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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 土原ガク編
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第4章 臙脂色の手袋(土原ガク編)中編

声優さんのオーディションが中止に…………なんてこと…………。土原さんはショックを受けていた。でも…………。


真瀬志奈

「……………………可能性ならまだあるわ。」


土原ガク

「…………?それは、一体どういうことですか?」


真瀬志奈

「私たち姉弟はパイプが太いんです。この声優さんには提供はしたことはありませんが、話をつけることなら可能です。」


土原ガク

「それなら…………!」


真瀬莉緒

「話は僕からつけておくよ。何か進展があったら、姉さんたちに言うよ。頑張ってね。」


そう言って、莉緒は音楽室をあとにした。


土原ガク

「志奈さん…………ありがとうございます。おかげでまだ頑張れそうです。」


真瀬志奈

「まだ決まったわけではありませんから、今からできることをやっていきましょう。」


土原ガク

「そうですね…………。じゃあ、やりましょうか!」


真瀬志奈

「はい!」


私たちは今できることを必死に取り掛かることにした。



六郭星学園 Bクラス教室



あれから数日。莉緒からの返事がまだない。難航をしているのかしら…………?


私は上の空なホームルームを終えて、寮に戻ろうとしたとき、凪野先生から声をかけられた。


凪野雪緒

「なあ、今日のホームルーム、なんか変だったぞ。大丈夫か?」


真瀬志奈

「凪野先生…………。すみません。ちょっと色々と考え込んでいました。」


凪野雪緒

「珍しいな…………でもまあ卒業も近いし、色々と考えることもあるからな。頑張れよ。」


真瀬志奈

「ありがとうございます。」


凪野雪緒

「ああ!」


そのとき、莉緒が教室に入って来た。


真瀬莉緒

「失礼します。」


凪野雪緒

「おー!弟か!珍しいな。今日はどうしたんだ?姉と話でもあるのか?」


真瀬莉緒

「はい。その通りです。少し、姉をお借りします。」


凪野雪緒

「そうか…………じゃあ、俺はこの辺で。姉弟の時間をゆっくりしろよ!」


凪野先生は教室から出ていき、莉緒は話を始める。


真瀬莉緒

「あの声優さんのことだけど、無事に楽曲を聴いてもらう段取りができたよ。」


真瀬志奈

「本当!?ありがとう!これで土原さんも喜ぶわ!」


真瀬莉緒

「うん!課題発表のあとにはなるけど、聴いてもらうだけ聴いてもらおう。どうなるかはわからないけれど…………。」


真瀬志奈

「そうね…………。どうなるかは声優さんの判断次第ね。」


真瀬莉緒

「ああ。そうだね。…………ガクに教えてあげたら?」


真瀬志奈

「あっ、そうね。教えに行くわ。」


私は土原さんを探しに行くことにした。



六郭星学園 中庭



土原さんを探しに中庭に来た。土原さんは…………いた。雪だるまを作っていた。


真瀬志奈

「雪だるまを作ってたんですね。」


土原さんは私に気づいて返事をする。


土原ガク

「ええ。久々に見つかった手袋があったのでつい…………。」


手袋を見ると、臙脂色の手袋をしていた。


真瀬志奈

「臙脂色…………好きなんですね。」


土原ガク

「はい。臙脂色は前にも好きとは言いましたが、あの性格でも、この性格でも好きなものは好きなんです。」


真瀬志奈

「素敵ですね。」


土原ガク

「ああ、はい…………ありがとうございます。…………ところで何かあったんですか?」


真瀬志奈

「はい。…………実は。」


私は声優さんに楽曲を聴いてもらう段取りができたことを話した。


すると土原さんはとても喜んでいた。安心して課題に挑める。そう言っていた。


私たちは互いに喜びを分かち合って、中庭をあとにした。


そして、数週間後…………



六郭星学園 大講堂



いよいよ、課題発表当日になった。課題はKクラスから1ペアずつ発表していき、そこからJクラス、Iクラスといき、Sクラスと回っていく。1ペアずつなので3日間に分けて発表をしていく。


そして今日はBクラスが発表していく。


Bクラスのトップを飾ったのは綿垣さんのペアだ。

綿垣さんのペアは戦国武将の甲冑を再現した模型を作った。


錦戸アケミ

「こんな作品を作るなんて……!なかなかやるじゃない。」


錦戸さんから驚いた様子が見れた。


中盤に入ると次は雪谷さんのペアが発表の時間になった。


雪谷さんのペアはマジックショーを披露した。


秋葉サヤ

「さすが…………マコトくん。すごいわ。」


秋葉さんが認めるほどと言うことはなかなかの実力なのだろう。


そして終盤に入る……そしてBクラスのトリを飾ったのは私たちだ。


真瀬志奈

「準備はできましたね?」


土原ガク

「ええ。もちろんです。…………ふぅ。」


土原さんは何かお疲れのようだった。眠たそうに見える。


真瀬志奈

「土原さん大丈夫ですか?」


土原ガク

「ええ…………何とか…………。でも、やるからにはしっかりとやります!」


真瀬志奈

「その調子です。では…………行きましょう!」


私たちはステージの上に立つ。


真瀬志奈

「行きますよ…………。」


私は合図を出して、演奏を開始する…………!



演奏を終える、他の人の反応は…………?


男子生徒A

「…………良い曲を聴いたよ!ありがとう!」


女子生徒B

「とても良かった……!すごいです!」


私たちは拍手喝采に包まれる。そうか……やったんだ……!


凪野雪緒

「……………………良かった。」


矢次由佳里

「そうね。あの2人、頑張ったわね。」


凪野雪緒

「ああ…………良かった。本当に頑張った。」


ステージから降り、私たちは喜びを分かち合った。


真瀬志奈

「やりましたね!」


土原ガク

「ええ!志奈さんのおかげです!ありがとうございます。」


真瀬志奈

「お礼はまだ早いです。声優さんの件がありますよ。」


土原ガク

「そうでしたね。どうなるかはわかりませんが、最高の結末を信じて、頑張りましょう!」


真瀬志奈

「…………はい。」


そして…………後日。

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