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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 柚木アイラ編
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第3章 土色に汚れて(柚木アイラ編)中編

六郭星学園 中庭


中庭に来た僕は、秋風を浴びながら色々と考えていた。


真瀬莉緒

「図書室を破壊させないようにするにはどうすれば…………?」


そのとき、あたり一面が眩い光に包み込まれた。


真瀬莉緒

「な、なんだ!?」


光が消えるとそこには1人の女性がいた。


真瀬莉緒

「あ、あなたは…………?」


虹谷アヤ

「あなたが真瀬莉緒ね。私は虹谷アヤ(にじや あや)。」


真瀬莉緒

「なぜ僕の名前を…………?」


虹谷アヤ

「気にしないで。いずれわかるわ。」


真瀬莉緒

「は、はぁ…………それで、一体何をしに…………?」


虹谷アヤ

「私はある人物を追っていてね…………。その人物は容疑者なの。」


真瀬莉緒

「よ…………容疑者?一体誰が…………?」


虹谷アヤ

「決まっているでしょ?柚木アイラ。彼女のことを追いかけてるわ。」


真瀬莉緒

「柚木さんが!?一体何故…………?」


虹谷アヤ

「それは…………あなたにとっては後悔するだけよ。」


真瀬莉緒

「それは一体どういうことですか!!」


虹谷アヤ

「あなたには関係ないわ。…………さ、彼女を連れて行くわよ。」


真瀬莉緒

「……………………!」


僕は虹谷という人の前に立ちふさがった。


虹谷アヤ

「一体、何の真似かしら?」


真瀬莉緒

「…………僕はあなたの言うことが信じられません。それに彼女が何か犯罪を犯すことなんてありえないです。どうかお引き取り願います。」


虹谷アヤ

「しかしね…………。」


真瀬莉緒

「拒んでも無駄です。僕は信じます。」


虹谷アヤ

「…………仕方ないわね。でもこれで…………また1人…………。」


真瀬莉緒

「…………?それってどういうことですか?」


虹谷アヤ

「それはあなたが後悔をするだけのことよ。では…………またどこかでお会いしましょう。」


虹谷という人はそう言うと、再びあたり一面が真っ白に光る。そして、光が消えると虹谷という人はいなくなっていた。


真瀬莉緒

「な、なんだったんだ一体…………?」


僕は不思議に思うものの頭を切り替えて、図書室に向かおうと思ったとき…………


崎盾ジュン

「莉緒くん!」


声が聞こえる方を振り向くと、崎盾さんがいた。


真瀬莉緒

「崎盾さん!」


僕は名前を呼ぶと、崎盾さんは頭を下げる。


崎盾ジュン

「ごめん…………。シンジを止めることができなくて…………。」


真瀬莉緒

「そんな…………崎盾さんは何も悪くないですよ。頭を下げないでください!」


崎盾ジュン

「莉緒くん…………。」


真瀬莉緒

「それよりも、今は中神さんを止めないと。僕も柚木さんも図書室を守りたいです。」


崎盾ジュン

「……………………。」


真瀬莉緒

「…………崎盾さん。中神さんや伊剣さんとの関わりに消極的ですが、何かあったんですか?」


崎盾ジュン

「…………それは…………言えない。」


崎盾さんはうろたえてしまう。そんなとき、僕はあることを思いついた。


真瀬莉緒

「…………崎盾さん。勝負しませんか?」


崎盾ジュン

「勝負…………?」


真瀬莉緒

「勝負して僕が勝ったら、僕たちに協力をしてください。」


崎盾ジュン

「…………わかったよ。じゃあ…………やろうか。」


僕たちはグラウンドに行き、勝負する…………!



勝敗の結果は僕の勝ちだった。すっかり泥だらけになってしまった。


真瀬莉緒

「崎盾さん。僕が勝ちました。」


崎盾ジュン

「わかってる。…………おかげて決心がついたよ。僕はタイガ側につくよ。」


真瀬莉緒

「伊剣さん側に?それって…………?」


崎盾ジュン

「タイガは図書室を守りたいって言っているんだ。タイガもこっち側につくよ。」


真瀬莉緒

「伊剣さんが…………!?それは頼もしいです!」


崎盾ジュン

「うん。アイラのためにも頑張ろう。みんなで図書室も守るんだ!」


真瀬莉緒

「はい!ありがとうございます!では、図書室に行きましょう!」


泥だらけの身体になった僕たちはシャワーで洗い流し、綺麗になった僕たちは図書室に向かうことにした。



六郭星学園 図書室



図書室に向かうと、そこには鹿崎先生がいた。1日中見張っているのだろう。


鹿崎咲也

「おお、2人とも。今、柚木も来ているぞ。中にいる。」


真瀬莉緒

「柚木さんがですか?…………それじゃあ、中に入りますね。」


僕たちは図書室の中に入る。


中に入ると、柚木さんがいた。


柚木アイラ

「莉緒さん…………。」


真瀬莉緒

「柚木さん。僕も図書室を守ります。一緒に頑張りましょう!」


柚木アイラ

「莉緒さん…………!ありがとうございます!」


僕は柚木さんと一緒に、図書室の中を守ることにし、崎盾さんは鹿崎先生と廊下で見張ってもらうことになった。


僕たちは、まず図書室内の見回りをして、異変が無いかを確認した。


真瀬莉緒

「どうやら、異変は無いみたいですね。」


柚木アイラ

「はい…………。そうみたいですね。」


僕は椅子に座ろうとしたとき…………


真瀬莉緒

「えっ…………。」


ギギ……ガガ…………。


耳鳴り……?くっ……苦しい……!


ギギ……ガガ…………。


真瀬莉緒

「ぐっ……ああああ…………!」


柚木アイラ

「莉緒さん…………!?大丈夫ですか!?」


柚木さんは、僕を支えながら椅子に座らせた。


真瀬莉緒

「…………はぁ…………はぁ。すみません。大丈夫です。」


柚木アイラ

「それなら良かったです…………。お身体に気を付けてください。」


真瀬莉緒

「はい…………。気を付けます。」


柚木アイラ

「…………でも、莉緒さん。どうしてそこまで図書室にために…………?」


真瀬莉緒

「そうですね…………。図書室も大事ですが…………。柚木さんのことも大切ですからね。僕はここを守ります。」


柚木アイラ

「えっ…………!?それって…………。」


真瀬莉緒

「柚木さん。守りましょう…………図書室を。」


柚木アイラ

「………………はい。」


この日は異変もなかったため一旦、寮の部屋に戻ることにした。

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