表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第4部 柚木アイラ編
195/353

第3章 土色に汚れて(柚木アイラ編)前編

秋。図書委員の仕事にも慣れ、楽曲制作もどんどん進んでいる。ただ、平凡な1日を毎日毎日過ぎていく、そんな気分だ。そんな今日は、あるお客さんが来ていた。


雪谷マコト(ゆきや まこと)。とにかく真面目な人で、とても礼儀正しい。図書室には最近、来ることが多くその度に話がはずむ。


雪谷マコト

「いつもありがとうございます。」


真瀬莉緒

「こちらこそです。またよろしくお願いいたします。」


雪谷マコト

「もちろんです。それではまたお会いしましょう。」


雪谷さんは一礼をして、図書室をあとにした。


柚木アイラ

「莉緒さん。…………お疲れ様です。順調ですね。」


真瀬莉緒

「柚木さん。恐れ入ります…………。」


柚木アイラ

「今日はそろそろ切り上げましょう…………。莉緒さんは今日はお時間ありますか…………?」


真瀬莉緒

「ああ、今日は特にこれと言った用事はありませんし…………何かありましたか?」


柚木アイラ

「はい。一緒にご飯でもどうかと…………。」


真瀬莉緒

「あ、良いですね。食堂にしますか?レストランにしますか?」


柚木アイラ

「そうですね…………じゃあ、レストランに行きましょう…………。」


真瀬莉緒

「わかりました。では行きましょうか!」


そして僕たちはレストランに行くことにした。



レストラン



ウエイトレス

「いらっしゃいませ。2名様ですね。こちらの席をお使いください。」


案内された席は、とても景色が良いオープンテラスだった。


柚木アイラ

「とても綺麗…………ですね。」


真瀬莉緒

「はい。街並みのネオンが鮮やかにきらめいていますね。」


柚木アイラ

「ええ…………。」


柚木さんはそう言うと、赤い本を開き、読みだした。


真瀬莉緒

「お、いつもの本ですね。今度内容を教えてくださいね。」


柚木アイラ

「ふふ…………もちろんです。」


柚木さんが微笑むと同時に、炭酸水が運ばれてきた。


僕たちは、炭酸水の入ったグラスを手に取り、乾杯する。


真瀬莉緒

「これからも…………よろしくお願いします。」


柚木アイラ

「もちろんです…………よろしくお願いします。」


僕たちは食事を楽しみ、学園に戻ることにした。



六郭星学園寮 ロビー



僕たちは寮のロビーに着くと、急にサイレンの音が鳴る。


真瀬莉緒

「これは…………!!」


柚木アイラ

「大変です。急いでみなさんを避難させないと!」


真瀬莉緒

「えっ、あっ…………わかりました。」


僕たちは生徒たちを屋上へ避難させ、自分たちも屋上へ避難した。



六郭星学園 屋上



屋上に行くと、生徒たちが屋上の床に座り込んでいた。


笹野ユリ

「あ、莉緒くん。アイラも。」


三蜂レンカ

「みんな無事に避難したわ。ただ…………。」


真瀬莉緒

「ただ…………?」


三蜂さんが指をさす方を見ると、生徒会が揉めていた。


中神シンジ

「おい!なぜあの獣を野放しにする!?さっさと始末しろ!」


伊剣タイガ

「無理を言うな。先生方の指示だ。それに来川医師の意見もある。」


中神シンジ

「ふん…………そんな意見は必要ない!」


崎盾ジュン

「……………………。」


真瀬志奈

「ねえ、2人とも落ち着いて…………!」


姉さんが止めに入る。するとなにやらEクラスのいるところの様子がおかしかった。


僕はEクラスの方に向かうと、夜坂さんが倒れていた。


夜坂ケント

「うう………………くっ………………!」


真瀬莉緒

「夜坂さん…………!?」


夜坂ケント

「うっ…………うおおおおおおおお!!」


真瀬莉緒

「うわあ!!」


夜坂さんは獣の姿に変身した。僕は驚き、周りの生徒は僕の付近から逃げ出した。


夜坂ケント

「ぐうるるるるるるる!!」


まずい…………!


夜坂ケント

「がおおおおおおおお!!」


真瀬莉緒

「うわあああああ!!」


僕は意識が遠のく…………。



六郭星学園 保健室



??

「うっ…………ぐすっ…………。」


目が覚める。僕は保健室の天井を眺めていた。どうやら助かったようだ…………。


横を見ると、柚木さんが隣で泣いていた。


真瀬莉緒

「柚木さん…………?」


柚木アイラ

「良かった…………目が覚めて…………。」


近くには姉さんも立っていた。


真瀬志奈

「良かった…………。無事で…………。」


真瀬莉緒

「姉さん…………俺、何があったかわからないんだけど…………。」


真瀬志奈

「ええ。それなんだけれど…………。」


姉さんが後ろを振り向くと、愛森先生がいた。


真瀬莉緒

「愛森先生…………?」


愛森宇蘭

「ごめんなさい…………。彼を止めることができなかった…………本当にごめんなさい。」


真瀬莉緒

「愛森先生?…………どうして謝るんですか?」


日比谷直輝

「いや…………謝るのは私の方だ。」


今度は日比谷先生がやって来る。日比谷先生もいつもの雰囲気と違い、戸惑いが見えていた。


日比谷直輝

「すまない…………中神を止めることができなかった。あいつは今、図書室を破壊する計画を立てている。」


真瀬莉緒

「図書室を!?一体何故ですか!?」


日比谷直輝

「夜坂の件があっただろう。それを真瀬と柚木が知っていたんじゃないかって、思い込みをし始めたんだ。今のところは咲也が図書室を見張って、特に異変はないみたいだが…………。」


真瀬莉緒

「そんな…………!僕たちは知りませんよ!!」


日比谷直輝

「わかっている。ただ…………中神は暴走するとなかなか止められない。伊剣より石頭だからな…………。」


真瀬莉緒

「まずいですね…………どうにかしないと。」


柚木アイラ

「莉緒さん…………。」


ひとまず僕は重たい足を動かして、中庭に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ