表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 柚木アイラ編
197/349

第3章 土色に汚れて(柚木アイラ編)後編

六郭星学園寮 莉緒・ジュンの部屋



真瀬莉緒

「ふう…………今日は何もなかったですね。」


崎盾ジュン

「そうだね。このまま何もなければ良いんだけど…………。」


真瀬莉緒

「……………………。」


崎盾ジュン

「ところで、莉緒くん。アイラのことなんだけどさ…………。」


真瀬莉緒

「柚木さんですか?何かありましたか?」


崎盾ジュン

「この間、君のお姉さんに聞いたんだけど、アイラ…………夜中に何かぶつぶつと呟いているんだ。読み物をしているみたいだけど…………。」


真瀬莉緒

「読み物ですか…………。あの本ですかね?」


崎盾ジュン

「お、心当たりがあるのかい?」


真瀬莉緒

「はい。実は…………。」


すると、こんな時間にサイレンの音が鳴る。


真瀬莉緒

「これは…………!?あのときの…………!」


崎盾ジュン

「急いでみんなを避難させるんだ!避難場所は屋上で!」


真瀬莉緒

「了解です!」


僕たちは、学生たちを避難させる。避難をさせたあと、僕たちも避難する。



六郭星学園 屋上



屋上に向かうと、笹野さんと三蜂さんが迎えてくれた。


笹野ユリ

「莉緒くん!無事だったのね!」


笹野さんは安心するが、三蜂の様子が変だ。


真瀬莉緒

「三蜂さん?何かありましたか?」


三蜂レンカ

「やばい…………シンジがこっちに向かって来るわ。」


真瀬莉緒

「中神さんが?」


そう言うと、中神さんがこちらにやって来る。


中神シンジ

「貴様ら…………!」


真瀬莉緒

「……………………。」


次第に、伊剣さんもやって来た。


伊剣タイガ

「シンジ。やめろ。彼らは何も悪くない。」


中神シンジ

「うるさい!こいつらはきっと知っていたはずだ!俺は今からこいつらを…………!」


真瀬莉緒

「……………………。」


僕は柚木さんを守るように柚木さんの前に立ち、僕は言った。


真瀬莉緒

「僕たちは何も知りません。過激なあなたに従うつもりはありません。」


中神シンジ

「き…………貴様ぁ!!」


中神さんが手を上げる。…………僕は目をつぶる。



……………………頬を叩かれる。そんな感触がなかった。僕は目を恐る恐る開ける。


目を開けると、崎盾さんが中神さんの手を力強く掴んでいた。


中神シンジ

「崎盾…………!」


崎盾ジュン

「彼らは何も知らない。憶測で権力を使うな。君は生徒会に向いてない。」


中神シンジ

「な…………なんだと…………!」


それに続いて、伊剣さんも発言する。


伊剣タイガ

「図書室は閉鎖することはない。次に同じようなことがあったら、生徒会から外す。」


中神シンジ

「……………………。」


中神さんはうなだれ、屋上の片隅に座り込んだ。


伊剣タイガ

「大丈夫かい?」


真瀬莉緒

「はい…………何とか。」


真瀬志奈

「莉緒!」


姉さんも駆けつける。なんだか久しぶりに会った気がする。


真瀬志奈

「良かった…………無事で…………。タイガもジュンもありがとう。」


真瀬莉緒

「ありがとうございます。おかげで柚木さんも無事です。」


柚木アイラ

「ジュンくん…………。ありがとう。莉緒さんも。」


崎盾ジュン

「なに…………今回は生徒会のミスだから…………それに、莉緒くんも守ってくれた。」


柚木アイラ

「ええ。莉緒くん…………ありがとうございます。」


真瀬莉緒

「いえ…………柚木さんが無事で良かったです。」


柚木アイラ

「莉緒くん…………!」


僕たちはお互いを見つめ合う…………。


三蜂レンカ

「……………………。」


笹野ユリ

「良いの?あれ、多分あれよ?」


三蜂レンカ

「…………もう良いの。私も間違っていたみたい。」


笹野ユリ

「そう。レンカが良ければそれで良いけど。」


遠くで、三蜂さんたちが何かを喋っている。僕たちの方からはあまり聞こえなかったが、何かが落ち着いたのだろう。


僕たちは先生方から、避難解除の通達を受けて寮の方へ戻った。



六郭星学園 音楽室



図書室を潰されることはなくひと段落して、僕と柚木さんは音楽室で謝恩会で声優さんに歌ってもらう楽曲の作曲を安心して作ることができるようになった。


柚木さんの演奏を聞くのは久しぶりではあるが、以前聞いたときよりとても上手くなっている。


真瀬莉緒

「さすがですね。柚木さんの演奏は色々な感情が溢れてとても感動します…………!」


柚木アイラ

「ありがとうございます…………!そう言われると…………私も嬉しいです。」


柚木さんは照れながら言う。そして、僕たちは作曲した曲を全体を通して演奏することになった。


真瀬莉緒

「それでは…………いきましょうか。」


柚木アイラ

「はい…………。」


僕たちは声優さんに歌ってもらう楽曲を全体を通して演奏する…………!



演奏が終わり、僕たちは喜びを分かち合った。とても良い出来だったからだ。


真瀬莉緒

「やりましたね。この状態ならきっと声優さんも喜びますよ!」


柚木アイラ

「はい…………!…………ところで、歌詞の方はどうしましょうか?」


真瀬莉緒

「あっ…………そうですね。…………どうしましょうか?」


柚木アイラ

「あの…………もし良ければですけど…………私に書かせていただけませんか?」


真瀬莉緒

「柚木さんがですか?…………そうですね…………。」


僕は少し考える…………文章好きの柚木さんだ。とても良い歌詞を書いてくれそうだ。


真瀬莉緒

「柚木さん…………お願いできますか?」


柚木アイラ

「もちろんです。では…………期待してください。」


真瀬莉緒

「はい。よろしくお願いします。」


こうして、作詞は柚木さんに任せることになった。



六郭星学園寮 莉緒・ジュンの部屋



真瀬莉緒

「ただいま戻りました。」


崎盾ジュン

「おかえり。その様子だと、色々進んだみたいだね。」


真瀬莉緒

「はい。色々と頑張って作ることができました。」


崎盾ジュン

「うん。図書委員の作った曲…………期待しているよ。」


真瀬莉緒

「…………はい!」



六郭星学園寮 志奈・アイラの部屋



柚木アイラ

「少年は…………少女を守り…………そして…………」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ