮 莉緒・ジュンの部屋



目が覚めると、自分のベッドで横になっていた。そして、向かいの机には柚木さんが座っておりうつぶせになっていた。


崎盾ジュン

「目が覚めたかい?」


ドアの方を見ると、崎盾さんがドアを開けながら立っていた。


崎盾ジュン

「大丈夫かい?アイラが泣きながら僕に助けを求めてきたんだよ。僕は慌てて先生にお願いしてこの部屋まで運んでもらったんだ。」


真瀬莉緒

「そうだったんですか…………。」


崎盾ジュン

「それに、アイラも自分の部屋に戻らずに看病していたんだ。アイラにはお礼を言った方が良いよ。」


真瀬莉緒

「柚木さんが?…………そうですね。」


僕はベッドから起き上がり、クローゼットにかけていた上着を取り、柚木さんにかけた。


真瀬莉緒

「柚木さん。ありがとうございます。」


僕はお礼を言って、寝間着に着替えて再び布団に入った。



そして、数日後…………。



期末テスト当日



愛森宇蘭

「今日は期末テストです。テストは自分の結果を知るためのものです。準備は良いでしょうか?」


クラスメイトたちが「はい。」と答える。


愛森宇蘭

「それじゃあ……開始!!」


僕はその言葉で裏返したプリントをめくる……



テスト終了のチャイムが鳴る。

僕のプリントは空白欄は無く、出来る限りの答えを出した。そして全員が提出した……


テストの結果は大広間にて貼り出される。1位から最下位まで名前が載る。貼り出されるまでの間、ドキドキが止まらない。


そして……結果発表当日。


柚木アイラ

「いよいよですね…………。」


真瀬莉緒

「はい…………あっ、貼り出されましたよ!」


そして、テストの順位が貼り出される……

生徒の人数は700人前後……僕たちの結果は……。


真瀬莉緒

「僕は……49位!良いところかも……!」


700人中の49位。上位にいると言っても過言ではない。


柚木さんの結果は…………?


柚木アイラ

「19位…………。なかなかの結果…………!」


どうやら満足のいく結果のようだ。


他の2人の結果は…………?


笹野ユリ

「25位。上位ね。」


三蜂レンカ

「31位…………まあまあの結果ね。」


どうやら2人の結果も満足がいく結果だった。


あとは声優さんに音楽を聞いてもらう。そして、その楽曲を課題で発表する。


僕たちは大広間をあとにし、声優さんの楽曲のデモテープを作るために、音楽室に向かう。



六郭星学園 音楽室



真瀬莉緒

「それじゃあ…………早速、演奏しましょうか。」


柚木アイラ

「はい…………。ではお願いいたします。」


僕たちは演奏を録音する…………。


柚木さんの演奏は今まで以上に上手く、かなりすごいレベルの演奏になった。


僕は録音を止めた。デモテープの完成だ。


真瀬莉緒

「完成しましたね。…………あとは声優さんに聞いてもらうだけですね。」


柚木アイラ

「はい…………。喜んでくれるかしら…………?」


真瀬莉緒

「大丈夫です。これまでの柚木さんを見ているので僕はきっと大丈夫だと思います。」


柚木アイラ

「莉緒さん…………。」


真瀬莉緒

「…………数日後、よろしくお願いいたします。」


柚木アイラ

「…………はい。」


僕たちはそう言い、音楽室を去る。…………そして数日後になり、声優さんに聞いてもらう日が来た。

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