第3章 モーブスカイ(水崎アサヒ編)前編
秋。水崎さんは未だに協力を拒んでいる。一体何故、断るんだろうか…………。僕は秋葉さんたちに相談をすることにした。
真瀬莉緒
「…………と、言うわけなんですよ。」
秋葉サヤ
「うーん…………アサヒが協力をしない理由ね…………。」
錦戸アケミ
「わからないわね…………でも…………。」
真瀬莉緒
「でも?」
錦戸アケミ
「もしかすると…………土原さんとかなら知っている可能性はあるかもしれないと思ってね…………。」
真瀬莉緒
「土原さんか…………。」
確かに土原さんなら知っているかもしれない。…………聞いてみるか?
真瀬莉緒
「ちょっと、土原さんに聞いてみます。みなさんありがとうございます。」
錦戸アケミ
「ええ。アサヒのこと頼んだわよ。」
僕は姉さんたちの教室に向かうことにした。
六郭星学園 Bクラス教室
真瀬莉緒
「失礼します。」
僕は教室に入ると、綿垣さんと雪谷さんがいた。もちろん姉さんもいる。
真瀬志奈
「あ、莉緒。どうしたの?」
真瀬莉緒
「今、土原さんを探しているんだけど…………。」
雪谷マコト
「ガクでしたら…………どこか出かけましたよ。珍しく暗い顔をしながらでしたけれど…………。」
綿垣キョウゴ
「ああ…………食堂に行ってみたらどうだ?」
真瀬莉緒
「そうですね。わかりました。探してみます。」
僕は食堂へと向かうことにした。
六郭星学園 食堂
食堂に行くと、学園のいろんな人たちがいた。
真瀬莉緒
「すみません。ちょっとお話いいですか?」
??
「あっ…………はい。」
僕は近くにいた、内野タスク(うちの たすく)さんに声をかけた。
真瀬莉緒
「あの…………土原ガクさんは見かけませんでしたか?」
土原さんは学園の中では有名人のため、色々な人が知っている。もちろん内野さんも知っているので、声をかけた。
内野タスク
「そうですね…………ここには来ていないはずですよ。あっ…………でも、夢野さんとさっき会っていた気がします。彼女は理科室に居たはずなので、行ってみてはいかがですか?」
真瀬莉緒
「そうですか…………ありがとうございます。」
内野タスク
「いえ…………何があったかは知りませんが、頑張ってください。」
真瀬莉緒
「……………………はい。」
僕は理科室へと向かった。
六郭星学園 理科室
真瀬莉緒
「失礼します。」
理科室に夢野さんがいるというけれど…………夢野さんは…………いた。
夢野マナカ
「あっ…………どうも。」
彼女は夢野マナカ(ゆめの まなか)。少し、暗い性格の持ち主である。
夢野マナカ
「今日はどの様な用件で…………?」
真瀬莉緒
「ああ、はい。土原さんという方を探しているんですけれど…………。」
夢野マナカ
「…………確かにさっき会いましたけれど、そのあとに行った場所は聞いていませんけれど…………。」
真瀬莉緒
「そうですか…………わかりました。ご協力ありがとうございます。」
夢野マナカ
「はい…………。」
真瀬莉緒
「ところで、夢野さん。どこかで聞いたことのある声をしているような…………?」
夢野マナカ
「さ、さあ?気のせいじゃないですか?」
真瀬莉緒
「…………そうですね。変なこと言ってすみません。…………ではこれで。」
僕は理科室をあとにした。
理科室の前で僕は次にどこに行くかを考えていた。
真瀬莉緒
「どうしようか…………。」
すると、そこに愛森先生がやって来た。
愛森宇蘭
「あら?真瀬くんどうかしたの?」
真瀬莉緒
「あ、はい…………実は土原さんを探していまして…………。」
愛森宇蘭
「ああ、土原くんなら、自分の部屋に戻ったわよ。何かあったの?」
真瀬莉緒
「本当ですか!?…………何があったのかは言えませんが、探していたので助かりました。ありがとうございます。」
愛森宇蘭
「いいのよ。…………頑張ってね。」
そう言うと、愛森先生は理科室に入っていった。
真瀬莉緒
「よし…………じゃあ、部屋に戻るか。」
僕は自分の部屋へと向かう…………。
六郭星学園寮 莉緒・ガクの部屋
僕は部屋に戻ってきた。土原さんは…………居た。
土原ガク
「おお、莉緒ではないか!なんだか久しぶりだねー!」
真瀬莉緒
「土原さん。今日は折り入ってお話があります。」
土原ガク
「お、なんだか本気の目をしているねー!!」
僕は思い切って、土原さんに質問を投げかける。
真瀬莉緒
「水崎さんは過去に何があったんですか?」
土原ガク
「……………………。」
土原さんは僕の言葉を聞いて、目の色が変わった。
土原ガク
「知りたい?」
僕は迷わなかった。
真瀬莉緒
「はい。知りたいです。」
土原さんはため息をつく。そして、真剣な表情で話を始めた。
土原ガク
「……………………わかりました。では、勝負しましょう。」
真瀬莉緒
「しょ…………勝負?…………それに、土原さん、様子が変ですよ?」
土原ガク
「今は関係ないじゃないですか。それより勝負しないんですか?」
真瀬莉緒
「土原さん…………。………………わかりました。勝負しましょう。」
土原ガク
「…………決まりですね。では…………。」
僕は様子が変わった、土原さんと勝負をする…………!
勝負の結果は…………僕の勝ちだった。
真瀬莉緒
「勝ちました。教えてください。水崎さんの協力を拒む最大の理由を。」
土原ガク
「わかっています。お話しましょう。アサヒが音楽を嫌う理由を。」




