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colorful〜rainbow stories〜  作者: 宮来 らいと
第3部 土原ガク編
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第3章 スノーホワイトの雪が降り(土原ガク編)中編

六郭星学園 Bクラス教室



翌日…………ホームルームが終わると、凪野先生からあるイベントについて報告があった。


凪野雪緒

「急で申し訳ないが、12月にパーティーをすることになった。」


真瀬志奈

「パーティー…………?」


クラスメイトたちもざわつく。


凪野雪緒

「すまない。今後の下級生の親交を深めるための発案でな…………。みんなはもう仲良くしているから必要はないかもしれないが、今後の下級生のためにも試しにやってくれ!」


凪野先生のお願いを聞いたクラスメイトたちも反対することはなく、凪野先生の意見に従うことにした。


凪野雪緒

「ありがとう。みんな…………楽しんでいくぞ!!」


クラスメイトたちも「はい。」と答え、ホームルームが終わった。


真瀬志奈

「ふぅ…………。」


授業が終わり、私は寮に戻ろうとすると雪谷さんが声をかけてきた。


雪谷マコト

「真瀬さん。最近はどうですか?」


真瀬志奈

「雪谷さん。お疲れ様です。最近は調子良いですよ!」


雪谷マコト

「そうですか…………。あの…………ガクのことなんですけど…………。」


真瀬志奈

「土原さんがなにか…………?」


雪谷マコト

「最近、様子が変なんですよ。何か知っていますか?」


真瀬志奈

「最近ですか…………そうですね。」


そうですねとは言ったものの、思いつかない。…………けれど、何か苦しんでいる。そんな気がしている。


綿垣キョウゴ

「俺も気になっているんだ。」


話を聞いていたのか、綿垣さんも土原さんのことを話してくれた。どうやら綿垣さんも気になっているみたいだ。


真瀬志奈

「そうですね。…………やっぱり、何か苦しんでいる様な気がするんです。」


綿垣キョウゴ

「そうなのか…………。」


雪谷マコト

「やっぱり…………。」


真瀬志奈

「やっぱり…………?何か知っているんですか?」


雪谷マコト

「はい。実は…………夜な夜な泣いているみたいなんです。」


真瀬志奈

「夜な夜な…………?本当ですか?」


綿垣キョウゴ

「ああ、そうみたいだ。真瀬の弟も昨日、知ったみたいだ。」


真瀬志奈

「莉緒も…………。」


綿垣キョウゴ

「あいつ…………あれが本当の素顔じゃないのか?」


真瀬志奈

「……………………。」


結局…………結論は出ないまま、その日は解散した。



六郭星学園 中庭



秋から冬に近づいてきており、肌寒い日の中で、私は中庭に足を向けた。


真瀬志奈

「土原さん…………。」


私が考えていると、辺りが眩い光に包み込まれた。


真瀬志奈

「な、何!?」


光が消えるとそこには1人の男性の姿が見えた。


真瀬志奈

「あ、あなたは…………?」


??

「真瀬志奈さんだね。」


真瀬志奈

「ど、どうして私の名前を!?」


虹谷サイ

「自己紹介がまだだったね。僕は虹谷サイ(にじや さい)。僕はある人物を追ってここに来たんだ。」


真瀬志奈

「ある人物を…………その人は一体?」


虹谷サイ

「土原ガク。彼だよ。」


真瀬志奈

「土原さん…………!?」


なぜ虹谷と言う人は土原さんを…………?私は動揺していた。


虹谷サイ

「彼の罪はそれはそれは重たい。彼を捕獲する。彼はどこにいるんだい?」


真瀬志奈

「…………知りません。」


虹谷サイ

「そうか…………。」


真瀬志奈

「知っていたとしても、あなたに教えるわけにはいきません。」


虹谷サイ

「どうしてだい?」


真瀬志奈

「土原さんは今、苦しんでいます。そんなときに土原さんを捕獲することは私が許しません。どうかお引き取りください。」


虹谷サイ

「……………………。」


真瀬志奈

「このとおりです。お引き取りお願いいたします。」


虹谷サイ

「ふぅ…………。わかりました。…………ただ、後悔をしないことだね!」


そんな捨て台詞を吐いた虹谷と言う人は再び、眩い光が辺りを包み込んだ。


真瀬志奈

「くっ…………。」


光が消えると、そこには誰もいなかった。


真瀬志奈

「一体何だったのかしら…………?」


私は呆然としていると…………


ギギ……ガガ……


真瀬志奈

「えっ……!?」


何……この耳鳴りは……!?


ギギ……ガガ……


苦しい…………!


私はその場に倒れ込んだ。


意識が遠のいていく…………そのとき、彼の声が聞こえた。


土原ガク

「志奈さん!大丈夫ですか!?」


真瀬志奈

「土原…………さん…………?」


土原ガク

「今、保健室に連れていきますからね!すみません!そこにあなた!急いで担架を持ってきてください!」


小鳥遊カルマ

「お…………?…………ああ。わかった。」


薮本マサキ

「急いで持ってきますね。」


その声を聞いて、私は意識が遠のいていく。



六郭星学園 保健室



真瀬志奈

「う、うーん…………。」


冬原マイカ

「おや。目が覚めたのかい?」


真瀬志奈

「冬原さん…………?どうしてここに?」


冬原マイカ

「男子たちが、あなたが担架で運ばれているところを見てねぇ。男子が看病するわけにもいかないからねぇ…………私が見ていたわけよ。」


真瀬志奈

「そうだったんですね。…………ありがとうございます。」


冬原マイカ

「礼を言うなら、彼に言いなさい。土原ガク。彼が率先して、あなたを運んでくれたのよ。」


真瀬志奈

「土原さんですか?」


冬原マイカ

「ええ。彼にね。じゃあ、私はこの辺で…………」


冬原さんはどこかへ行ってしまった。


真瀬志奈

「土原さんか…………。」


私は土原さんにお礼を言うため、保健室をあとにした。

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