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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 土原ガク編

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第3章 スノーホワイトの雪が降り(土原ガク編)後編

六郭星学園 Bクラス教室



教室へ行くと、そこには土原さんがいた。


真瀬志奈

「土原さん…………。」


土原ガク

「志奈ちゃん!大丈夫だったんだね!良かったー!」


真瀬志奈

「あの…………あのときの土原さん…………なんだか別人でした。」


土原ガク

「……………………。」


真瀬志奈

「あの、ありがとうございました。でも…………土原さん、苦しんでませんか?」


土原ガク

「……………………。」


真瀬志奈

「私…………今度、パーティーがあると聞いて、そこで先生方に頼んであの作った曲を演奏しようと思います。その曲は土原さんのことを想像してアレンジしました。そこに私を助けてくれたときの土原さんのことも加えたアレンジを入れてさらに良い曲を演奏します。」


土原ガク

「……………………。」


真瀬志奈

「その曲を聞いて、どうするかはお任せします。」


土原ガク

「……………………。」


それを聞いて土原さんは教室から出て行った。


土原さん。待っていてください。



六郭星学園 音楽室



早速、私はアレンジを加えて莉緒に聞いてもらった。


真瀬莉緒

「なるほど…………これが…………色々なガクを入れたアレンジだね。」


真瀬志奈

「ええ、どうかしら?」


真瀬莉緒

「うん。良いと思うよ!これでガクを苦しみから解放するんだ!」


真瀬志奈

「ええ!頑張るわ!」


そして、数週間後…………



六郭星学園 大講堂



今日はパーティーだ。いろんな生徒たちが、大講堂にいる。みんないろんな人と話をしている。


雪谷マコト

「すごい人ですね…………。この中で演奏するんですよね?僕もドキドキしてます。」


綿垣キョウゴ

「ああ…………全くだ。頑張れよ。」


真瀬志奈

「はい。頑張ります。」


一方で土原さんは…………。


土原ガク

「イェーイ!!盛り上がっているー!?今日は楽しんでいこー!!」


相変わらずのハイテンション…………けれど私にはわかる。苦しんでいるということを。


そう言っていると、莉緒のクラスメイトたちもやって来る。


秋葉サヤ

「演奏、楽しみにしているからね。」


錦戸アケミ

「ええ。私も…………。」


真瀬志奈

「錦戸さん。怪我が治りましたね。良かったです。」


錦戸アケミ

「ええ。色々と迷惑をかけちゃったみたいね。ごめんなさい。」


真瀬志奈

「気にしないでください。」


そうこうしているうちにいよいよ私が演奏をする時間がやって来た。


真瀬志奈

「では…………行ってきます。」


真瀬莉緒

「頑張ってね。」


莉緒に後押しをされて、私はステージに立つ。


土原ガク

「……………………。」


私は、演奏を始める…………。



演奏が終わると、いろんな人から拍手をもらった。


それはもう拍手喝采だった。


…………けれど、辺りを見ると土原さんがいない。


ステージに降りると、莉緒が近くにやって来た。


真瀬莉緒

「ガクは中庭に行ったよ。話があるって。行ってみたらどう?」


真瀬志奈

「莉緒…………わかったわ。ありがとう。」


私は先生に話を通して、中庭へと向かった。



六郭星学園 中庭



中庭に来た。土原さんは…………いない。どこに行ったのだろうか?


??

「志奈さん…………。」


後ろから声をかけられる。振り向くと、土原さんがいた。


土原ガク

「ありがとうございます。おかげで本当の自分になれそうです。…………ただ、本当の素顔は他のみなさんには見せられないかもしれませんが…………。」


真瀬志奈

「土原さん!…………良かった。ようやくあなたの本当の素顔が見れて良かったです。」


土原ガク

「志奈さん…………。」


真瀬志奈

「土原さん!!」


私は土原さんに抱き着いた。


土原ガク

「怖かった…………両親がいなくなって。…………苦しかった。だけど、誰にも相談できなかった。マコトにも、キョウゴにも、アサヒにも…………でも、志奈さん。あなたのおかげで僕は前を向けそうです。」


真瀬志奈

「苦しかったでしょう。私は…………。」


土原ガク

「あの曲聞きました。あれは…………間違いなく、僕の性格をすべて入れた曲です!僕は、志奈さんとこの曲を完成させたいです。」


真瀬志奈

「もちろんです!私も土原さんと完成させたいです!」


抱擁を終えると、空から雪が降って来た。


真瀬志奈

「…………雪が降ってきましたね。」


土原ガク

「そうですね。……………………。」


私たちは降る雪を見上げていた。とても綺麗だ。


しばらく、空を見上げて佇んでいた。


真瀬志奈

「土原さん。頑張りましょう!」


土原ガク

「はい!」


そして、私たちは大講堂に戻ることにした。



六郭星学園 大講堂



大講堂に戻ると、雪谷さんたちが迎え入れてくれた。


雪谷マコト

「おかえりなさい。2人とも。」


秋葉サヤ

「その様子じゃ…………何か良かったことがあったのね。」


土原ガク

「うん!!とても良かったよー!!…………色々と迷惑かけたね。」


綿垣キョウゴ

「構わないさ。…………頑張ったんだな。」


錦戸アケミ

「全く…………無理しないでよね。」


水崎アサヒ

「うむ。志奈の顔を見る限り、どうやら大丈夫そうだな。」


真瀬志奈

「はい。土原さんは…………。」


そう言うと、土原さんは私の発言を遮るように返事をする。


土原ガク

「うん!!志奈ちゃんのおかげだよー!!ありがとー!」


真瀬志奈

「えっ…………あ、はい。」


そう返事すると、土原さんは小さい声で私に声をかける。


土原ガク

「彼らにはまだ内緒でお願いします。アサヒは知っているけど、彼らにはまだ知られたくないんです。どうかよろしくお願いします。」


真瀬志奈

「は、はい…………。わかりました。」


二つ返事で答える。知られたくない秘密だって誰にでもある。


土原ガク

「それじゃあ、志奈ちゃん!明日からあのアレンジの練習をしよー!そして声優さんのオーディションで認めてもらうんだー!!」


真瀬志奈

「……………………はい!頑張りましょう!」


私たちは声優さんのオーディションに向けて、さらなる練習を取り組むことにする!

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